Mogicはかんがえる

『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられることって、案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』

代表取締役 山根陽一

2021.11.15

性悪説と監査ざんまい

ここ数年でさらにMogicの業務は増え、使うものが増え、やることが増えました。

それに伴って、役員の努力だけで社内をチェックするのが限界になっているんじゃないかと疑っていました。

そこで1年前から社内で何人かを集めて、リスク監査委員会をはじめました。

月1回ほど集まり、考えうるリスクを洗い出して、その対処方針を作ります。

その時ばかりは性悪説にスタンスを切り替え、万が一よこしまな気持ちが生まれてもできないようにするにはどういう仕組みがいいのかを議論します。

そうして多くのシステムやツール、業務フローで情報の管理レベルが設定され、改善されたと思っています。

しかしなぜかそれでは足りない気がして、今年は会計事務所や法律事務所などの外部から監査をしてもらうことにしました。

結果として分かったことは、大枠は抑えられているけど割合の少ないもの(費用でいえば全体の数%)に目配せが足りなくなっているということでした。

割合は少ないものの、そこで発生するリスクがどういう連鎖をするか分からないので誰かがチェックすべきでしょう。

そうして、細かな費用も組織的にチェックするフローが作られました。

みんなが楽しくやっていくには、地道なメンテナンスが欠かせないものです。

2021.11.09

オフィス・フィールドワーカー

Mogicには社内の教育を専門に行うベーシックエデュケーションという部門があります。

ベーシックという名称から分かるように、基礎体力作りを手伝っています。

新しく入ったパートやインターンから新入社員まで、ITをからめた業務や自分で考えることに不慣れな人をサポートしています。

ひとりひとり個性が違い、経歴も状況も違いますから、まずはヒアリングや参与観察、状況分析から。

そうして徐々に課題が分かってきたら、過去にうまくいったワークショップやグループワークなどを組み合わせて提供していきます。

時にはまったく新しいメソッドを開発します。

その昔にはコーヒー焙煎やお菓子づくりというグループワーク研修もありました。

ただ注意すべきは適切な関与で、あまりに一方的すぎても回数が多すぎてもダメです。

あくまでMogicというフィールドで自分らしく仕事をやれるようにたまに支えているだけなんです。

部門内の教育担当だと情が入りすぎるかもしれないし、人事部だと評価に紐付きすぎるかと考えて利害関係ない別部門にしてあります。

かれこれ2年以上、毎週ベーシックエデュケーション担当と話していますが、不思議なことに議論が尽きることはありません。

2021.11.01

まっさらで始める楽しさ

子会社3社の新しいオフィスが上石神井に決まったのでいろいろ手伝っています。

石神井公園のオフィスと似てデザイナーズ仕様で広めのテラスがついていて、今だと白い富士山がドーンと目に入ってきます。

6階なのでさすがに緑はないのですが、フロア用にたくさんの植物をプレゼントする予定です。

冷蔵庫から掃除機、机や椅子、フライパンやフォークなどあらゆるものを揃えなければなりません。

ずっと昔にMogicとしてはじめてオフィスを開いた頃を思い出します。

まっさらで始めて、自分たちらしく作り込んでいくのは本当に楽しいものです。

2021.10.25

期待値のない、期待感

期待値とは確率用語で、Wikiより定義をもってきますと「確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均」といった難しい表現になります。

ざっくりいえば、何度かやったらこんな答えに収束するんじゃないかと予測するものです。

会社を運営していくことは、将来の段取りをつけることと近しいのでよく使います。

最近のMogicでは組織化が進み、権限が分散化されたことで、役職者がお金やリソースにまつわることを多く扱うようになりました。

これまでかかっていた費用とか、他社でも使っていそうな費用は期待値を計算しやすいものです。

ところが一番難しくなってくるのが「今まで費用をかけたことがなく、他でも聞いたことがないものにどう投資するか」ということです。

期待値を算出しようにも過去データがないのでどうしようもありません。

Wikiの定義の続きにも似たような記述があります。

「期待値が意味をもつのは、同じような事象が比較的均等に起こる場合である。非常に極端な値をとる事象がごくまれに起こり得るというような場合は、期待値の概念にはなじまない。例えば、「保険」や「宝くじ」では高額の保険金や当選金が得られる機会はごく稀なので期待値は負の値になるが、そのことをもって、保険に入ることや宝くじの購入が無意味であると判断するのは、適当ではない」

そんな時に登場させているのが「期待感」です。

この投資をして誰がどうワクワクするか、明るい顔で楽しそうに話をするか、そんな基準です。

あまりに曖昧だと使いづらいので少しは数式化するのですが、それでも最後は話を聞いた人たちの顔を見ています。

期待値が予想できないものこそ、みんなが楽しそうですから不思議なものです。

2021.10.19

資本と経営の分離

株式会社でいつか必ず考えねばならないテーマに「資本と経営の分離」というものがあります。

いつか、と書いたのは資本を出した人が経営をし続けたとしても引退の際には整理が必要だからです。

自分のお金で会社を興して(資本と経営が同一)、軌道にのったら誰かに社長を任せるのもありますし、上場して不特定多数の人に株を持ってもらうこともあります。

資本と経営が一体化している時は、働く人のイメージが湧きやすいものです。

社長だけがどこか遠くにいるわけでなく、たいていは従業員と一緒に働いているからです。

しかし株主が不特定多数になれば、誰がどう働いているかは関係ありません。

他の誰かから見た、透明度の高い数字とガバナンスが第一の優先事項になりますから、おそらく一体化していた時とは違う雰囲気になるでしょう。

組織を束ねる論理が変わるから自然なことです。

このようなことは株式会社では当たり前のように感じますが、家族に置き換えるとどうなんだろうと考えてみました。

普通はお父さんとお母さんが稼いだお金すべてが家族の資本であり、それをどう使うかが経営といえるでしょう。

ところが、家族の資本のうち半分以上を不特定多数の誰かが出資していたらどうなるか。

お金を使う時に「なにやら使いにくさ」を感じるものです。

使い込みすぎてリターンが少なければ、お父さん役、お母さん役を解任させられて誰かが送り込まれるかもしれません。

3ヶ月ごとに目標が掲げられ、到達しない場合は説明が必要で、場合によって家族から去ることになるやもしれません。

そういう風に考えていくと、「資本比率による権利(役割)の移動」は日常生活では考えない発明なんだなと思い知らされます。

2021.10.11

ノンフィクションを現実に

ごくありふれた、当たり前だと思うものに新しい意味を見つけること。

誰かによって書かれた文章の脇に、自分なりの注釈をつけていくこと。

こういったことを、会社経営に対して実践してきました。

会社で行われる教育はビジネスで役立つスキルであるべき、順調な階段状のキャリアを登るべき、個人主義で評価されるべき、業績はずっと真っ直ぐに伸びるべき、意思決定はトップダウンがいい、サービスは1点集中がいい、スピード重視で間違えばピボットすればいい、先行する他社を模倣すればいいとか。

こういった通説に少しでもモヤモヤを感じれば、一つ一つ解きほぐしてきました。

「その考えじゃなくて、この考えの方がいいよ」と発言するより、アクションした方が早いとおもって、まずはトライして発信してきたことが今のMogicらしさとなりました。

最近では、情報発信だけじゃなくて課題解決にも挑む編集手法をソリューション・ジャーナリズムと呼ぶらしく、以下を引用します。

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新世代エディターズファイル
http://www.bnn.co.jp/books/10871/

元ジャーナリストで「ブルックリン・ブルワリー」の共同創業者であるスティーブ・ヒンディは、記事を書くことよりホップや麦の割合を合わせることに喜びを感じ、通信社を退社し同社を創業したという。

「メディア人材=コンテンツ制作者」が自ら描いたストーリーの登場人物になる。

そんな時代が到来したのである。こうしたあり方は、近年注目を集める「ソリューション・ジャーナリズム」にも近い。

さながら、良質なノンフィクションをイメージし、それを現実のものとしてしまう手法である。

編集とはいわば、ストーリーを生み出すクリエイティブディレクション能力を表す言葉である。

コンテンツがどのように読まれ、どのような効果をもたらし、どんなストーリーが生まれるかまでを考える仕事だ。
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誰かが言ってましたが、意味は無制限に生成できるので当面困ることはなさそうです。

2021.10.04

パーっとやっていこう

Mogicは9月末が決算月だったので、今週から新しい期が始まりました。

設立当初から前の年度にいろいろあったとしても、新しいスタートにはパーっとやっています。

社内メンバーでパーっとご馳走やスイーツを食べたり、オモシロそうなイベントを開催したり。

ちょうどハロウィンなのでオフィスあちこちに飾り付けたり、ドローンを飛ばして撮影したり。

スタートはいつでも前のめりに踏み出していきます。

2021.09.27

チームワークとひとりの時間

Mogicではチームワークを重視したビジネスプロセスを組んでいて、他の人の動き方をいろいろ考えます。

しかし、モダンサッカーと同じく組織だけでは突破できない局面が出てきますので、ここぞというときに発揮できる個人技も磨いてくれたらいいけどなあと欲張ったことを思っていました。

そこで個人技とは一体何か?という疑問が出てきます。

これまで数十年培った経験か、生まれ育った環境か、性格か。

個人技をビジネスや人生の局面突破という目的から見れば、ただ経験の蓄積だけではダメでしょうから、構造体としてまとめあげる必要がありそうです。

しかも日々刻々と状況が変化しますから、DNAやタンパク質のようにタイミングごとに変化する構造体といった具合でしょう。

そう思っていた矢先に「そもそもひとりになる時間が大事じゃないか」という文章があったので引用します。

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本を読めなくなった人のための読書論
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=921

当時は、仕事に追われていました。文字通り忙殺されていたのです。

日々、いろんな人にも会い、ほとんどの時間を打ち合わせに割いていました。

時間をどんなに費やしても終わりが見えない。

家に帰るのも深夜になることが少なくありませんでした。

中略

もう一つ、「ひとり」の時間が決定的に不足していました。

ひとりになって、自分と向き合うのを忘れていました。

むしろ、恐れていたのだと思います。

仕事に没頭することは悪いことじゃない。

むしろ、いいことだ。

今は、わき目もふらず走る時期だ、そう思い込んでいました。

中略

人生にはさまざまな「気づき」があります。

誰かと話し合うなかでしか感じられないこともありますが、ひとりのときにしか気がつけないこともあります。

対話は大切です。

誰かと話すことは独りよがりな考えを改めてくれます。

しかし、それとは別に「ひとり」になってみないと分からないことがあります。

奇妙に聞こえるかもしれませんが、読書は、「ひとり」であることと、対話が同時に実現している、とても不思議な出来事なのです。

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涼しくなってきましたから、ひとり公園でサンドイッチをパクつきながらの読書もいいものです。

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