Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2022.10.11

普通にほどけない結び目

自分一人ならまだしもチームで問題が起きたら、原因の特定は難しいものです。

感情的には「あいつが悪い」といえば済みそうですし、道徳的には「ワンフォーオール。みんなのせいだよ」となぐさめるでしょうし、データ的には「業務フローにボトルネックがあるね」と意見することができます。

それぞれに呼応するように「誰かがごめんなさいといって、お互いもっと信頼しようと話し合って、数字でチェックしようと工夫します」が、それでもうまくいかない場合はどうすればいいのでしょうか?

因果関係の本に、端的な表現があったので引用します。

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因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915968

こうした問題に対しては、数値を有限の、しかも扱いやすい数のカテゴリーに分けるという解決策をすぐさま思いつく。

この解決策は原理的に何の問題もないが、カテゴリーの設定がやや恣意的になるだろう。

また、調整する変数が一定より多くなると、カテゴリーの数が指数関数的に増える恐れがある。

そうなると、この手法は現実的に適用不能になってしまう。

しかも、この場合、カテゴリーの多くに要素が一つも存在しないこともあり得る。

その場合には、確率の推定はまったくできなくなるだろう。

この問題は「次元の呪い」と呼ばれているが、統計学者は、それに対処するための優れた方法をいくつか考え出している。

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これまでの経験や感覚、慣習では思いつかない要因が、密かに横たわり悪さをしているということで、もちろん複数が連鎖していることがほとんどでしょう。

と考えて、じゃあ、どう解決するんだ?となれば、残念ながらしっかり時間をとって丹念に我慢強く考察するしかなさそうです。

そのあり様をもう一つ引用より

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「実に簡単なことだよ、ワトソン君」

シャーロックホームズはこう言ってから、皆が知っているとおり、とても簡単とは言えない推理を披露して、信頼のおける助手、ワトソンを驚かせるのが常だ。

ホームズには他にも有名なセリフがある。

それからも彼がどのような思考をしているかは窺い知れる。

こんなセリフだ。

「あり得ないものを一つずつ排除していったとき、最後に残ったものは、たとえどれほどあり得ないと思えても真実だ」。

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コロナ禍、円安、インフレ、普通にほどけない結び目が増える世の中です。

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