

『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられること、それって案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』
2026.04.02
4月1日に新卒社員の入社式がありました。
そこで話したことを軽くまとめておこうと思います。
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大学を卒業したら、22歳ぐらいだと思います。
22歳、まだ右も左もわからないでしょうけれど、一つ想像してほしいのは20年後の自分ですね。
20年後の自分、42歳の自分。
ピンとこないのも無理はありません。
まずは42歳の自分がどういう人でありたいか、どう見られたいかをイメージしてみてください。
出世して課長になりたいとか、年収1000万以上になりたいとかそういうことじゃなくて、自分がどういう存在だったら心地いいかな、嫌じゃないかなということです。
20年が積みかさなった後に「本当はこういうことがしたいんじゃなくて毎日嫌だなあ」と思うのはつらいじゃないですか。
でもそうはいっても、20年後にどういう世界で暮らしてるか分からないってことがありますね。
たしかに分からないんですが、参考になることがあります。
それは今から20年前にさかのぼって、その間に何があったかを知ることです。
2026年なら20年前は、2006年。
2006年はどんな世界だったのか。
新卒なら生まれてまもなくだから想像がつかないかもしれませんが、IT業界でいればスマホが出たころです。
スマホが出てから、タブレット、SNSにYoutuber、そして生成AIまできました。
この間に技術が加速して毎日の過ごし方から、考え方まで大きく変化したのは間違いありません。
では、それを考慮して次の20年の世界(2046年ごろ)はどうなるのでしょうか。
最近の世界情勢を考えるなら、確実にいえるのは、これまでの20年より変化が大きいということでしょう。
ということなら「変化しつづける世界で自分はどうありたいか」ということが大事になってきます。
幸いなのか、Mogicという会社は「考えること」が大好きです。
自分の頭で考えたことをチームに共有する、場合によっては上司と意見が違っても発言したらいいんです。
いろんな角度から考え、発言し、議論していく。
今日考えていることを毎年、毎日修正していけばいいんだと思います。
ですから、そんな未来にむけて今日から同じ仲間としてはたらけることを楽しみにしています。
がんばってください。
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即興で話しているのでうろ覚えですが、ニュアンスが伝われば幸いです。
2026.03.26
現在、このコーナー「Mogicの考え」を絶賛改装工事しています。
いままでは「特集」と「短めのつれづれ文章」の構成でしたが、ちょっと意図が伝わりにくいところがありましたので、新しく「特集」「会社の出来事」「試行錯誤してること」に分ける予定です。
ということもあって、しばらくは不定期な記事の掲載になりますのでご容赦ください。
2026.02.27
残念ながら、“教科書どおり”が苦手です。
再現性のある方法、うまくできるノウハウ、習うべきお手本というものにアレルギー反応がでます。
ベンチャーならこう、中小企業ならこう、起業家ならこう、経営者ならこうするのが普通でしょ、といわれてもできないのです。
反骨精神とかではなく、ただ体質に合わないのだから仕方ありません。
ならば、どうしているのか?
面倒に感じられるでしょうが、一つずつ丹念に考えるだけです。
たとえば、インターンの採用ならどうするか。
インターン生、大学2年か3年、なんでインターンするんだろう、就活に有利になるからだろう、なんで有利になるの、ってそりゃ履歴書やガクチカで書けるから、サークル活動で部長というより社会人経験があった方が受けそうだから、ならばどんなインターンなら有利って考えるんだろう、自分の手で何かカタチにしたり会社の業務に役立った感じゃないかな、短期のインターンは誰もがやりやすいけど書く内容に差別化はできないから、でもOJTという名前で放置されたり、ルーティンワークなら履歴書に描きにくいから教えてもらえそうで実績出せそうな場所がいい、あとブラックなインターンがあるから雰囲気大事だしね、といった感じでイメージしてみます。
その上で、うちの会社でインターン生採用して意味があるかな、やっぱり面接よりインターンでよく知ってくれた人に社員で入ってほしいよね、インターンを教えるプロセスで社員のマネジメント力アップするかな、いろんな個性を知ることで人を見る目が養われるかな、なら短期より長期の方がいいし、若い彼らが育つスピードは速いから自分たちも刺激になるんじゃないか、と想像してみます。
いくつもの流れがうまく組み合わさるなら、まずやってみようとなります。
そうして実際やってみて良かったか、何か違ったかを考えなおします。
とにかくたっぷりどっぷり時間をかけて、自分たちが信じるべきものを削りだし、磨きこみ、研ぎすましていくんですね。
気になったことがあったら、ざぶんざぶんと時間を投げこんでいく。
結果、スケジュールはあってないようなものになりますからよくやってるなと思いますけど、できないものはできないからしょうがないんですよね。
2026.01.27
ぶらり帰り道にインターン生と話していると「最近、全部AI面接なんですよ」とのこと。
「え、全部なの」
「そうなんすよ、AIでなんか調子くるっちゃうんですよね」
「たしかに、なんか間合い取りづらそうだしね」
「で、最後にフィードバックしてくるんです」
「は、面接なのにそんなアドバイスもらっちゃうんだ」
「もうちょっと掘り下げた方がいいとか、論理的にした方がいいとか」
「うわー、きついねえ」
大企業ともなると数百人、数千人の応募があるでしょうから、人事部の人員を考えると面接に進む人数を絞りたくなるものです。
さらに人が面接官だとその場でコメントしづらいけれど、AI面接官なら応募者にサクッとアドバイスまでできてしまうという変化。
もちろん応募者はしたたかで、おそらく事前にAI面接の模擬練習をAI相手にやっていることでしょう。
さて、ここでもし自分だったらこのAI面接なるものにどう対応するのかと考えてみます。
ちょっとずるいですが、結局AIを使って作戦を練るのです。
AIに大企業が採用しそうなAI面接サービスをリストアップしてもらい、同時にそれらの共通仕様と違う点を比較し、人事部が設定できる範囲を特定し、AI面接がどんな企業にも共通する項目と特定の会社にマッチするかを判断する項目を割り出し、AI自身が質問をどういう形で聞いてきて、単語や文章の構成、声量やトーン、表情の何をみているかを確認する(ここまでで3分経過)。
仮に300人から100人の絞りこみに使われるケースなら、平均点だと落とされる可能性があるので、ベースは平均をとりつつ、上位1/3に入れそうな項目だけポイントを稼ぎ、すべりこむといった具合でしょうか(ここまでで5分経過)。
そこではじめてAI模擬面接をいくつかやって点数を出します。その上で、最初にたてた仮説やサービスの仕様にズレがなかったかを調整して、AI模擬面接を体にしみこませます。あまりやると最適化しすぎて逆効果なので1時間以上はやらない、とします。(ここに60分かける)。
と、ざっくり考えてから思うのはなんだか循環してるなという感覚。
AIの面接のために、AIを使ってAI面接サービスの仕組みを理解し、AI模擬面接官で微調整し、本番のAI面接でアドバイスをもらう。
面接というプロセスが変わるだけじゃなくて、何かを暗示している気がしてきます。
単に面接が“人からAIに変わった”だけじゃないとしたら、それは何を指ししめしているのか。
もしかしたら、5年後までに大企業の業務が同じようになる予行演習かもしれないな。
つまりAIの定めた目標に対し、AIを使って仕事をし、AIに評価されて、足りないところはAIにトレーニングしてもらう。
もしそうであるなら、今から全方位のAI環境を予測してそこでどうあるべきかを考えておいた方が良いかもしれません。
2026.01.14
情報工学で見られるグラフ問題は、よく組織に応用されます。
組織は人の集まりで、2人より10人の方が情報は多くなるものです。
人が増えれば、つながりが自動的に増えていき、つながると情報がやりとりされますから、全体でみれば情報量が急に増えていきます。
たくさんの人がいると、なんだか温度感が違う人いるなあと感じるのはそのせいもあるでしょう。
では、人数によって情報量はどういう増え方をしているのか?
それを数字にしたものがネットワークの組み合わせ爆発と呼ばれていますので、少し引用してみます。
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組合せ爆発
https://w.wiki/HSNh
コンピュータネットワークにおいて、ノードを追加していくと必要な通信路が急激に増大する。このことを組合せ爆発と称する。ただし、実際には指数関数的に増えるわけではなく、厳密にはせいぜい多項式的増大である。
2つのノード間で通信する必要があるとき、1対1の適当な通信路1本で直接接続すればよい。しかし、3つめのノードを追加すると、通信路が3本必要となる。4ノードでは6本、5ノードでは10本、6ノードでは15本と増えていく。これを一般化すると、n ノードでの通信路数l は次のように、n の2乗のオーダーで増加する。
l = n(n−1)/2
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lという情報量を組織の人数で計算してみますと
2人ならl = 1
5人ならl = 10
10人ならl = 45
25人ならl = 300
50人ならl = 1,225
100人ならl = 4,950
ざっくり15人目ぐらいから急激にカーブがかかるのです。
ですから10人超えたぐらいで“組織化”と呼ばれる手法が導入されます。
役職で階層化したり、部門に分けたり、職掌を定義したり、定型フローを作ったり、就業規則を作りこんだり、全社発表会をしたりと。
まあ、情報量が多すぎて処理できなくなると不透明なところが増えますから、トラブルが生まれやすく、スピードが落ちてきて、利益率が下がって、退職者が増えてくる、で自然と何とかしなきゃいけなくなって、イコール組織をいじろうとなるものです。
おそらく部門ごとにKPIという目標を作ったりするのも、この情報爆発を抑制する仕掛けの一つなのでしょう。
ふうむ、とここまで整理して気になってくるのは、“情報爆発”って本当は何だろうなということです。
情報爆発を高次の無限集合みたいに悪者扱いするのではなく、操作可能にできないものか。
情報量が多いからって、重要な情報だけ残してあとは削ぎ落としていいのか。
人が増えたからといって、慣例的に“組織化の手法”を導入するだけでいいのだろうか。
と、ここでもう一度組み合わせ爆発の前提に立ちもどってみますと、どうもノード(人)とノードが等価にすべて結びついている点が気になってきます。
もし仮に人と人が等しくつながらずにうまくグラデーション(濃度)にできれば、情報の爆発を遅らせられるんじゃないか、とか。
もう一度、さきほどの引用文の続きを持ってきます。
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これを減らすためのひとつの方法は、情報を媒介する汎用的手段を中心に置くことであり、この場合通信路の数はノード数n に等しくて済む。しかしこの場合の欠点は、
1:1対1では電話やテレタイプのように特に手順らしい手順を定めなくとも通信できるかもしれないが、媒介手段に対応するためには通信内容に付加された宛先に基づく経路制御をする必要があるのでTCP/IP、SMTPなど何らかの通信プロトコルを導入する必要が生じる点
2:中心の媒介手段が障害や性能不足に陥れば全部の通信が影響を受ける点
である。2:の欠点のために、実際の設計では必ずしも通信路の数を減らしさえすればいいわけではなく、ある程度の冗長性を残した複雑なシステムを構築することが多い。
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そうです、やり方は考え方一つでいろいろ思いつくものです。
人が集まって活動することの在り方、ちょうど今年は午年ですから視線を高くして、今一度考えてみたいと思います。
本年は年初より軽やかに駆けだしてまいりますので、引き続きご贔屓のほどよろしくお願いいたします。
2025.12.15
たまたま違うところから
「次はデット(借入)でまかなおうと思うんですが・・・・・・」
「ここでエクイティ(株主資本)の調達って、どう思います?」
という相談をうけて、似たような感想を返していました。
つまり、ごく普通のこと
「お金を集めるのはいいけど、結局どれにどう投資する(何に対してお金をどう燃やす)かじゃない」
というものです。
お金を燃やすという表現。
なんとも物騒ですが、ビジネス界隈ではよく使われます。
キャッシュ・バーンレート(お金を燃やす速度)という単語のとおり、お金を早く大量に使うことで時間やノウハウを買うといった考え方があります。
前借りして集めた大量のお金を使い、あっという間に優秀な人を集め、大きなオフィスを借り、目を引く提携を決め、記者や編集者と仲良くなり、CMやSNSで認知を広げて、未来の企業価値を計画して、資金がつきる前に期待値を最大化する、をくりかえす。
直線的にうまくいけば儲けものですが、意外とネックになるものがあります。
お金でいろいろスピードアップするはずなんですが、どうにもスピードアップできないものもあるんですね。
たとえば、子どもの成長で考えてみると分かりやすいでしょうか。
仮に1年分の食べ物を買い、1週間で食べられたとしても、すぐに1年後の身長や体重にはならないということです。
要はスピードアップにも差があり、きちんとスピードアップできるものとそうじゃないものを選りわけておく。
あとスピードアップする分だけ、(WACC:加重平均資本コスト的に)調達する資本にプレミアムなコストがかかって後から重くなりますしね。
なので、スピードアップできるものにはグラデーションをつけて投資するけど、そうじゃないものはそっと見守る勇気を持つ。
資金は調達したときがピークですから、減りつづけるお金に反比例するように焦りばかり募らせていけば、うまくいくものもいかなくなるのかなあと思ったりします。
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WACC 加重平均資本コスト
https://w.wiki/Hf$q
加重平均資本コスト(かじゅうへいきんしほんコスト、英語: weighted average cost of capital、WACC)とは、企業が資産調達の対価として全権利者に平均して支払うと見込まれる金利のことである。WACCは通常、会社の資本コストと呼ばれる。
企業は資金を、普通株式や優先株式その他関連する権利、普通社債・転換社債・他社株転換可能債、従業員ストックオプション・年金債務・役員ストックオプション、政府補助金といった、さまざまな資金源から調達する。期待されるリターンは、資金源ごとに異なっている。WACCは、資本構造の構成比率を考慮して計算される。
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2025.12.03
いくつかの生成AIに同じテーマを探求させたり、テーマをしぼりこんで2つの生成AIに差分を互いに突っこませていると、なんだか同じ山を違うルートから登ってたり、同じ道のはずなのに違う山にいっちゃうんだと感じることがあります。
回答ごとに行き先が分岐し、踏み出した一歩が次の分岐を引きよせる。
同じ生成AIでも聞くタイミングやニュアンスで答えが違ってくる。
それを遠くから眺めていると、なんだか物理でいう経路積分っぽいなあと思ったのでちょっと引用してみます。
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経路積分
https://w.wiki/4z2s
古典力学(古典系)では、ある質点の運動の様子(運動の経路)は初期状態を決めてしまえば後は運動方程式を解くことによって一意的に定まる。一方、量子系では量子的な不確定さ(量子ゆらぎ)が存在するため、古典系のような一意的な経路の決定はできない。
量子系で素粒子などの運動の様子を求める方法はいくつか存在するが、その一つとして経路積分による方法がある。
経路積分の数式では、始点と終点を結ぶ経路は無数にかつ大域的に分布している。それら無数の経路を計算上で合成すると求める結果となる。 経路積分法によって求めた測定値の確率分布は、通常の演算子形式で求めた確率分布と一致する。
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こむずかしい記述ですが、いわんとしているのは「いつもちょっと道が違うかも」ということでしょうか。
ゴールを目指して出発する、というより、出発してからゴールを目指すけどいつも道が違うからゴールも違っちゃうかもしれないな、という感じ。
ここらへんが古典的な論理演算である検索エンジンとガッツリ違うのですから、そりゃ、”正しい/正しくない、信じる/信じないの地平線”から離れるしかなくなりますね。
2025.11.13
入社したばかりのインターン生と話すと「なんか固いな」と思うことがあります。
それは身体が緊張しているというのではなく、物事を固めて見てるのかなと感じるからです。
ううむ、うまく表現しづらいなと思ったので他力本願、熱力学から用語を拝借してみます。
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系 (自然科学)
https://w.wiki/48gN
熱力学の観点では、系は外界との間で許されるエネルギーの移動の形態から分類される。 熱力学において考察されるエネルギーの移動の形態は、仕事と熱、および物質(質量)の移動に伴うエネルギーの移動である。
略
外界との間で物質の移動を許す系は開放系(開いた系、open system)、物質の移動を許さない系は閉鎖系(閉じた系、closed system)と呼ばれる。閉鎖系のうち物質の移動に加えて熱によるエネルギーの移動も許さない系は断熱系(adiabatic system)と呼ばれる。
さらに断熱系のうち、物質の移動や熱に加えて、仕事によるエネルギーの移動も許さない系、つまり、あらゆるエネルギーの移動を許さない系は孤立系(isolated system)と呼ばれる。 外界とのエネルギーの移動に制限がある系では、その制限に応じた法則が成り立ち、孤立系ではエネルギー保存則、断熱系ではエントロピー増大則、閉鎖系では質量保存則が成り立つ。
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アナロジーで恐縮ですが、固いとはおそらく「閉じてる系で解釈するスタンス」かなと。
すでに与えられた条件、これまで知っている知識を前提にそこから結末を演算する方式。
そこではある程度の法則性が成りたち、再現性という魔術が立ちあらわれる。
そうして、自分がのぞむ未来とは決まったステップを刻めば到達するものだと思えてくる。
しかしながら、社会で生きていくっていうのはなんとも不確実なことばかりです。
途中から新しい要素が加わったり減ったりして前提が安定しない、つまり開いた系。
だから、法則が成り立ちにくく、わかりやすい見通しなんて立てられない。
不意にやってくるノイズに戸惑いながらも、本当は意味があるのかもしれないなと継ぎ足してみて、組み立てみて、眺めてみて、ふうむ、らせん階段をのぼるように再解釈していくんだろうな。
なんてことをぼんやりと考えていたら、来週からまた新しいインターン生が入ってくるのでちょうどいい機会。
さりげなく、ふんわりと聞いてみようと思います。