Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2021.06.15

コンピューティングパワーを片手に

とあるスーパーマーケットの専門家に品揃えの秘密を教えてもらったことがあります。

うろ覚えで申し訳ないのですが……よく売れている商品だけを並べるだけじゃダメで、たまにしか売れない商品も揃えておかないと全体の売上(お店への訪問回数、購入数など)が落ちてしまうという話でした。

入口から外周に配置されているのがよく売れる商品で野菜、魚、肉、飲み物、パンなど、逆に売れないけど大切なのが中央にある調味料や缶詰など。

人が作るスーパーマーケットなのに、なんだか生態系のバランスみたいだなと感じた記憶があります。

商品の売上高という一つのモノサシで測れるものじゃなくて、いろんなモノがそれぞれの役割をあちこちで果たして全体が成立しているような。

そんな絶妙なバランスについて身の回りの環境で触れていた仮説があったので引用します。

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家は生態系 ーあなたは20万種の生き物と暮らしている
http://www.hakuyo-sha.co.jp/creature/never-home-alone/

生物多様性の喪失は、人間の免疫系にも「痛み」を与え、機能不全を引き起こすと考えていたのだ。

そのように考える上で、最も直接的な足がかりとなったのは、慢性的な自己免疫疾患は過度に清潔で衛生的な生活と関係があるとする仮説および一連の研究だった。

この「衛生仮説」は、1989年にロンドン大学セントジョージ医学校の疫学者、デイヴィット・ストローンが初めて提唱した。

中略

ハンスキ、ハーテラ、フォン・ヘルツェンは、環境中、家屋内、そして身体に生息する多種多様な生物への曝露が、免疫系の平和維持経路の機能を正常に保つのに何らかの役割を果たしているに違いないと考えた。

そのような曝露の機会がないと、免疫系がIgE抗体を作って反応し、チリダニやチャバネゴキブリやカビの破片、さらには自己の細胞のような、実際には危険ではないさまざまな抗原に対して炎症反応を起こすようになる。

子どもたちが十分に野生動物に曝露していないと、調整経路がその役割を果たしてくれない。

アレルギーや喘息を発症し、その他の諸問題も生じてくるーそんなふうに彼らは考えたのだ。刺激的な仮説だが、その仮説を検証する必要があった。
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多種多様な生きものに接触する前提で作られてきた体の免疫システムが、よかれと思って清潔にしすぎた環境で逆にバランスを崩してしまうという説です。

本当にそうなのかはこれからも検証が続くとして、それにしても生きもの同士や生きものと環境との関係は複雑で分かりにくいものが多い気がしています。

スケールもナノからメートルまで幅がありますし、時間の流れも違います。

分かりにくいものも、これまでなら単純化して取り扱えるようにしてきました。

しかし年々高まるコンピューティングパワーを片手に、これからは入り組んだものもなぞりながら解読するのが主流になるのでしょう。

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