少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2019.01.16
Mogicでよく行われる、新しいサービスやイベントなどを考える時にチームで行われるプロセスがCDSF(造語)です。
CDSFという単語が世の中にあるわけではなく、頭文字をとってそう名づけています。
それに対し、一般的に業務をうまくまわしていくために利用されるフレームワークがPDCAです。
P=PLAN、D=DO、C=CHECK、A=ACTION、要は計画を立て、やって、成果を評価して、改善しようということを表しています。
PDCAだとどうしても「計画を最初に立て」「数値計測する」ということに比重が大きくなりがちで、一から今までにないものを作る場合にはうまく機能しないことがあります。
なぜなら、今までやったことのないことにトライしようとするので前例がなく「計画」を立てようがないためです。
もし無理に立てるとすれば、2月1日までに目的をはっきりさせる、2月10日までに手段を見つけておくという計画的な感じになり、2月1日までに目的を作れればOKで中身のクオリティはそこまで議論されなかったりします。
Mogicでよく行われるチームワーク型のプロジェクトの場合、PDCAとは異なり、C=CONCEPT、D=DISCUSSION、S=SYMBOL、F=FEEDBACKという順番になります。
誰か1人が最初にコンセプトを考えて出し、チーム全員であれこれといろんな角度から議論し、情報を膨らませます。
次いで膨らんだ情報を作り手が取捨選択し、シンボリックな小さなものを作り、それに対してチーム全員でおもしろいとか、おもしろくないとか意見をいい、今一度コンセプトを練り直したりします。
つまり、PLANの精度を確認して改善するのではなく、作りたいものの前提条件をテストして、作り変えるというプロセスとなり、似てるようで似てなかったりします。
2018.12.19
あまり区切りのイベントを重視していなかったのですが、数年前からメンバの間で「10周年にはこれをしたい」「10周年っていつからやるんですか」という声があがっていました。
あまりにその声が多かったため、「よし、じゃあ、ドーンとやってみよう」といってみたら、「丸9年目から1年間を通じて10周年の企画を毎月立ち上げていこう!」と壮大なものになりました。
毎年工夫して作っているカレンダーをすべて自作して10周年の第一弾にしようとか、お年賀アプリも気合をいれていこうとか、会社のあちこちで同時進行的に何かが進んでいます。
働くメンバが何やら楽しそうなので、その雰囲気こそ10周年にふさわしいものなんじゃないかなと。
どうやら経営陣へのロングインタビューも出るみたいですので、お楽しみいただけますと何よりです。
2018.11.23
Mogicは石神井公園という土地柄か、のんびりしています。
どうのんびりしてるかといえば、何かをはじめると最初はショボショボのものができて、1年間あれこれいじって、2年も、3年も、4年もと1人前のものにするのに4年以上かけているからです。
だからか、最初から完璧なものを作ろうと気負うことはありません。
気負った方がいいこともありそうですが、メンバがのんびりライフを満喫したい方なのでそれは難しいということもあります。
1人ではじまった会社に徐々に人が増え、ある時から会社全体について議論する経営会議をはじめました。
この会議は、今では200回を超えそうです。
eラーニングシステムLearnOの定例会議はおそらく300回を超えていると思います。
コロッケで地域の人と語り合う夕べの会も5回目、会社の設備を作る木工部も5年目、コーヒー豆を焙煎するのは2年目などなど。
その間、ずっと地道な前進を続けています。
ほんのちょっとの進みでもいいので、前に進むようになっています。
人材採用も、教育も、サービスも、働く環境も、あらゆるものを毎週少しでもいいので、薄く薄く塗り重ねることが本当の競争優位なんじゃないかなと思ったりします。
2018.10.25
IT企業はとかく、会社のあるエリアとのつながりが弱くなるものです。
なぜなら、会社の前を歩いている人に何かを販売する訳でもなく、目に見えるものを取り扱っている訳でもないからです。
ランチにお店にいき、お店で飲み物を買ったりしますが、つながりという意味では本当にあるのかなと。
一方で働いている地域と無理に絡む必要はないんじゃないかという話もありますが、それでもジャンジャンからんだ方がいいと思っています。
やっぱり人なので何気なく歩いていて、同じ地域で働いている人に出会ったら挨拶したいですし、働いているエリアで似た気持ちを持った人と今の雰囲気を分かち合いたいですし、ココらで働く楽しさを自慢しあいたいですし。
会社は営利目的なので、働く人、クライアント、パートナーで完結しがちになります。
でも、ココという場所で活動させてもらっていることも大事にしたい気持ちの一つです。
2018.09.25
広いスペースがあり、豊富に資材があって、組み立てるのはとても楽です。
自然といろいろなことを考えなくていいからです。
しかし、スペースが狭く、資材に限りがある場合に、組み立てるのはいろいろなことを考慮してバランスをとって試行錯誤しなければならないため、難しい作業になります。
どちらがより、新しい価値を生み出せたか、今までにない知見を生産できたかでいうと、後者かなと思っています。
これは一つの抽象的な例で、アポロ宇宙計画を事例として当てはめますと、広いスペースがあったか、時間的に余裕があったか、豊富に資材があったかでいうとそうではなかったと思います。
だからこそ、様々な工夫をコンパクトなスペースで実現する必要があり、それが限界に挑む人の素晴らしさなのかとも感じます。
会社とは何か?会社で仕事をするとは何か?
狭いスペースにしておくからこそ、よりクリエイティブになれることが多いと思い、コンパクトに畳んでおくことを大切にしています。
2018.08.17
最近、ミヒャエル・エンデの「モモ」に関する話によく出くわします。
時間どろぼうというタイトルからすでにピンと来られた方も多いと思います。
モモをネタバレしない範囲でwikipediaより引用しますと
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モモ
https://ja.wikipedia.org/?curid=5266
イタリア・ローマを思わせるとある街に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たちによって人々から時間が盗まれてしまい、皆の心から余裕が消えてしまう。
しかし貧しくとも友人の話に耳を傾け、その人に自信をとりもどさせてくれる不思議な力を持つ少女モモが、冒険していくストーリー
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そんな中で、モモにもふれた興味深い本に出くわしたのでこちらも一部引用します。
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ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」
http://mainichibooks.com/books/science/post-562.html
時間はコストであり、金に換算できるという考え方である。
しかし、物資の流通や情報技術の高度化を通じて時間を節約した結果、せっかく得た自分だけの時間をも同じように効率化の対象化にしてしまった。
自分の欲求を最大限満たすために、効率的な過ごし方を考える。
映画を見て、スポーツを観戦し、ショッピングを楽しんで、ぜいたくな食事をする。自分で稼いだ金で、どれだけ自分がやりたいことが可能かを考える。
でも、それは自分が節約した時間と同じ考え方なので、いつまでたっても満たされることがない。
そればかりか、自分の時間が増えれば増えるほど、孤独になって時間を持て余すようになる。
それは、そもそも人間がひとりで時間を使うようにできていないからである。
中略
仲間に自分の時間をさしだし、仲間からも時間をもらいながら、互酬性にもとづいた暮らしを営んできたのだ。
幸福は仲間とともに感じるもので、信頼は金や言葉ではなく、ともに生きた時間によって強められるものだからである。
世界は今、多くの敵意に満ちており、孤独な人間が増えている。
それは経済的な時間概念によってつくりだされたものだ。
それを社会的な時間に変えて、いのちをつなぐ時間をとりもどすことが必要ではないだろうか。
ゴリラと同じように、敵意はともにいる時間によって解消できると思うからである。
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Mogicを運営していく中で、最も重要な課題だと捉えているのが「人が感じる、今日の充実感」です。
時間を忘れるほどの何かが今日会社にあれば、それで合格だと思っています。
2018.07.20
会社がある程度年数を経過し、組織化が進んでくると実施されるものに、朝礼、決起集会、合宿、クレドやミッションづくり、多面的フィードバック、表彰式などがあります。
さらに、組織/個人ごとに3ヶ月、6ヶ月のコミットメントと評価など組織の健全性を図るモノサシが導入されることがあります。
Mogicは設立されて10年弱になり、組織化され、人数も増えてきましたが、一度もそれらをやったことがありません。
おそらく将来もないと思います。
それをしなくとも、残業せず、新しいことを学びつづけ、休みたいときに休み、休んだ人のために自動的に周りでフォローアップし、サービスをブラッシュアップし、コストを抑え、価値を作ることに集中できていると感じています。
組織化のもたらすものは何か?
管理する側からみれば、人が増えた分だけパワーはでるが、バラけやすいのでコントローラブルにしたいという欲求でしょうし、働く側からみれば、安心感は出てくるものの、自分らしくやってる感は薄れるということだと考えています。
Mogicとしては、組織化しながらも、コントローラブルな部分を減らし、個々が自律的に考えてチームとして連携して動ければなあと思っています。
2018.06.28
とてもありがたいことに、Mogicには年間150人以上の学生がインターンの面接にやってきます。
しかもそのインターンの募集条件がサマーインターンのように短期ではなく、長くじっくりしたもので、現在在籍している学生の最長は丸4年です。
たまにそれってインターンなんですか?とも言われます。
インターン生を受け入れる理由はいくつかあり、不謹慎かもしれませんが、僕らが持っている知恵をシェアしたり、それについて議論したりすることがやっぱり楽しいということです。
教える楽しさ、教わる楽しさ、お互いの知らない情報を持ち寄る楽しさ、少しずつ成長していく楽しさ。
仕事って、大変なことを我慢してきっちりやるという、暗黙のイメージがあったりします。
それがどうにもイヤなので、そうでない雰囲気でも仕事ができることを分かち合いたいのかなと。