少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2022.05.02
感覚的な話なのですが、大きく時代の断層が見えている気がします。
数学のABC予想問題における意見の相違と、物理学のAdS/CFT対応からの議論の発展は生身のヒトとして理解しづらいものがあります。
ありえないものを同時に重ね合わせるということが大事なテーマになってきて、僕らはどうすべきかと議論しています。
2022.04.25
ゴールデンウィーク前の朝は大いそがし。
残念ながら枯れてしまった植物の土を黒いビニールにいれて屋上で消毒しつつ、夏に展開する移動式コーヒースタンドの木材をマホガニー色のワックスで塗装しながら、梅雨ごろにみんなを驚かせるための電動人形の型紙を制作したりと、下準備に余念がありません。
昨年まではみんなが出社する1時間ほど前に希望者と一緒に作業していたのですが、先週からフレックス制が導入されてどうにもやりにくくなりました。
ワアワアガサゴソしてる人たちに、カタカタカツーンとキーボードをたたく人たち。もちろんどちらも会社の役に立つことなのですが、あまりに毛色が違います。
とはいっても気にする人はいなかったんだと思い直して、好きなだけ作業を進めていきます。
2022.04.18
一からITシステムを作ると聞けば、難しく感じてしまいます。
CSSにHTML、プログラムにサーバと専門用語がたくさん出てきます。
本屋で立ち読みしても、ウェブで検索しても分からないことだらけ。
せっかくあれやりたい!と思っても、実現するまでに障害が多すぎて挫折しかねないのが実情です。
本来は、オープンソースで自由になんでも作れるのがウリなのに。
そんな雰囲気は良くないなと思って、インターン生を含めた若手のチームに1日とか1週間、1ヶ月でアプリを作ってもらっています。
ぬいぐるみを作りたいと思って、布を切り、ミシンをかけて、ボタンをつけるぐらいの感覚が理想です。
あの子が寝る前に1日の出来事を話す存在になるといいなとか、「届けたい気持ち」がきちんと乗っていれば、不格好でも荒削りでもおかまいなし。
技術をマスターするばかりで気持ちがどこかにいってしまっては楽しくなくなります。
そうして作られたアプリは、MicroTechとしてサイトに掲載されています。
見え隠れする彼らの苦闘を時間のある時にご覧ください。
MicroTechサイト:http://microtech.mogic.jp/
2022.04.11
プロジェクトをキックオフして、メンバが盛り上がってないなあ、エンジンがかかってないんだよなと思うとき、目の前にスイーツの取り寄せをぶらさげます。
「予定通り、この日にリリースできたら極上のいちご大福が届いちゃったりするんだろうなあ」と。
仕事ですし、コンディションは自分でなんとかすべきという意見もありますが、こっちの方がプロジェクトの展開がドラマチックになって面白そうというのが本当の理由だったりします。
食欲に素直な人ばかりなので、目をキラキラさせて食いついてきます。
そうこうしてプロジェクトが進み、中盤にさしかかると一つ、二つとヤマがやってきます。
進行が遅れていたり、仕様に迷ったり、連携がうまくいってなかったり。
「ああ、まずい。もういちごの姿が霞んできた気がする。この遅れは取り戻せないんじゃないかな」
というと
「そんなことはありません! やれないことはないんです」
と強情につっぱねて、チームで話し合いをはじめます。
こちらから「がんばろうよ。あきらめずにさ」といわずとも。
もはや自分の食欲のためなのか、チームのみんなのためなのかは定かではありません。
はじまりは不真面目な欲ですが、気がついたら起承転結のドラマみたく、自分たちだけで乗り越えていきますから不思議なものです。
2022.04.04
年に1回は、石神井の店舗や事業所にグッズを配りにいきます。
知り合いのところばかりでは面白くありませんから、今まで接したこともない所に入って話しかけます。
「すみませーん、石神井でIT企業やってまして同じ地元ということでオリジナルグッズを配ってるんですが、いかがでしょうかー」
もちろんお店にいらっしゃる方の邪魔にならないように。
その様子をみて若手はちょっと引きぎみになります。
「本当に話しかけるんですね・・・・・・」といってくるので
「だって、話しかけるのはタダじゃん」と返します。
「あと自分から用もないのに話かける人っていないから敢えてやってるところもあって、実際ビジネスの立ち上げも似たようなもんなんだよ」と付け加えます。
誰かにやれといわれなくとも、自分が起点になってスタートさせて巻き込んで楽しんでいく。
余計にはみ出した一歩がなんともいえない気持ちにさせるなら、それはやってみる価値があります。
2022.03.28
ちょうど今日は10年前に自分たちのサービス「LearnO(ラーノ)」をリリースした日でした。
まだオフィスは8人座るのがやっとの広さながら、すでに琉球大学の附属施設に導入が決まり、華々しくスタートできたと感じていました。
まさにスマートフォンやタブレットが広がりはじめたばかりで、チャンスは至るところにあったからです。
まさか本格的に売れ始めるまでにあれほどの紆余曲折、試行錯誤、艱難辛苦が押し寄せてくるとは思わずに。
馴染みのないBtoBビジネス、知らない教育IT業界、足りない営業力、分からないクライアント事情、整っていないマーケティング手法、そして先の見えない契約までの道のり。
月に1件の問い合わせすら、ありませんでした。
電車のつり革をにぎりしめながら、違うサービスをやるべきか、誰かにシステムを譲るべきかと議論したことを思い出します。
それでも続けられたのは自分たちが作ったものを誇りに思っていて、打開しようとするアイデアと気概が尽きなかったからでしょう。
絶えず誰もやっていない方法を見つけようと頭をひねり、朝に思いついて夕方にプレスリリースを出したことも数知れず。
今でもまだやりたいことは多いのですが、それでも10年目として一区切りつけることができました。
あらゆるタイミングに多くの人の支えがあって、ここまでやってくることができました。
少しでも恩返しできるよう、これからも変わらず精進して良いサービスを目指していきたいと思っています。
LearnO 10周年記念ページは以下のURLより https://learno.jp/learno10th/
2022.03.22
不謹慎な話で20代半ばにはじめて部下ができて思ったのは、なんと面倒なことかということでした。
経験を積んだら、不慣れな人のできてないところばかり目につきます。
あれに気配りがない、これは正確さにかける、それが本質ではないと。
逐一口に出して指摘してみたものの、ほとんどうまく伝わりませんでした。
今では理解していますが、本人の中でまだ言葉を受け止める土台がなくて消化しきれないのです。
そんなことがあり、次第に「本人が気づきを得やすいように仕事を切り出して、後は好きにやってもらう、つまづいたらコメントする」方式に変えていきました。
つまるところ、教える側も学ぶ側もその方が楽だったからです。
この合理的な判断が結果として自発性につながるらしく、以下を引用します。
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〈叱る依存〉がとまらない
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011884
「できる」ためのサポートをしようとすると、どうしても「ああしなさい」「これはだめ」「このやり方にしなさい」などと、やるべきことややり方を決めてしまいがちです。
それでもある程度までは、知識や技能を身につけることは可能でしょう。
ですがそれでたどり着けるところには大きな限界があります。
一番の問題は「自分で学ぶ」ことができなくなってしまうことです。
中略
すでにご説明したように、人が最も多く学べるのはその人が「冒険モード」の時です。
そして冒険モードでの学びの本質は「やりたい」「欲しい」という欲求をベースとした主体的な学び方にあります。
学ぶということを考える時に、「冒険モード」を守る、邪魔しないという発想がとても重要なのです。
冒険モードになるための鍵は、「自己決定」にあります。
つまり「自分で決めた」「自分がしている」という感覚です。
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自発性は、時にそれぞれのエゴと結びついてチームの方向性をばらけさせてしまうこともあるでしょう。
ですが、長い人生でそれも一つの学びということでいいんじゃないかと。
2022.03.14
ITで最もよく使われる用語に「アップデート」があります。
不具合をなおして新機能を追加したら、プログラムをアップデートします。
文章に手をいれて映像を加工したら、コンテンツを更新します。
今では当たり前になったアップデートですが、CDやDVDが主流だった時代にはパッケージという考え方しかありませんでした。
できあがった作品はパッケージとして固定化され、使う人のもとに届いても変化しません。
パッケージは工場から出荷されると変更がきかないため、作品にどこまでも完璧さや正確さが求められていたように思います。
その頃の学校教育も同じで答えに正確さが求められ、問題そのものも安定して変化することはありませんでした。
パッケージからアップデートへと軸足が移った今、自らへの教育も更新されているだろうかと考えます。
学生の頃に覚えたままの知識、過去にうまくいったやり方、なんとなく予想できた生き方、ありそうな21世紀の社会像。
もし想像と違うことが多いなら、自らをアップデートするタイミングがきているはずです。