Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2023.10.30

会社としてケアを真剣に考える

2025年問題という話があります。

戦後に生まれた団塊の世代が2025年に75歳以上の後期高齢者になり、社会的な課題が増えると予想されています。

身近で感じるのは、誰かが誰かを助ける「ケア」をどうするかということ。

そうじゃなくても、現代は1人の大人として自立して活躍せねばならず、その結果がどうであれ一身に引き受けざるをえません。

無論やることが多すぎて、自分のこと以外を考える余裕はないはずです。

順調なら持ちこたえられても、少しのつまづきで抑えていた問題があふれでてきます。

もう少しケアできる余力を社会のバランスで考えた方がいいんじゃないかと思っていたので、まず料理によるセルフケアの文章から引用します。

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自分のために料理を作る
https://www.shobunsha.co.jp/?p=7727

というのも、子どもの頃は親が食事を用意してくれたり、元気がなさそうにしていたら話を聞いてくれたりなど、ケアされる立場にいることが多いですよね。

学校や塾でエネルギーを使ったぶん、家で食事をとり、誰かに話を聞いてもらうことでまたエネルギーが回復していく。

けれど大人になると親元を離れ、自分で生計を立てていくことになります。

それは、今まで親が担っていた子どもの世話係が、子ども自身に引き継がれる。

大人になることは、自分が自分の世話係になることなのではないかな、と私は思っています。

お腹が空いたら何か栄養のあるものを食べさせて、夜になったらお風呂に入れてすっきりさせて気持ちよく寝かせる。

おいしいご飯を食べにいくことも、花を飾ることも、自分の世話の一つです。

大人になってしまうと日常的にケアしてくれる世話係はいなくなってしまうので、自分の世話をサボると心の調子が崩れやすくなるのではないでしょうか。
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Mogicを始めてからずっと思っていたのは、会社でぐったり疲れてほしくないということでした。

よくある「会社で疲れ果て、プライベートで回復する」というサイクルに疑問を持っていましたから。

じゃあ何がベストかと考えて「会社で癒されて、プライベートは楽しめる」という発想に至りました。

これであれば「プライベートが大変になっても、会社で癒される」という可能性は残ります。

無謀な理想論でしょうが、トライしつづければなんとかなるものです。

はたらく時間が適正なのはもちろん、チーム全員で仕事を受け持ち、人と人とのつながりでフォローし、未来の社会に貢献できる仕事であれば自然とエネルギーがチャージされると考えたのです。

2025年を前にそろそろ会社という器もあらゆるケアを真剣に考える時に差し掛かっています。

2023.10.23

会社オペレーティングシステム

オペレーティングシステム(OS)といえばパソコンのWindowsやMacでおなじみです。

文章を書いたり、計算するソフトを動かす土台のイメージです。

今一度、その定義をWikiよりおさらいしてみますと

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0

オペレーティングシステムは通常、ユーザーやアプリケーションプログラムとハードウェアの中間に位置し、ユーザーやアプリケーションプログラムに対して標準的なインタフェースを提供すると同時に、ハードウェアなどの各リソースに対して効率的な管理を行う。
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ちょっと長くなりますが、「会社」でいいなおしてみます。

会社のオペレーティングシステムは、従業員や提供する商品とオフィスや店舗、機械や装置の間に位置し、それらに対して標準的なインターフェイスを提供すると同時に、オフィスや店舗、機械などの各リソースに対して効率的な管理を行う。

はて、会社を運営していくにあたりオペレーティングシステムのようなものはあったかなと考えます。

マネジメントのように人が介在するのではなく、アプリケーションでつぎはぎに業務をつなげるのではなく、ミーティングでチームの様子を確認するのでもない、24時間365日絶えず自動的にあらゆるリソース同士を最適化してくれる仕掛け。

おそらくコロナ禍の初期に最も必要とされた、人手を使わずに崩れた需給バランスを素早く整える仕掛けと同じもの。

多種多様で複雑なものを生み出すプロセスほど、人間と機械やロボットの分業論から考えて社内でそういう土台を作り込んだ方がいいと思っています。

2023.10.16

またも知らない職業ばかり

まもなくバルセロナのサグラダ・ファミリア教会が完成するようで、敬意を表して高さ30cmほどのペーパークラフトの小型模型を作っています。

ペーパークラフトでさえ他より大胆で緻密な造形ですから、実際のステンドグラスや尖塔を見れば考え抜かれた敬虔さが長く心に残るものです。

建設資材を運ぶクレーンを見上げたのは20年以上前、少し肌寒く柔らかな春の日差しの中でした。

当時はできあがるまでにまだ随分とかかるもんだなと思っていましたが、今になると笑えるほどあっという間だと分かります。

ちょうどスケッチしながらスペインを旅している最中で、将来仕事にするなら建築もいいけど、21世紀だからバーチャルな空間で電子建築をやりたいなあなんて空想を膨らませていました。

もちろん当時にそんな仕事はなかったのですが、今となってはインターネット上にシステムを作るIT産業は普通になりました。

嘘みたいな話は続くもので、再びもう20年ほど経てばまたも知らない職業ばかりになっていることでしょう。

2023.10.10

反発しながら、それでも

「こんなビジネスを立ち上げようと思っていて、どうですか?」
「ウェブサービスのアイデアを考えてみたのですが、いけますか?」
「いい人を採用したくて、どうすれば出会えますか?」

と、質問されることがあります。

答えは結局いつも同じで

「うーん、一緒に考えることはできるけど分からないです」

となります。

過去に何百と話を聞いてきて、結果はいつも分からなかったからです。

ただ、話しかけてきた人が続いていきそうな熱量かどうかは分かります。

その人の熱量が高まっているがゆえに避けている部分や見ないことにしている箇所があって、そこをわざと聞いています。

ビジネスの立ち上げなら「半年後に用意したお金が底をつきた。想像と違うなら、どう切り盛りしていきますか」

新規のウェブサービスなら「半年たって鳴かず飛ばず。誰も見向きもしてなかったら、どう判断しますか」

採用なら「いい人を採用できた。でも1年後にやっぱり違うとなったら、どう考えますか」

と、水を差すような話ばかりで恐縮です。

反発しながら、それでも耳をかたむけて取り組む人は自然と続いていくと思っています。

2023.10.02

焦がれ漕ぎいる小舟のよう

ビジネスで個人のスキルや組織の成果を測る指標はたくさんあります。

プログラムを書く量、資料を作るスピード、コーディングの正確さという数値になるものから、メンバを巻き込むリーダーシップ、最後まで全うする責任感、周囲に合わせる協調性という定性的で文章になるものまで。

それに部門ごとの売上高やコスト削減といった評価を積み上げていけば、会社の全体像として表現できます。

これはごく一般的で当たり前の話です。

疑いをはさむ余地はほとんどありません。

ですから敢えて、そういえばと思い直します。

チームワークの大切さや組織の一体感が声高に叫ばれる昨今、人と人との連動性や部門と部門との連動性はどう評価されているのかなと。

ある部門が好調でも別の部門が不調なら、何かがおかしい気がします。

サプライチェーンに例えると、ある部門がたくさん部品を作っても次に受け取る部門がうまくさばけなければボトルネックと呼ばれます。

もちろん業務を標準化しやすいなら、部門間のタスク移動を評価に組み込めるのかもしれません。

次のステップの様子を確認して、問題なければ作業を進めるという定型にしてしまう。

しかし人と人の連動性の先に新しい価値を作りたいと望むなら、標準化は難しくなるでしょう。

標準化、その定義の埒外に新しさは宿っています。

再現性、それは何かが抜け落ちて成立しています。

つまり絶えざる革新を見据えるなら、いまだ見ぬ島々に焦がれ漕ぎいる小舟のように標準化や再現性の大陸からざぶりと離れるしかないのかなと思ったり。

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