Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2021.06.30

意外なデータ好き

Mogicの見た目として、ゆるさとか、クリエイティブが表に出やすいので意外かもしれませんが、かなりのデータ好きです。

モットーとしては「目標の数字や計画は持たないけど、結果のデータは確実に蓄積する」です。

データベースに強いエンジニアが大勢いるのも一つの理由かもしれません。

社内にいろいろあるツール類(セールス、マーケティング、プロジェクト、人事、財務など)にログのダッシュボードがあるのはもちろん、定例会議やミスやトラブル、将来予測もスプレッドシートで正規化して何年分も残してあります。

パワーポイントやワード、メールだと昨年同月の今って何してたっけという振り返りに手間がかかりますので、串刺し分析できるようにフォーマット化するのがキモです。

あとは、社内のオンラインチャットと連動して遊ぶ自作ゲームなどもログを取得して、様子を見ています。

リアルタイムにアクティビティをチャットに投稿した方が反応いいかとか、景品あるイベントすると反応が170%アップしたよねとか。

会社ができてからの毎年のフォトギャラリーだったり、月ごとの出来事の記録だったり、過去に実施したレクチャーの記事だったり、取り寄せたスイーツの記録だったりと、アナログっぽいデータも多数あります。

面倒じゃないですか?と言われそうですが、飽きもせずに続けています。

おそらく新しいことにトライすることが好きなので、過去に一度でもやったことをやらないためじゃないかと思っています。

2021.06.21

ドルコスト平均法的な、ブランドサービスの作り方

ごくシンプルな投資手法の一つに、ドルコスト平均法というものがあります。

Wikipediaによれば「株式や投資信託などの金融商品の投資手法の一つ。定額購入法ともいう。金融商品を購入する場合、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。長期投資でリスクを抑制し、安定した収益を得たい場合に使われる手法である。上げ相場でドル・コスト平均法を行うと(最初に一括で購入した場合と比べて)平均購入単価がかえって高くなり、収益を減少させてしまう欠点もある。タイミングを精密に測れないため、値動きの激しい商品で、ハイリターンを目指す投資には向かない。」

例えば、毎月5個ずつ商品を買うのではなく、1万円で買える分だけ手に入れる感じです。

もちろん商品1個あたりの単価が値上がりすれば、1万円で5個買えたものが2個になるかもしれません。

商品が値下がりすれば、逆で1万円で8個手にできます。

1度にまとめて購入するより、購入時期を散らすことでリスク分散させていますから、中長期的にゆるやかなトレンドで上昇しそうなときに使えます。

この考え方をちょっと乱暴に横展開して、自分たちのサービス作りのリソース確保に使ってきました。

あくまで自己資金で少しずつ売上をたてながら、自分たちのブランドサービスをコツコツ育てていく場合に適しているものです。

おおよそクライアントに向けたデザイン制作やプログラム開発は売上に直結しますから組織として最優先のリソース割り当てになります。

しかしながら、少し欲ばって同時に自分たちのブランドサービスも作りたいとしたら、どういう風にリソース配分すればいいものでしょうか?

最初の立ち上げ時期は、ある程度まとまったリソースをブランドサービスに投入できます。

ただし、クライアント案件には受発注の波がありますので、それに比例して「サービスに手をいれたり、入れなかったり」をくり返すようになり、やがて「結果でてないから様子見」という状況で塩漬けになりがちです。

ですから、ここでドルコスト平均法の考え方を適用します。

毎週何個の改善をやるべしといった設定をすると忙しい時に時間がなくなって、精神的に行き詰まります。

本を定期的に買っていたら、忙しい時に積み上げてしまい、その重みに苦しむようなものです。

個数ではなく、余力のある時間にあわせて課題の数や難易度をコントロールしていきます。

最も忙しいときは、ごくわずかだけやります。

時間があるときは普通にやります。

これをずっと続けていくのです。

とにかくやめないことがミソです。

これのデメリットとしては、すべてのメンバの状況(忙しさはもちろん、習熟度、ポテンシャルの開花度、人生のタイミングなど)をつぶさに観察してから課題を決めることになるので、マネジメントコストが大きく増えます。

もしそれさえ圧縮できる手法を開発できれば、これはとても信頼ある方法の一つになっていきます。

2021.06.15

コンピューティングパワーを片手に

とあるスーパーマーケットの専門家に品揃えの秘密を教えてもらったことがあります。

うろ覚えで申し訳ないのですが……よく売れている商品だけを並べるだけじゃダメで、たまにしか売れない商品も揃えておかないと全体の売上(お店への訪問回数、購入数など)が落ちてしまうという話でした。

入口から外周に配置されているのがよく売れる商品で野菜、魚、肉、飲み物、パンなど、逆に売れないけど大切なのが中央にある調味料や缶詰など。

人が作るスーパーマーケットなのに、なんだか生態系のバランスみたいだなと感じた記憶があります。

商品の売上高という一つのモノサシで測れるものじゃなくて、いろんなモノがそれぞれの役割をあちこちで果たして全体が成立しているような。

そんな絶妙なバランスについて身の回りの環境で触れていた仮説があったので引用します。

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家は生態系 ーあなたは20万種の生き物と暮らしている
http://www.hakuyo-sha.co.jp/creature/never-home-alone/

生物多様性の喪失は、人間の免疫系にも「痛み」を与え、機能不全を引き起こすと考えていたのだ。

そのように考える上で、最も直接的な足がかりとなったのは、慢性的な自己免疫疾患は過度に清潔で衛生的な生活と関係があるとする仮説および一連の研究だった。

この「衛生仮説」は、1989年にロンドン大学セントジョージ医学校の疫学者、デイヴィット・ストローンが初めて提唱した。

中略

ハンスキ、ハーテラ、フォン・ヘルツェンは、環境中、家屋内、そして身体に生息する多種多様な生物への曝露が、免疫系の平和維持経路の機能を正常に保つのに何らかの役割を果たしているに違いないと考えた。

そのような曝露の機会がないと、免疫系がIgE抗体を作って反応し、チリダニやチャバネゴキブリやカビの破片、さらには自己の細胞のような、実際には危険ではないさまざまな抗原に対して炎症反応を起こすようになる。

子どもたちが十分に野生動物に曝露していないと、調整経路がその役割を果たしてくれない。

アレルギーや喘息を発症し、その他の諸問題も生じてくるーそんなふうに彼らは考えたのだ。刺激的な仮説だが、その仮説を検証する必要があった。
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多種多様な生きものに接触する前提で作られてきた体の免疫システムが、よかれと思って清潔にしすぎた環境で逆にバランスを崩してしまうという説です。

本当にそうなのかはこれからも検証が続くとして、それにしても生きもの同士や生きものと環境との関係は複雑で分かりにくいものが多い気がしています。

スケールもナノからメートルまで幅がありますし、時間の流れも違います。

分かりにくいものも、これまでなら単純化して取り扱えるようにしてきました。

しかし年々高まるコンピューティングパワーを片手に、これからは入り組んだものもなぞりながら解読するのが主流になるのでしょう。

2021.06.09

変わらないもの

コロナ禍であっても昼休みの様子を見ていると、相変わらず好きなことをやってるなあというのが感想です。

Switchでオンラインゲームをやるグループだったり、アイスを食べている人だったり、会話を楽しんでいる人だったり、本を読んでいる人だったり、DIYで机を作っている人だったり、屋上でタープをはっている人だったり。

当然、コロナ感染対策のルールは徹底しつつ。

時短の人も多いので帰る時間はバラバラで、定時に帰る人もいれば、少し残業する人もいます。

最近は忙しくなりましたよといわれますが、数年前までは昼ごはんの遠征に2時間かけたり、夕方に公園で野球とかしてましたから、それに比べれば忙しく感じるのでしょう。

1年前に入社した社員に会社の印象を聞いてみると

「仕事に関係ない本がたくさん、かつ更新される」
「仕事じゃないことに時間も労力もお金もかける」
「インテリアがよくかわる」
「時間にルーズ」
「役職者がみんなだいたい同じ方向を向いている」
「みんなで帰る」
「こばなし文化」
「社内メディアというか歴史というか記録が多い」

と、たくさん挙げてくれました。

どう受け止めるべきかは考えつつ、やっぱり10年前から雰囲気は変わってなさそうです。

2021.06.02

そこが奇妙なところなんです。

毎週、執行役員とチーフという管理職だけで執行役員会という会議を行っています。

役員はまったく参加せず、あくまで現場の責任者だけです。

実はこの会議に対して、こういうフォーマットでこう進めてくれといったことはありません。

たまに会社全体のフローや意識を変えた方がいいかなというお題を投げたりするぐらい。

それ以外に定型のアジェンダもなく、どうも彼らでこの時間に何を話すべきかから話しているようです。

会社に人が増えてきたり、社会情勢が急に変化してくると、今までうまくいったやり方が急に通用しなくなります。

そういうものをいち早く現場レベルのチームワークでクリアしてくれるといいなと思ったりしますが、そこらも彼らの感覚まかせです。

後日、役員も集まる経営会議で彼らの話したことをチラリと聞いたりすると、何かが伝わってきます。

謎が謎をよぶ推理小説のように、一見つながっていない出来事には「隠れた原因」があるんじゃないかとか(以下、引用します)。

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脳はこうして学ぶ
https://www.morikita.co.jp/books/book/3513

スコットランドヤードのグレゴリー警部が「他に私が注意しておいた方がいいところはありますか」と尋ねる。

ホームズ ー 夜にあった犬の奇妙な一件ですよ。

グレゴリー ー 犬は夜、何もしませんでしたよ。

ホームズ ー そこが奇妙なところなんです。

シャーロックは、犬が部外者を見つければ、吠えていただろうと推理した。

実際には吠えなかったということは、犯人は部外者ではなく、なじみの人物だったにちがいない……

この推理で、名探偵は探索の幅を狭め、その後真犯人の正体を暴くことになる。


「それが学習とどう関係するのか」と思われるかもしれないが、要は学習もホームズがしているような推理なのだ。

学習とはつまるところ、現象を支配するいちばんもっともと思えるモデルを導くために、その隠れた原因をつきとめるということだ。

しかし現実の世界では、観察しても真か偽かがはっきりすることはめったになく、不確定で確率論的なことしかいえない。

そこにこそベイズ師やラプラス侯爵の業績の根本がかかわってくる。

ベイズ理論は、確率でどう推理するか、データが真か偽かについて完全ではなく、確率論であるときに、どんな論理式を適用しなければならないかを教える。
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みんながいつもと違う、ゆらぎを感じとれていれば大丈夫だと思っています。

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