Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2021.11.29

限りあるもの、限られるもの

コロナ禍でよく遭遇した出来事に、供給不足による価格の高騰やサービスの停止があります。

最初はマスクや消毒液がなくなり、そのうち病床が圧迫され、転職しようにも募集が少なくなりました。

最近ですとガソリン価格が上昇し、練馬の賃貸物件は空きがなくなり、中国に頼んでいたものもなかなか届かない状態です。

コロナ以前に当たり前だったものは、目に見えない「潤沢さ」に支えられていたんだなと。

時を同じくして、排出できる二酸化炭素の量に限りがあると分かり、豊富な漁業資源に支えられた日本で魚が取れなくなるなんて考えもしなかったはずです。

アフターコロナになって、あらゆるものが再び潤沢さを目指すか?と問われれば、違う気がしています。

かつての潤沢さを「限りあるもの、限られるもの」と置き換える発想が次に必要となり、その始まりがこの数年だったのではないでしょうか。

2021.11.22

デスパレートな欲求は突き進む

ショパンコンクールのドキュメンタリ番組を見ていてどうしても気になることがあって、少し調べていたら興味深い記事があったので先に引用します。

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https://ontomo-mag.com/article/interview/chopin-piano-competition01/

偉大な音楽家の演奏へのアクセスが容易になったことは、若い演奏家にとって、一般に受け入れられるため、手っ取り早くものごとを進めてしまえないかという、大きな誘惑となっているでしょう。

核心にたどりつくため、作曲家の人生や作品を幅広く探究するかわりに、すでに存在する解釈を利用しようとする。

近道を使って成功を手に入れようと考えてしまうわけです。

短期間で喝采を得ようとするこのデスパレートな欲求は、多くの若い解釈者を、平均的、予測可能、標準的なものにしてしまいます。

その演奏は個性を持たず、記憶に長く残ることも、感情に触れることもありません。

私はこれを、「受け売りの解釈(second-hand interpretation)」と呼んでいます。

真に敏感で音楽に興味があるアーティストは、他人の録音を聴くことを避け、作曲家の書いたものと、そこから生じる自分の感情、精神的な反応にインスピレーションを求めるものです。

中略

個性のうち先天的なのは、一部です。

人生経験により、誰もが個性を育むことができますが、加えて、ほかの偉大な芸術家の経験から吸収したり、本を読んだり、美術館を訪れたり、いい映画を観たりすることで、さらに発展させることができるでしょう。

多くの若者は“完璧な”演奏に忙しく、それが芸術において、あくまで肉体的な要素でしかないことを忘れています。

精神的部分に割く時間がないのです。そのため、ほかの録音を真似ることに手を出してしまうわけです……。

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何が気になっていたかというと、感性が重要なテーマでアウトプットをどう評価しえるのかということでした。

別の記事では、解釈力、構成力、想像力、表現力で総合的に評価するともありました。

そもそもショパンの楽曲のみ使って演奏を組み立てるという制限のあるテーマです。

もしここに現在の人工知能AIを投下すれば、審査員ごとの好みの分析、過去に評価された楽曲の構成、演奏方法などから最適なものを弾き出すでしょう。

それはどう評価されるのでしょうか。それを聴いてみたいかと問われれば、個人的にはあまり興味は湧きません。

慣れていないせいなのか、それとも何かが足りないと思うからなのか。

ここらへんがサービスやプロダクトをつくっていくものとして大切なところなんだと思っています。

2021.11.15

性悪説と監査ざんまい

ここ数年でさらにMogicの業務は増え、使うものが増え、やることが増えました。

それに伴って、役員の努力だけで社内をチェックするのが限界になっているんじゃないかと疑っていました。

そこで1年前から社内で何人かを集めて、リスク監査委員会をはじめました。

月1回ほど集まり、考えうるリスクを洗い出して、その対処方針を作ります。

その時ばかりは性悪説にスタンスを切り替え、万が一よこしまな気持ちが生まれてもできないようにするにはどういう仕組みがいいのかを議論します。

そうして多くのシステムやツール、業務フローで情報の管理レベルが設定され、改善されたと思っています。

しかしなぜかそれでは足りない気がして、今年は会計事務所や法律事務所などの外部から監査をしてもらうことにしました。

結果として分かったことは、大枠は抑えられているけど割合の少ないもの(費用でいえば全体の数%)に目配せが足りなくなっているということでした。

割合は少ないものの、そこで発生するリスクがどういう連鎖をするか分からないので誰かがチェックすべきでしょう。

そうして、細かな費用も組織的にチェックするフローが作られました。

みんなが楽しくやっていくには、地道なメンテナンスが欠かせないものです。

2021.11.09

オフィス・フィールドワーカー

Mogicには社内の教育を専門に行うベーシックエデュケーションという部門があります。

ベーシックという名称から分かるように、基礎体力作りを手伝っています。

新しく入ったパートやインターンから新入社員まで、ITをからめた業務や自分で考えることに不慣れな人をサポートしています。

ひとりひとり個性が違い、経歴も状況も違いますから、まずはヒアリングや参与観察、状況分析から。

そうして徐々に課題が分かってきたら、過去にうまくいったワークショップやグループワークなどを組み合わせて提供していきます。

時にはまったく新しいメソッドを開発します。

その昔にはコーヒー焙煎やお菓子づくりというグループワーク研修もありました。

ただ注意すべきは適切な関与で、あまりに一方的すぎても回数が多すぎてもダメです。

あくまでMogicというフィールドで自分らしく仕事をやれるようにたまに支えているだけなんです。

部門内の教育担当だと情が入りすぎるかもしれないし、人事部だと評価に紐付きすぎるかと考えて利害関係ない別部門にしてあります。

かれこれ2年以上、毎週ベーシックエデュケーション担当と話していますが、不思議なことに議論が尽きることはありません。

2021.11.01

まっさらで始める楽しさ

子会社3社の新しいオフィスが上石神井に決まったのでいろいろ手伝っています。

石神井公園のオフィスと似てデザイナーズ仕様で広めのテラスがついていて、今だと白い富士山がドーンと目に入ってきます。

6階なのでさすがに緑はないのですが、フロア用にたくさんの植物をプレゼントする予定です。

冷蔵庫から掃除機、机や椅子、フライパンやフォークなどあらゆるものを揃えなければなりません。

ずっと昔にMogicとしてはじめてオフィスを開いた頃を思い出します。

まっさらで始めて、自分たちらしく作り込んでいくのは本当に楽しいものです。

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