『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられることって、案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』
2023.07.18
IT業界に、アテンションエコノミーという言葉があります。
アテンション、つまり人の注意を集めてこそ経済が回るという考え方です。
これまでとは違い、モノではなく形のない意識を取り扱います。
その昔、知人がよく「目線を奪うんだよ」といっていました。
目線を押さえれば、情報を送るパイプが作られ、確率的に次の行動が決まると考えているのです。
ほとんど意識しないほど小さく粉砕され、巧みに並びかえられたキラめくカケラは、誰かれによどみなく流れ込んでいきます。
その論理がうまく機能すればするほど、できるだけ長く、より多くの人の注意を集める力学が働きます。
ここ10年でスマホを見る時間が大幅に増えたのは、その絶えまない努力を反映しているのでしょう。
ガタンゴトン、タタン、タタンと海辺を走るローカル線にゆられながら、画面をスクロールして思ったのはそんなことでした。
果たして、スマホに向けられる前の注意はどこに向いていたのか。
もはや思い出すことができないのです。