

『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられること、それって案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』
2026.06.25
1人で会社を立ち上げる。
限られた資金、過ぎていく時間、見えない売上。
社会保険、税金、請求書、そして終わりのない事務作業。
何がかすり傷で何が致命傷か、誰が味方で誰が敵か、相談すら軽くできない。
現代資本主義社会というジャングルでのサバイバル、とはいいすぎでしょうか。
命を落とすような病原菌や襲ってくる野獣はいないけれど、音を立てずに忍びよってくる影(シャドウ)が無数にある。
底知れぬ不安をぬぐいさることができず、ピリピリと背中が張ってくる。
もはやあまり思い出せはしないのですが、Mogicはそうやってスタートしました。
いま思えば、なかなかのハードモードです。
今なら、そうはしないかな。
だけど
だからこそ、心がけたこと、学べたことがいくつかあります。
固定費は限りなく少なくし、活動できる時間をできるだけ伸ばす。
チャンスはごくわずか、たまにしかこない。だから、きたら極端に集中する。
良い失敗と悪い失敗、良い成功と悪い成功を記録して、自分なりの判断軸を作る。
情報が集まる力点を物理法則のように計算する。そこが分かれば、ずっと待ちかまえる。
地道な努力はしない、語弊があるかもですが。1つの努力が10の成果になるものだけにしぼる。
そう、実際のサバイバルで3・3・3・3の法則が生存に直結するように、一人の起業を軌道にのせるには突きつめた優先順位が必要でした。
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サバイバル(分かりやすく期間を補足)
https://w.wiki/5G66
サバイバル(英語:survival)とは、困難な状況下や危険な状況下で生き続けること。呼吸・水分・食物の順に重要性を説いた「3・3・3の法則(“3分・3日・3週間”の略)」というものがある。この時間を超えると人間が生存できる可能性が低くなる。また、3・3・3の法則に体温異常が3時間以上続くと人間が生存できる可能性が低くなるということを加え「3の法則( “3分・3時間・3日・3週間”の4つ ) 」というものもある。
空気(3分)
呼吸に必要な空気(酸素)が絶たれれば4〜5分後には気を失い、まもなく死に至るので、まず安全な空気を確保することが大切だとされている。
体温(3時間)
低体温症は体の内側(直腸温度)が35度以下になると発生する。体温が26度以下では意識を失い、生命が危機的な状況である。
水(3日)
人間は水を飲めなければ3〜4日で死亡するとされている。成人男子は1日1リットル以上(健康に、身体活動するためには2リットル以上)の水を一般的には必要とする。
食料(3週間)
人間はいくら水が豊富に飲めても、それ以外の食物を何も口にしていないと、概ね3週間 - 1か月で死ぬ。
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もちろん17年が過ぎた今では、このようなサバイバルな基準だけで判断することは少なくなりました。
でもまあ、あえて制約をかけてごくわずかに生まれる隙間をすばやく射抜くこと、これはこれで楽しいのでいつまでもやれるもんです。
あとはそう、ごくたまにハードモードを選ばざるをえない瞬間。
ここは理屈じゃなくて、臍(へそ)が決めることだからどうしようもないですね。
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臍
新川和江
ものは頭で考える
だが 一生に一度や二度は
臍で考えて
決着をつけねばならぬ時がある
母からカットされた切り口で
きずあとは深く陥没しているが
人間それぞれひとりぼっち という意識は
どうやら此処を発祥地としているらしい
だからおのれの行く道は
臍で考え 臍で決めるのだ
ちからというちからが
たのもしい軍隊のよう 一挙に集合整列する
その時になって 人ははじめて判るだろう
なぜ臍が
からだのセンターにでんと据えられているのか
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2026.05.22
会社を運営していると、結果はあるけど原因がわからない、みたいなことがよく起きます。
有名なヒヤリハット(ハインリッヒ)の法則みたいに、何度かヒヤリとすることがおきて、ハッとするような重大事故が発生するという因果関係なら改善できるのですが、一見すると何が起きているか分かりにくい事象があります。
たとえば、急にあちこち電球が切れるようになった、請求書の記載間違いが増えた、インターン生の応募が減ってきた、というような見かけ上で関係ない事象の重なり。
実際に関係ないかもしれないし、何か根源的な原因が一緒だったりするかもしれない。
そこで一つのモデルを使って“隠れているもの”を思案するのですが、最近は生成AIのおかげでとても遠くまで楽に推定できるようになりました。
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隠れマルコフモデル
https://w.wiki/3E2Z
単純なマルコフ連鎖では、状態は直接観測可能であり、そのため、状態の遷移確率のみがパラメータである。
一方、隠れマルコフモデルにおいては、状態は直接観測されず、出力(事象)のみが観測される。
従って、ある隠れマルコフモデルによって生成された出力の系列は、内部の状態の系列に関する何らかの情報を与えるものとなる。
略
遠くに住んでいる友人のアリスとボブがいて、電話で毎日お互い自分のしたことを話している。
ボブは「公園での散歩 (walk)」、「買い物 (shop)」、「部屋の掃除 (clean)」の3つのことにしか関心がない。
何をするかは、その日の天気によってのみ決めている。
アリスはボブが住んでいる地域の日々の天気については具体的に知らないが、一般的な天候の変化については知っている。
ボブが毎日話すことにもとづいて、アリスは天気がどのようになっているかを推測しようとする。
アリスは、天気が離散マルコフ過程として変化すると考える。
天気には「雨 (Rainy)」と「晴れ (Sunny)」の2つの状態があるが、アリスはそれを直接知ることができないから「隠れ」た状態である。
毎日、ボブは天気に応じて「散歩」「買い物」「掃除」のどれかひとつだけを必ずする。
ボブがそれをアリスに話すことが、アリスにとっての観測(ボブからの出力)である。
この状況全体が隠れマルコフモデルとなる。
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ちょっと難しくなりますが、ここ1年でAIは人間でいう短期記憶みたいなコンテキストウインドウが莫大に増えました(状態空間モデルの応用)。
コンテキストウインドウ=教えてもらった前提条件を忘れずに全部ひっくるめて考えちゃおう、みたいなノリですね。
膨大な事象をコンテキストウインドウにいれられるなら、今まで見えていなかった状態遷移を推定できるかもしれない。
推定する時の最大の課題はいつも小さなエラーの累積による誤差ですから、そこが良くなると遠くまで見通せる可能性が出てきます。
へえ、こんなところがつながってるんだと計算結果がでてくる一方で、本当にそうなのかなあと思った挙句、最後は自分自身で見極めなきゃいけなくて、うん、まあなんというか、切れ味するどいブーメランが帰ってくる感じなんですよねえ、とほほ。
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コンテキストウインドウ(英語を翻訳)
https://en.wikipedia.org/wiki/Context_window
大規模言語モデル(LLM)のコンテキストウィンドウとは、出力生成時にモデルが一度に利用できるテキストまたはその他のトークン化された入力の最大量のことです。
コンテキストウィンドウが大きいからといって、モデルがコンテキスト全体を均等に利用できるとは限りません。
「Lost in the Middle」では、Liu らは、関連情報が入力の最初や最後ではなく、真ん中に現れる場合、長いコンテキストタスクのパフォーマンスが悪化することが多いことを発見しました。
他のベンチマークでは、単純な検索を超えたタスクを使用して長いコンテキストの能力を評価しており、これには複数ドキュメントの質問応答、長い対話の理解、コードリポジトリの理解、構造化データの推論などが含まれます。
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状態空間
https://w.wiki/NuXP
状態空間表現は時間領域の手法であり、これを使うと複数の入力と出力を持つシステムをコンパクトにモデル化でき、解析が容易になる。
(以下は英語サイトから翻訳)
状態空間モデルは、経済学、統計学、コンピュータ科学、電気工学、神経科学などの分野で応用されています。
たとえば、計量経済学では、状態空間モデルを使用して時系列をトレンドとサイクルに分解したり、個々の指標を複合指数に構成したり 、景気循環の転換点を特定したり、潜在的で観測されていない時系列を使用して GDP を推定したりできます。
多くのアプリケーションは、カルマンフィルタまたは状態オブザーバに依存して、過去の観測値を使用して現在の未知の状態変数の推定値を生成します。
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2026.05.01
自分で会社をつくる、登記をする。
大げさにみえがちですが、割とすぐできるものです。
いくばくかの資本金を準備して、書類を提出したらハイ、スタート。
手続きですから、段取りを踏めば進んでいくのです。
ですが、最初の勢いが鈍ってくるのはこの次からでしょうか。
それは自分たちが何をどうしたいか、どうなりたいかを決める段階。
こればかりはフォーマットがありませんから、うんうん唸りながら書きつらねるしかありません。
めちゃくちゃ売りあげていこう、自分の夢を実現させよう、日本一のサービスを作ろう、成功して南国で暮らそうなど、なんでも入れることができます(もちろん日本で活動することを踏まえて、法に則り、倫理的でなければなりません)。
と、さまざまな動機がある中でMogicはどう考えたのか。
いくつかあるうちの一つ、それが「社会と個人の間にある、なくてもよさそうな摩擦をできるだけ取りのぞいてみたい」という試みでした。
朝起きて会社にいきたくないをなくす、適度な運動になるぐらいの通勤時間にする、ぎゅうぎゅうで並ぶようなことを少なくする、踏切で10分とか待ちたくない、朝礼で号令や良い話なんて聞きたくない、ゆっくり飲み物を準備して週末にあったことを話したい、おやつや飲み物を買いにいくのが面倒、オフィスで過ごせばお金をほとんど使わなくていい、目の前に緑が広がりデスクが広い、怒号や叱責を飛ばさない仕組みをつくりたい、失敗に舌打ちはいらない、意味のない会議はしたくない、自分たちが自信をもてるサービスにしたい、おつきあいのあるクライアントやパートナーと信頼感のある関係でいたい、近所の会社をしらんぷりではさみしい、目にみえない遠くにいる人をそっと支えたい、会社の飲み会は最高の食事で無料に、みんなのコンディションにあわせて就業規則を作り変える、成長した分だけさらなる成長にふりむける、いろんなバックボーン/年齢/趣味の人がいていいんじゃない、売上を考えない楽しいプロダクトも作りたい、もちろん持続的に成長できるサービスを運営しつつだけど、ノルマや目標って作る方も見る方も大変、30年50年先の自分たちのライフスタイルをイメージし、お金を使う前に頭を使いたい、お互いを信頼してるけどべったりじゃなくてあっさり、飲みニケーションはしなくていいかな、飲めない人もいるし、学生に楽しくはたらくことってことをシェアしたい、面接ではスキルとか能力より一緒にやっていけるかを重視、お互いの状況を慮って仕事をしたい、調子が良くても悪くてもいい、平日に会社でつかれて週末にリフレッシュとかじゃない、キャリアや能力開発ってリアリティないな、オフィスで植物を育ててもいいよね、備品だって屋上でつくればいい、一つ節約できたら一つお取り寄せで美味しいものを食べよう、なんて。
書いてみて思いますけど、これをバランスよく組み立てるのは難儀なこと。
売上を目指せばハードワークが必要だろうし、環境を良くすればぬるま湯なんてこともあるでしょう。
自分たちで自由に動かせる体制じゃないとできないから、自己株式は100%で維持しなきゃいけない。
誰かが気兼ねなく休めるように、属人的じゃダメだからあらゆるシステム化を極限まで推進する。
おやつや飲み会を無料にするのにもちろん余剰金が必要だから、規模より利益率を高める。
会社のやりたいことと個人のやりたいことをマッチさせたいから、いつでも議論する。
バックグラウンド関係なく学ぶにはゆとりが必要だから、ノルマはいらないかな。
30年後をイメージするから、長期に資産形成できるような制度にしたい。
そうですね、やはり社会で生きづらいのは社会のニーズ VS 個人のニーズという対立項になりがちで、当然のように社会 > 個人という図式で犠牲をはらっている感覚(広い意味での「疎外」)になってしまうからでしょう。
ですから完全に折り合えはしないのですが、社会のベクトル と個人のベクトルをうまく合成して関数化する(就業規則を変更したり)という風に経営していく。
特別なノウハウとかじゃなくて、ただ単純にそんなことだけを考えてやってきました。
無論、摩擦をなくすことが最終的な目的じゃなくて、摩擦=悪でもないから、どのタイプの摩擦を良しとして何を避けるのかそのあたりもみんなで話し合いながら時間を積み重ねてきました。
振りかえってみるとはじめに描いたとおりじゃなかったけど、それっぽく上がったり下がったりしてバランスをとってきたんじゃないかなと思えてきますね。
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疎外
https://w.wiki/3TYR
疎外(そがい、独: Entfremdung、英: alienation)とは、哲学、経済学用語としては人間が作った物(機械・商品・貨幣・制度など)が人間自身から分離し、逆に人間を支配するような疎遠な力として現れること。またそれによって、人間があるべき自己の本質を失う状態をいう。
ラテン語のalienato(他人のものにする)に由来する疎外概念は、経済、社会、歴史的には、客体として存在するようになったものを操作する力を主体が失っている状態のことを指す。たとえば、あるものが私とは無関係であるという場合、そのあるものに対して私は無力なものとして疎外(ないがしろに)されていることになる。この疎外を克服することによって、人間はその本来の自己を取り戻し、その可能性を自己実現できるものとされる。
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2026.04.02
4月1日に新卒社員の入社式がありました。
そこで話したことを軽くまとめておこうと思います。
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大学を卒業したら、22歳ぐらいだと思います。
22歳、まだ右も左もわからないでしょうけれど、一つ想像してほしいのは20年後の自分ですね。
20年後の自分、42歳の自分。
ピンとこないのも無理はありません。
まずは42歳の自分がどういう人でありたいか、どう見られたいかをイメージしてみてください。
出世して課長になりたいとか、年収1000万以上になりたいとかそういうことじゃなくて、自分がどういう存在だったら心地いいかな、嫌じゃないかなということです。
20年が積みかさなった後に「本当はこういうことがしたいんじゃなくて毎日嫌だなあ」と思うのはつらいじゃないですか。
でもそうはいっても、20年後にどういう世界で暮らしてるか分からないってことがありますね。
たしかに分からないんですが、参考になることがあります。
それは今から20年前にさかのぼって、その間に何があったかを知ることです。
2026年なら20年前は、2006年。
2006年はどんな世界だったのか。
新卒なら生まれてまもなくだから想像がつかないかもしれませんが、IT業界でいればスマホが出たころです。
スマホが出てから、タブレット、SNSにYoutuber、そして生成AIまできました。
この間に技術が加速して毎日の過ごし方から、考え方まで大きく変化したのは間違いありません。
では、それを考慮して次の20年の世界(2046年ごろ)はどうなるのでしょうか。
最近の世界情勢を考えるなら、確実にいえるのは、これまでの20年より変化が大きいということでしょう。
ということなら「変化しつづける世界で自分はどうありたいか」ということが大事になってきます。
幸いなのか、Mogicという会社は「考えること」が大好きです。
自分の頭で考えたことをチームに共有する、場合によっては上司と意見が違っても発言したらいいんです。
いろんな角度から考え、発言し、議論していく。
今日考えていることを毎年、毎日修正していけばいいんだと思います。
その中で判断軸になってくるのが「自分の心地よさ」なのかなと。
少しずつそんなことを考えながらやってみてください。
これからの未来にむけて今日から同じ仲間としてはたらけることを楽しみにしています。
がんばってください。
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即興で話しているのでうろ覚えですが、ニュアンスが伝われば幸いです。
2026.03.26
現在、このコーナー「Mogicの考え」を絶賛改装工事しています。
いままでは「特集」と「短めのつれづれ文章」の構成でしたが、ちょっと意図が伝わりにくいところがありましたので、新しく「特集」「会社の出来事」「試行錯誤してること」に分ける予定です。
ということもあって、しばらくは不定期な記事の掲載になりますのでご容赦ください。
2026.02.27
残念ながら、“教科書どおり”が苦手です。
再現性のある方法、うまくできるノウハウ、習うべきお手本というものにアレルギー反応がでます。
ベンチャーならこう、中小企業ならこう、起業家ならこう、経営者ならこうするのが普通でしょ、といわれてもできないのです。
反骨精神とかではなく、ただ体質に合わないのだから仕方ありません。
ならば、どうしているのか?
面倒に感じられるでしょうが、一つずつ丹念に考えるだけです。
たとえば、インターンの採用ならどうするか。
インターン生、大学2年か3年、なんでインターンするんだろう、就活に有利になるからだろう、なんで有利になるの、ってそりゃ履歴書やガクチカで書けるから、サークル活動で部長というより社会人経験があった方が受けそうだから、ならばどんなインターンなら有利って考えるんだろう、自分の手で何かカタチにしたり会社の業務に役立った感じゃないかな、短期のインターンは誰もがやりやすいけど書く内容に差別化はできないから、でもOJTという名前で放置されたり、ルーティンワークなら履歴書に描きにくいから教えてもらえそうで実績出せそうな場所がいい、あとブラックなインターンがあるから雰囲気大事だしね、といった感じでイメージしてみます。
その上で、うちの会社でインターン生採用して意味があるかな、やっぱり面接よりインターンでよく知ってくれた人に社員で入ってほしいよね、インターンを教えるプロセスで社員のマネジメント力アップするかな、いろんな個性を知ることで人を見る目が養われるかな、なら短期より長期の方がいいし、若い彼らが育つスピードは速いから自分たちも刺激になるんじゃないか、と想像してみます。
いくつもの流れがうまく組み合わさるなら、まずやってみようとなります。
そうして実際やってみて良かったか、何か違ったかを考えなおします。
とにかくたっぷりどっぷり時間をかけて、自分たちが信じるべきものを削りだし、磨きこみ、研ぎすましていくんですね。
気になったことがあったら、ざぶんざぶんと時間を投げこんでいく。
結果、スケジュールはあってないようなものになりますからよくやってるなと思いますけど、できないものはできないからしょうがないんですよね。
2026.01.27
ぶらり帰り道にインターン生と話していると「最近、全部AI面接なんですよ」とのこと。
「え、全部なの」
「そうなんすよ、AIでなんか調子くるっちゃうんですよね」
「たしかに、なんか間合い取りづらそうだしね」
「で、最後にフィードバックしてくるんです」
「は、面接なのにそんなアドバイスもらっちゃうんだ」
「もうちょっと掘り下げた方がいいとか、論理的にした方がいいとか」
「うわー、きついねえ」
大企業ともなると数百人、数千人の応募があるでしょうから、人事部の人員を考えると面接に進む人数を絞りたくなるものです。
さらに人が面接官だとその場でコメントしづらいけれど、AI面接官なら応募者にサクッとアドバイスまでできてしまうという変化。
もちろん応募者はしたたかで、おそらく事前にAI面接の模擬練習をAI相手にやっていることでしょう。
さて、ここでもし自分だったらこのAI面接なるものにどう対応するのかと考えてみます。
ちょっとずるいですが、結局AIを使って作戦を練るのです。
AIに大企業が採用しそうなAI面接サービスをリストアップしてもらい、同時にそれらの共通仕様と違う点を比較し、人事部が設定できる範囲を特定し、汎用的な項目と会社ごとに追加する項目を割り出し、AI自身がどういう質問で聞いてきて、単語や文章の構成、声量やトーン、表情の何をみているかを確認する(ここまでで3分経過)。
仮に300人から100人の絞りこみに使われるケースなら、平均点だと落とされる可能性があるので、ベースは平均をとりつつ、上位1/3に入れそうな項目だけポイントを稼ぎ、すべりこむといった具合でしょうか(ここまでで5分経過)。
そこではじめてAI模擬面接をいくつかやって点数を出します。その上で、最初にたてた仮説やサービスの仕様にズレがなかったかを調整して、AI模擬面接を体にしみこませます。あまりやると最適化しすぎて逆効果なので1時間以上はやらない、とします。(ここに60分かける)。
と、ざっくり考えてから思うのはなんだか循環してるなという感覚。
AIの面接のために、AIを使ってAI面接サービスの仕組みを理解し、AI模擬面接官で微調整し、本番のAI面接でアドバイスをもらう。
面接というプロセスが変わるだけじゃなくて、何かを暗示している気がしてきます。
単に面接が“人からAIに変わった”だけじゃないとしたら、それは何を指ししめしているのか。
もしかしたら、5年後までに大企業の業務が同じようになる予行演習かもしれないな。
つまりAIの定めた目標に対し、AIを使って仕事をし、AIに評価されて、足りないところはAIにトレーニングしてもらう。
もしそうであるなら、今から全方位のAI環境を予測してそこでどうあるべきかを考えておいた方が良いかもしれません。
2026.01.14
情報工学で見られるグラフ問題は、よく組織に応用されます。
組織は人の集まりで、2人より10人の方が情報は多くなるものです。
人が増えれば、つながりが自動的に増えていき、つながると情報がやりとりされますから、全体でみれば情報量が急に増えていきます。
たくさんの人がいると、なんだか温度感が違う人いるなあと感じるのはそのせいもあるでしょう。
では、人数によって情報量はどういう増え方をしているのか?
それを数字にしたものがネットワークの組み合わせ爆発と呼ばれていますので、少し引用してみます。
ーーーーー
組合せ爆発
https://w.wiki/HSNh
コンピュータネットワークにおいて、ノードを追加していくと必要な通信路が急激に増大する。このことを組合せ爆発と称する。ただし、実際には指数関数的に増えるわけではなく、厳密にはせいぜい多項式的増大である。
2つのノード間で通信する必要があるとき、1対1の適当な通信路1本で直接接続すればよい。しかし、3つめのノードを追加すると、通信路が3本必要となる。4ノードでは6本、5ノードでは10本、6ノードでは15本と増えていく。これを一般化すると、n ノードでの通信路数l は次のように、n の2乗のオーダーで増加する。
l = n(n−1)/2
ーーーーー
lという情報量を組織の人数で計算してみますと
2人ならl = 1
5人ならl = 10
10人ならl = 45
25人ならl = 300
50人ならl = 1,225
100人ならl = 4,950
ざっくり15人目ぐらいから急激にカーブがかかるのです。
ですから10人超えたぐらいで“組織化”と呼ばれる手法が導入されます。
役職で階層化したり、部門に分けたり、職掌を定義したり、定型フローを作ったり、就業規則を作りこんだり、全社発表会をしたりと。
まあ、情報量が多すぎて処理できなくなると不透明なところが増えますから、トラブルが生まれやすく、スピードが落ちてきて、利益率が下がって、退職者が増えてくる、で自然と何とかしなきゃいけなくなって、イコール組織をいじろうとなるものです。
おそらく部門ごとにKPIという目標を作ったりするのも、この情報爆発を抑制する仕掛けの一つなのでしょう。
ふうむ、とここまで整理して気になってくるのは、“情報爆発”って本当は何だろうなということです。
情報爆発を高次の無限集合みたいに悪者扱いするのではなく、操作可能にできないものか。
情報量が多いからって、重要な情報だけ残してあとは削ぎ落としていいのか。
人が増えたからといって、慣例的に“組織化の手法”を導入するだけでいいのだろうか。
と、ここでもう一度組み合わせ爆発の前提に立ちもどってみますと、どうもノード(人)とノードが等価にすべて結びついている点が気になってきます。
もし仮に人と人が等しくつながらずにうまくグラデーション(濃度)にできれば、情報の爆発を遅らせられるんじゃないか、とか。
もう一度、さきほどの引用文の続きを持ってきます。
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これを減らすためのひとつの方法は、情報を媒介する汎用的手段を中心に置くことであり、この場合通信路の数はノード数n に等しくて済む。しかしこの場合の欠点は、
1:1対1では電話やテレタイプのように特に手順らしい手順を定めなくとも通信できるかもしれないが、媒介手段に対応するためには通信内容に付加された宛先に基づく経路制御をする必要があるのでTCP/IP、SMTPなど何らかの通信プロトコルを導入する必要が生じる点
2:中心の媒介手段が障害や性能不足に陥れば全部の通信が影響を受ける点
である。2:の欠点のために、実際の設計では必ずしも通信路の数を減らしさえすればいいわけではなく、ある程度の冗長性を残した複雑なシステムを構築することが多い。
ーーーーー
そうです、やり方は考え方一つでいろいろ思いつくものです。
人が集まって活動することの在り方、ちょうど今年は午年ですから視線を高くして、今一度考えてみたいと思います。
本年は年初より軽やかに駆けだしてまいりますので、引き続きご贔屓のほどよろしくお願いいたします。