『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられること、それって案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』
2021.03.08
今ではもう「代表」と呼ばれるばかりで、インターン生や新卒社員に直接教える機会はほとんどなくなりました。
入社して1ヶ月後に1回あるかないかです。
執行役員やチーフたちがしっかりフォローアップしてるので出る幕がありません。
それはそれでいいことなのですが、少しのさびしさもあり、Mogicで働く人だけが読めるコラムサイトを作るようになりました。
社会人としての基礎知識から、就活の悩み、20代で考えること、人生の3大費用のこと、Mogicができるまでの話、社員に求めるスタンスなど雑多にたくさんあります。全部あわせると200本ぐらいでしょう。
Mogicの雰囲気はちょっと変わっているので、「なぜこんなにイベントや教育があるんだろう?」と疑問が湧いた時に見てくれることを願っています。
未来にやってくるだろうメンバーに向けてコラムを書くこと自体、何とも不思議な気分になります。
ですが、昔の人が小瓶に手紙をいれて海に流したボトルメールのように、今日のちょっとした高揚感も一緒に届けばいいかなと思っています。
2021.02.22
パソコンの中心にはCPUという集積回路があり、そこでいろいろな計算をします。
それ以外に一時的に記憶を保存するメモリ、長期的に大量のデータを保管するハードディスク、外部接続端子があり、複雑に連携しています。
連携には秘密があり、それがリズムです。
電気信号を利用して大量の処理を同時に行いますから、それぞれのパートがズレてしまうとまったく意味をなしません。
電子回路には「振動子」というリズムメーカーがあり、正確で高速なリズムを刻みます。
クオーツという単語を聞いた人は多いと思いますが、クオーツは日本語にするとそのまま石英(水晶)で薄くカットして電圧をかけると振動します。
それを応用して作ったリズムを使っていたりします。
リズムは人間の動作にも大きく関わっていて、先日読んだ論文には脳の海馬という記憶に関する部分は4〜8Hzのリズムを刻んでいるとありました。
脳も視覚や聴覚など機能ごとに分かれたパートを連動させるのにリズムが重要のようです。
ただし、パソコンのように集中的に管理しているのか、機能局在を活かして分散的に合わせているかは議論が分かれている模様。
そんなリズムのことを思いながら、会社を機能させるリズムはどうあるべきなんだろうと考えています。
Mogicはこれまで数値目標やロードマップを掲げたことがなく、各自やチームがそれぞれのタイミングでアイデアを持ちかけて、フィードバックをもらって、パッと集まって、サッといなくなりますから、離散的なリズムといえるでしょうか
2021.02.04
Mogicのオフィスにはちょっと広めの屋上があって、たまにひなたぼっこしたり、昼寝したり、コーヒーを焙煎したり、木材の加工をしたりしていますが、一番おすすめなのが夕暮れどきです。
日が沈むとうっすら富士山が浮かびあがり、背後ではスカイツリーやビルの光が映えてきます。
もう少し暗くなってくるとギリギリ一等星が見えてきて、今だと牡牛座のアルデバラン、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、あとは火星や土星がゆらゆらと輝いています。
立春を過ぎて暖かくなってくると、杉の花粉がやってきますから、そろそろ屋上は休業になりそうです。
次は階段に小さな本棚を作って、セレクトブックコーナーが始まるでしょう。
1年を通じて、オフィスのあらゆる場所で小さな楽しみを見つけて、みんなと共有する。そんなMogicらしさが今日もはじまります。
2021.01.25
その昔にニューヨークでバリバリ活躍されている弁護士さんと話したことがあります。
数十億、数百億円の契約をどんどんまとめているような人で、颯爽としていかにもスマートな感じでした。
いろいろ話している中で、不意にシンプルな質問をしてみました。
Q:どうしたらあなたのようにビッグなディール(取引)をうまく決められるようになりますか?
いま思い出すとあまりに素朴すぎますが、彼はちょっと考えてから答えてくれました。
A:メジャーでホームラン打つ人、華々しいですよね。
彼がそこでホームランを打つためには、メジャーの試合にたくさん出ることが必要で、その前にマイナーでホームラン打ったりしないとダメですね。
さらにマイナーで試合に出るために、練習中にもホームランを打っていて、自宅でも素振りしてます。
何十万回と素振りをして、考えて、小さな結果を出して積み重ねて、いつか運がよければメジャーの試合で3割以下の確率で打てるんです。
あなたは取引の素振りをしていますか?
私は、りんごを買う時、駐車場を契約する時、すべてのタイミングで取引をトライしています。
日常生活で小さな素振りをしてます。
小さな素振りですから、結果を気にしなくてどんどんやっていきます。
そうして小さなコツをつかんで、少しずつ大きな契約をしていくんです。
つまり、ビッグなディールは小さな取引の膨大な積み重ねですから、毎日小さな駆け引きでトレーニングしてみてください。
これを聞いて、さすがだなあと思いました。
曖昧な質問に対して、要点をしぼりこみ、例をだして分かりやすく説明できること。
これも取引の中で培われた技術なんでしょう。
それ以降、何か身につけたいことがあると素振りをしてきました。
1日のうち、小さくても何度もトライできれば、忘れたころにうまくなってたりしますから。
2021.01.07
Mogicは、さまざまな教育理論から少しばかり知恵を拝借して社内トレーニングを展開してきました。
最もよく使われるものがプロジェクト学習で、大きなものから小さなものまで同時にたくさん稼働しています。
プロジェクト学習とは、複数人が集まって、テーマからゴールを決めて、期間内にいろいろやりくりして成果を出し、あちこちからフィードバックを受けるというものです。
これを一度でもやると、仕事が自分のモノになるようでチームワークが自然とできてきます。
ただしプロジェクトのメンバー以外のサポート役は、かなりの技術が必要で「メンバーに必ず成果を出しきらせる」ために、観察力やアドバイス力、先読み力、忍耐力が求められます。
プロジェクトが途中まで進んでメンバーの心が折れていないか、意義を見失っていないか、やりきれない気持ちになっていないか。
そして、サポート役が手を出してはメンバーにとって意味がないので、的確なタイミングで最適なアドバイスをしなければなりません。
意外にもサポート役のマネジメント感がすごく伸びたりします。
本当にたくさんのプロジェクトを動かしてきましたが、今まで一度も頓挫しなかったのが自分たちの誇りでもあります。
最後にジョン・デューイ著書の訳者(市村尚久)あとがきより
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経験と教育
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000151271
教師が教科の指導に当たって、すでに基礎づけられた知識や方法に従うやり方より、生徒の経験のなかに教材を発見することのほうが、どんなにか困難な問題であるか、デューイは繰り返し指摘している。
同時に、その「困難な問題」を解決する実行可能な方途が示唆されているが、その論理を辿り理解することに知的努力が求められることも示唆されている。
そのような知的努力もまた、われわれ教育現場の教師に求められているのである。
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2020.12.21
どうやら人間の目には難しい構造があるようで、盲点があります。
いつも絶えず二つの目で補完し、脳で画像処理しているため、それ自身を意識することはありません。
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人体なんでそうなった?
https://www.kagakudojin.co.jp/book/b457283.html
いびつな自然のデザインとしてもっとも有名な例は、魚類から哺乳類まで全脊椎動物が持っている網膜だ。
脊椎動物の網膜の光受容細胞は後ろ向きになっている。
つまり、ワイヤ部分が光のほうに向いていて、集光器たる光受容器は光に背を向け、内側に向いているのだ。
中略
面白いことにタコやイカなどの頭足類の網膜は反転していない。
中略
ヒトの目には、語るに値するいびつなデザインがもう一つある。
網膜のちょうど真ん中にある視神経乳頭という構造だ。
視神経乳頭は、網膜の表面に位置し、光受容細胞がない小さな円を作っている。
これによって、目にはそれぞれ「盲点」ができる。ふだんは誰もこの盲点に気がつかない。
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盲点はあるのに、ないように感じている。
このメッセージはチームワークや新規事業でとても大事なチェックポイントになります。
人間は完璧ではありませんし、どんなに優れた人でも穴があります。
ただ、どうしてもプロジェクトを進めるとなるとメンバーが固定されて、誰かの意見が強くなり、あたかも常に正解のように感じられることがあります。
周囲が違和感を感じたら、ちょっとでもいいので光を当ててみることにしてはどうかなと。
2020.12.14
ちょうど昨年の今ごろ、研修がてらパリを歩いている時にやけに日本文化の情報に触れるなあと感じていました。
ホテルからモンマルトルの丘へ歩いていくと初音ミク ヨーロッパバージョンのポスターがあちこち貼ってあったり、戻って朝食に抹茶らしきドリンクが出てきたり。
ホテルのフロントの人とよもやま話をしていたら「チケット高いけど、いつか日本にいってみたいのよねえ。知り合いもいるし」というリップサービスも。
そこで現地に住んでいる日本人のブログを読んでみると日本文化、特に数年前からはお弁当OBENTOがすごく人気だということが分かりました。
自分の子どものお弁当を他の子が食べちゃったということもあるようです。
確かに海外だと、りんごとパンとチーズを袋にいれて以上、といったことが多いですね。
お弁当がウケる背景はいろいろあるみたいですが、個人的に一番気にしたいのはお弁当OBENTOがいかにも日本的な発想なんだろうという点でした。
この場合の日本的というのは、「狭いスペースにこれでもかと様々な意味を押し込むことができる力」と同義です。
茶室でも庭園でも、モノは少ないのにやけに意味が多く重なっている。
それを読み解いていく面白さがある。
そういうものはなかなか世界にないようで、日本人の感性として染み込んでいる気がします。
大きくて派手なものもいいと思います。
小さくて美しいものもいいと思います。
他の経営者から、巨大企業への憧れを聞くことがあります。
しかし世界で少子高齢化が進み、資源が問題になる未来に、日本的な競争優位で目指すものはそこにあるのかなあと議論したりします。
議論だけじゃなく、証明が必要ですね。
2020.12.07
たまに学生のつもりで、知りたいものを調べるようにしています。
最近は便利なもので本だけでなく、ネットで多少間違っていても大雑把なものを知ることができます。
本や雑誌と違って、情報の粒度に手加減がないのもいいところです。
少し前にたまたま「動物の種類」を調べていました。wikiによれば
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20世紀末の分子遺伝学の知見を踏まえると、生物は真正細菌、古細菌、真核生物の3つに分かれるが(3ドメイン説)、動物はそのうちの真核生物に属し、他に真核生物に属するものとしては植物、菌類(キノコやカビ)、原生生物が挙げられる。
なお、原生生物の一部である原生動物(ゾウリムシ、ミドリムシ、アメーバなど)は本稿で言う動物(後生動物)とは別系統であり、しかも多系統である事が判明している。
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なるほど、次は「真正細菌」について情報を見ます。同じく
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sn-グリセロール3-リン酸の脂肪酸エステルより構成される細胞膜を持つ原核生物と定義される。
古細菌ドメイン、真核生物ドメインとともに、全生物界を三分する。
真核生物と比較した場合、構造は非常に単純である。
しかしながら、はるかに多様な代謝系や栄養要求性を示し、生息環境も生物圏と考えられる全ての環境に広がっている。
その生物量は膨大である。
腸内細菌や発酵細菌、あるいは病原細菌として人との関わりも深い。
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そうか、じゃあ動物だけじゃなく、動物以外の「ウイルス」はと
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他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。
生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないこと、小器官がないこと、自己増殖することがないことから、生物かどうかについて議論がある。
2本鎖DNAウイルス (dsDNA)
1本鎖DNAウイルス (ssDNA)
2本鎖RNAウイルス (dsRNA)
1本鎖+鎖RNAウイルス ((+)ssRNA)
1本鎖-鎖RNAウイルス ((−)ssRNA)
1本鎖RNA逆転写ウイルス (ssRNA-RT)
2本鎖DNA逆転写ウイルス (dsDNA-RT)
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続けていくとキリがないのですが、キリがないのがまた良いものです。
日頃、自分のやっていることがほんの少しのことだと感じられます。
逆の見方をすれば、ほんの少しということは大変貴重なものでもあるので、どうやっても楽しむしかないなと思う、今日このごろです。