Mogicはかんがえる

『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられることって、案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』

代表取締役 山根陽一

2021.09.13

どういうゆるさを保つのか

瀬戸内海に面した小さな町から出て数十年がたち、実家に戻るたびに空き家が目立つようになりました。

当然のように大学は県外へ、就職は都会にとなれば人が減っていくのは避けられません。

住んでいた当時からそのことは言われていましたが、未だにその解決策は見えていないようです。

まちおこしの議論になれば、観光となる資源はないか、職を提供できる仕事場はないか、住居を安く提供できないかという話になります。

ここ何十年かで首都圏の人口が増加しつづけ、地方が減り続けているのを見れば、それだけでは十分でないことがわかります。

必ずしも人口が増えることが重要ではないのですが、やはり最後は「人」に尽きるでしょう。

特にモノがあふれ、観光に慣れてしまった人が大勢いる以上、「他で見たことのない、新しいアイデア」への依存度が高まります。

そういった取り組みを表すものの一つに「関係人口」というコンセプトがあります。

突きつめれば、地域外の人を入れたチームで新しい価値を継続的に提供していくことをフレームワーク化したものです。

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関係人口の社会学
http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-729-5.html

「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。

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このスキームに近しいものは、起業やスタートアップ界隈でもよく見られます。

産学協同、オープンイノベーション、インキュベーションオフィスなど。

そういう視点でみれば、意識的に内部と外部の境界でどういうゆるさを保つかというのは、今の大きなテーマなのかもしれません。

2021.09.06

地獄へようこそ

1週間前まで暑くてうだるようだったのに今日には肌寒くなってきて、すぐに気分も変わってくるから不思議です。

夕食にさんまが並び、梨やぶどうを口にすれば、もはや秋でしかありません。

こうなってくると、Mogic恒例の年末までのラストスパートがはじまります。

来年のオリジナルカレンダー作り、年始に向けた年賀アプリの開発、創立記念の仕込みイベントなどもりだくさんです。

社内用語でそのプロセスを「地獄」と呼んでいます。

期限が迫るのに、残り2週間まで企画が決まらなかったり、作り込みが甘かったりしてダメ出しされて、またやりなおしたり。

いつも反省会で聞くのは「次は余裕をもって終えよう」ですが、そうなった試しはありません。

きっと今年も大勢が地獄へトライするのでしょう。

2021.08.30

自分のことは自分が一番分かっていない

カラダに関する統計データに興味があったので、データ量が多そうな免疫や細菌まわりを調べていました。

そうして論文や本を読んでいくと、そもそも腸内の細菌叢は40%、口腔は20%ぐらいしか分かっていないらしく、コンピュータ解析との相性の良さから今後まったく新しい知見が出てくるのだろうなと。

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「腸内細菌」が健康寿命を決める
https://www.shueisha-int.co.jp/publish/%E3%80%8C%E8%85%B8%E5%86%85%E7%B4%B0%E8%8F%8C%E3%80%8D%E3%81%8C%E5%81%A5%E5%BA%B7%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B

こうして20世紀の腸の研究が進んでいくと「腸はセカンドブレイン(第二の脳)だ」ということが言われるようになったのです。

人間の考える力は脳だけにあるのではなく、腸もまた考える力がある重要な臓器だったのです。

中略

そして21世紀になると、腸内細菌の研究に「分子生物学的手法」が応用されるようになりました。

「分子生物学的手法」とは、要するにDNA解析のことです。つまり腸内細菌の遺伝子解析が可能になった。

その結果、ウンチに含まれる腸内細菌の種類を非常に細かく識別できるようになり、腸内最近は少なくとも500種以上、おそらく1000種類あると検討がつけられています。
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自分のことは自分が一番分かっていないとはまさにこのことで、いつか「考え方の変化」もデータを蓄積して解析してみたいところです。

2021.08.23

Outside the box

英語の表現に、Outside the box(想像力を駆使しよう)というものがあります。

ネイティブではないので、正確なニュアンスまではわかりませんが、面白い表現だと思って解釈を広げています。

誰かが「暇だな。おもしろいことないかな」といったとき、すでに箱の中(In the box)にいるのでしょう。

箱の中から周りを見渡すと、上も下も右も左も壁だらけ。

しかもいつも見慣れた壁だから、飽き飽きもしています。

壁の先が見えないのですから、考えが箱の外の世界におよぶことはありません。

しかし、壁より外が見える魔法のメガネがあったとしたらどうでしょうか?

実は海が広がっているとわかるかもしれません。

そうすれば、魔法の釣りざおを作って箱の外へスッと糸をたらすこともできるでしょう。

もし魔法の釣り竿が作れなかったとしても、壁の先に希望を持つことができます。

そういうふうにOutside the boxできれば、「新しい意味」が生まれてきて、生きる活力になります。

ここでいう壁は一つの例えであって、壁自体は「未来」や「自分」、「相手」などに置き換えられます。

日常のあちこちに箱が登場しますから、ちょこちょこ透視できるといいですね。

2021.08.17

お盆休みと、珍しく振り返り

ほとんど過去の出来事を振り返らないのですが、お盆休みということで珍しく会社を設立してからの出来事を見返していました。

12年分ぐらいログがありますから、見るだけで1時間ぐらいかかりました。

読み終えた感想は、予想以上にアクシデント、トラブルやショックなことがたくさんあったんだなあということです。

記録にないものも合わせると相当数にのぼりそうですから、経営って全く何もない時ってないですね。

今日は何もなくても、明日急に何かが問題になったりします。

ただショックなこと以上に楽しいこと、うれしいことが多かったから今日までやってこれたんだとも思いますから、まずは年月をきちんと積み重ねていくことが大事です。

あと不思議なことに、当時ショックな出来事だったけど、今みれば良いことだったと思うことも少なくありません。

もちろん逆もあり、始めた当時は楽しかったのに、途中から苦しくなってやめたこともあります。

だいたい3年ぐらい経たないと総合的な意味合いは分からないようなので、たまの長期休暇に振り返ってみようと思っています。

2021.08.10

5年後、10年後に生まれそうな不便

最近よく事業立ち上げの相談を受けるので、ひさびさにMogicを作った当時を振り返っていました。

起業する環境としては今の方が断然やりやすいだろうなと思います。

その当時はシェアオフィスない、コワーキングスペースない、クラウドソーシングない、クラウドファンディングない、バックオフィスのクラウドツールないという感じでした。

もちろん、今ほど起業に対するブログもコミュニティもありませんでした。

しかし不思議なことに、環境が整った今の方が事業を展開しやすいかと言われればそうでもないのでしょう。

つまるところ「不便や不満足を解消する」ことがビジネスの根幹にあるので、便利な環境はすでに解決されてしまった後ともいえます。

同じ分野を目指す人がいたら、同じようにスピードが上がった状態で競うことになるでしょうし。

もしこの便利になった環境で新事業を立ち上げるとしたらどうするか?

昔と変わらず、便利な環境がゆえに5年後、10年後に生まれそうな不便や不満足を予想するしかない気がしています。

2021.08.02

プロダクトは出す、サービスは育てる

Mogicには、半年に1回ほど若手がちょっとしたプロダクトをリリースするMicroTechというプロジェクトがあります。

ちょうど今は夏休みにぴったりのものを出そうと奮闘しています。その試行錯誤の中でプロダクトとサービスって違うよねという話がでてきました。

あくまでMogicでの定義になりますが、「プロダクト=リリース時から1ヶ月ぐらいがピークになるもの、サービス=リリース時から継続的に成長をつづけていくもの」です。

準備期間や考える時間が全然違ってくるので、はじめからこれはプロダクトとして出す、これはサービスとして作り込むという風に決めています。

プロダクトは、1つのアイデアや技術を起点に作ります。1つの視点で見ればいいので、割と楽に作れます。

サービスの場合は、アイデア/組み合わせる技術/デザインの方向性/市場のタイミング/他社の動き/統計データの分析/サービスのスケーラビリティ試算/人員の採用/チームの育成/財務やキャッシュフロー/マーケティングやブランディングなどすべての視点から妥当性を検討していくので、骨が折れます。

そして、タイミングが合わなければどんなにいいプランでもやがて伸び悩みますからボツにしています。

サービスは一度はじめてしまえば止めることが難しいので、勇気をもって最初に止めざるをえません。

さらに最大の難関は、サービスを育てる人員をどうやって育てていくか、ということです。

もしサービスを作れる人員をパッと外部から採用できれば楽でしょうが、そんなことはありません。

結局、自社でプロダクトをいっぱい作りながら、フィードバックをかけながら、いつかのサービスのために力を蓄えてほしいなと思っています。

2021.07.27

ブランディングとマーケティングの組み合わせ

何気につい口にしてしまうビジネス用語にブランディングとマーケティングがあります。

意外とその定義や用途をうまく説明できないクセモノなんです。

手にとれるものでもなく、目に見えるものでもないので伝わりづらいのですが、Mogicでは以下のように説明しています。

ブランディング:見せたいものを見せ、見せる必要ないものを見せないもの

マーケティング:受け取る人の導線に、さりげなく置いてあるもの

ブランディングのわかりやすい例はテーマパークで、世界観を保つために生活感のあるマンションなどは見えないように設計されています。

マーケティングは、スーパーのレジ横のガムです。レジ待ちで手持ちぶさたになって、そういえば買おうかなと思ってしまうところです。

かといって、二つは相対するものではなく、うまくブレンドされるといいのでしょう。

テーマパークでいえば世界観を作るためにブランディングを使い、グッズコーナーは出入口付近に配置するというマーケティングが必要になります。

そしていずれの用語も現在進行形ingですから、「時間とともに感じ方が変化する」ことをどう捉えるか考える必要があります。

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