Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2022.12.12

考えられるだけの知恵を注ぐ

プロジェクトの締切りが迫っていて、リソースが限られていたら、まずは間に合わせることが一番大事でしょう。

しかし、そんなに追い詰められた時こそ、ちょっとの手間でずいぶんと未来が開けるなら勇気をもってトライしたいとも思います。

45年前に打ち上げられた探査機ボイジャーが今なお200億km以上先(100AU:1AUは太陽と地球の距離)から電波を送っているのにはそうした秘密が隠されていました。

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Scientific American2022:Voyagers to stars
(日経サイエンス2023年1月)
https://www.nikkei-science.com/?p=68562

いまから60年ほど前、太陽系にある4つの巨大惑星はゆっくり公転しながら整列しつつあった。NASAはこの千載一遇のチャンスを生かすために2機の探査機を建造した。細部までまったく同一のボイジャー1号と2号で、1977年夏に半月足らずの間に相次いで打ち上げられた。

「最初の4年が主ミッションという位置付けだった」と、ボイジャーのチームから20年間離れた後に2010年にプロジェクトマネジャーとして復帰したトッド(Suzanne Dodd)はいう。「だが、4年のミッションには必要ないが費用が10%増しですむものを加える選択肢があった場合、技術陣はそちらを選んだ。そして上部には特に報告しなかった。」

「マイクロプロセッサーを積んでいない。存在していなかったから」。ボイジャーを設計した技術陣はこの探査機の運転を助けるのに膨大なコンピュータープログラムに頼るわけにはいかなかった。「ミッションをこんなに長く続けられたのは、ほぼすべてハードウェアに作り込まれていたからだといえる。現在の技術者はそうしようにも方法が分からないだろう。これほどシンプルな宇宙機を現在作れるかどうかも疑わしい。」
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目の前にある課題に、現在考えられるだけの技術で、知恵をしぼりだして、少し先まで余白を考えて作りこんでおく。

すぐに結果を欲しがる僕らは、できるだけ早く正解を探し、可能な限り楽をしたいと考えますが、その反対のやり方があることを忘れないでいたいものです。

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2機が観測を完全に停止した後も、その旅は続く。ボイジャー1号は1万6700年後に隣の星であるプロキシマ・ケンタウリを通過し、その3600年後には2号が続くだろう。さらにその後、2機は何百万年も銀河系の中を周回し続ける。
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