『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられることって、案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』
2023.06.05
オフィスの魔除けとして外ドアの左右に1つずつ盛り塩を置いていたのですが、コロナ禍の対応が一区切りついてやめることにしました。
円錐形の型に塩をギュッと詰めて逆さまに置くと、凛とした白い山ができます。
見た目がきれいで邪気払い感があったものの、しばらくすると崩れているということがよくありました。
特に1Fドアの外に置かれた盛り塩はよくバラバラになっていました。
なんでだろうね?と話していて、もしかしたら良くないことが起きているのではと頭によぎった夕方、インターフォンが鳴ってようやく分かりました。
「すみませーん、ドアの盛り塩なんですが……うちの子がさわってくずしちゃって……珍しいみたいで……」と若いお父さんの声。
「あら、そうですか、ちょっといきますね」とメンバーが返答。
階段を降りていくと、たしかに皿の周りが砂場のように散らかっていたままで誰も見当たりません。
それからも忘れた頃に、人知れず塩の山は崩されていました。
やがて姿は見えずとも、きっと小さい子たちが遊んでるんだから良い兆しなんだと勝手に納得したという次第。
そうして盛り塩をやめると決めたとき、不思議と気になったのは彼らのことでした。
世には、人の預かり知らない縁があるものです。