Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2022.11.28

きたかぜ、このはをはらう

びゅうと吹く風が楓の葉を散らすと、ぐっと寒くなってきました。

1ヶ月後の今日はクリスマスを越えて正月間近ですから、正直マジかという気持ちです。

せっせとツリーを飾りつけている隣で年始のお飾りを作っていて、なんともせわしい年末モードに入りました。

今年の初めに立てた抱負を見返せば、雲間にうかぶ月のように、見えてること半分、見えてないこと半分。

本当は間に合わないとわかっているのに、慌ててやろうとして、しわ寄せ師走で全力ダッシュしています。

2022.11.21

成長を信じられるもの

「成長を信じられるものにお金や時間を使う」

というのは分かりやすい表現で、投資する判断基準になります。

会社でいえば、おしゃれな内装工事は成長につながるのか、新サービスを立ち上げれば成長につながるのか、働く人が増えれば成長につながるのか、目立つ広告を出せば成長につながるのか、カスタマーサポートを手厚くすれば成長につながるのか、たっぷり教育するのが成長につながるのか、という問いに答えやすくなります。

個人でも同じで、おしゃれをすれば成長できるか、新しいことをはじめたら成長できるか、働く時間を増やせば成長できるか、ソーシャルでアピール上手になったら成長できるか、健康や人間関係に気を配れば成長できるか、毎日勉強すれば成長できるか、というものです。

そうやって判断を重ねてくると、「自分にとって信じられる成長とは何か」「その成長は本当は誰のためなのか」という一つ上のレイヤーの話になってきます。

それは自分たちしか分からないのですから、問いに答えながら信じられる煌(きら)めきを彫琢するしかないのです。

2022.11.14

議論する文化、そのはじまり

Mogicはもともと社内でテーマを深く掘っていく文化があり、その源流は役員2人の会話にあります。

10数年前から週に3回、合計3時間以上は話していて、いつも会社やビジネスからほど遠いネタではじまります。

最近では

「若い頃に格闘家アンディ・フグのキックを受けたことがあって」
「メジャーでは、最近iPitchというマシンで投手のボールを再現していて」
「うちの子がスマホをやってると、犬の世話をしなくなる現象があり」
「ローマ軍、重装騎兵の装備が結構すごくて」とか

まったく関係ない話なんですが、気がつくとビジネスや経営に通じる知見へとつながっています。

よくよく考えれば、いろいろと異なる事象から本質を抜き出すのが経営なので、そのトレーニングになっているのかもしれません。

2022.11.07

躊躇うことはありません

コロナ禍ですっかりなくなっていた結婚式にひさびさ出席しました。

働くメンバのご親族と話をしていると

「会社として、一見ムダに思えることをそうじゃなく成立させているのがすごいと思う。働くのが楽しそうだもの」

と、ありがたい言葉をいただきました。

周囲からそう見られていることがなによりうれしいものです。


人生の長さを80年として、20%相当の16年分が楽しくて80%の64年分を我慢しているより、64年楽しくて16年我慢してる方がいい気がします。

もう少し期間を短くして、1年のうち292日を我慢してるより、292日楽しい方がいいと思っています。

さらに短くして、1日に働く7時間でも考えは同じです。

極端な仮説として、人生の楽しい時間の総和は1日の楽しい時間の総和の延長にあると考えれば、1日単位でも働く意義をおろそかにはできません。

そうなってくると、働く=依頼された仕事をきちんとこなすということと、個人が感じる楽しさを重ね合わせて同時に成立させるという命題が生まれてきます。

一番いいのは同じ仕事内容にも関わらず、本人が我慢ではなく楽しいぞ!と思えることでしょう。

そのためには長い時間をかけて、いろいろな機会で、いろいろな人の、いろいろなものの見方を学んでいくほかないと思っています。

その結果、普通は会社がやらないイベントの展開やサービスづくりになろうとも躊躇(ためら)うことはありません。

2022.10.31

さようなら、クッキング部

コロナ禍以前にクッキング部という活動があり、仕事中にしょっちゅうお菓子を作っていました。

だいたいインターン生が巻き込まれて、屋上でぎんなんを焼かされたり、コーヒーの生豆を焙煎したり、小麦粉をこねてクッキーを作ったりと、今ではいい思い出です。

が、時代は過ぎて情勢が変わったということでクッキング用品をバッサリと捨てました。

鉄のフライパン、木製の小皿、陶器の大皿、スプーン、箸、茶碗、マグカップ、ガラスの装飾皿、トルティーヤマシン。

これで厚岸直送の牡蠣をもらった時にパーティしたな、わざわざトウモロコシの粉を取り寄せてあれでタコス作ったなとか、それにコロッケを山盛りに積み上げてたなとか、懐かしいことばかり。

大量のクッキング用品がなくなったついでに、ディスプレイしていたDIY棚も解体。

さみしさ半分ですが、すっきりも半分ということで新しい企画が走りはじめています。

2022.10.24

パッと輝く瞬間を追い求める

新しい期がはじまる頃、ちょうど1年前に考えた予想がどのレベルの精度だったかを調査しはじめます。

あちこちで話したり、書きちらしているのでそれを一つずつ丁寧に集めて、何がズレたかをみるのですが、不思議なことに年を経るごとに予想と現実の差が少なくなってきました。

もちろん、差を生んだズレの要因を見つけて対処してきたからですが、一番大きいのは予想のグラデーションがついてきたからだと思っています。

自分たちがコントロールできるものは予測度90%で見積もりますし、近しい外部の人と組むものは予測度60%の粒度にし、まったく新しい事業プランなら予測度15%といった感じです。

この予測度は漠然としたものではなく、要素をどのぐらい網羅的に洗い出せているか、その要素ごとの変動幅はどのぐらいか、要素間の相互作用はどのぐらいで、どの順番で影響するのか、要素自体の強度は増減するかを総合して決めます。

予測度が決まったら、あとはそれを表現する算式を作ってコンピュータにシミュレーションをまかせたり、図形記号を使ってフローを読み解きます。

新しいサービスを出すプロジェクトを例にとりますと

プロジェクトマネージャ1名、デザイナー1名、エンジニア1名の合計3名。うちデザイナーは経験が浅く、新しいサービスは未知の技術を使いたい、およそ4ヶ月で作りたいとして予測度は80%です。

予測できない20%は、主にメンバの成長度合い、未知の技術の利用可能性と代替の選択肢、コンセプトのまとめ方、他の仕事との兼ね合いですから、そこの変動性を適切な幅におさえるようにプロジェクトを要所ごとに締めていけば、おそらくできるでしょう。

だからといって、予測度を高くするばかりでは芸がありませんから、いつも予測度が低いものを織りまぜてパッと輝く瞬間を追いかけています。

2022.10.11

普通にほどけない結び目

自分一人ならまだしもチームで問題が起きたら、原因の特定は難しいものです。

感情的には「あいつが悪い」といえば済みそうですし、道徳的には「ワンフォーオール。みんなのせいだよ」となぐさめるでしょうし、データ的には「業務フローにボトルネックがあるね」と意見することができます。

それぞれに呼応するように「誰かがごめんなさいといって、お互いもっと信頼しようと話し合って、数字でチェックしようと工夫します」が、それでもうまくいかない場合はどうすればいいのでしょうか?

因果関係の本に、端的な表現があったので引用します。

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因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915968

こうした問題に対しては、数値を有限の、しかも扱いやすい数のカテゴリーに分けるという解決策をすぐさま思いつく。

この解決策は原理的に何の問題もないが、カテゴリーの設定がやや恣意的になるだろう。

また、調整する変数が一定より多くなると、カテゴリーの数が指数関数的に増える恐れがある。

そうなると、この手法は現実的に適用不能になってしまう。

しかも、この場合、カテゴリーの多くに要素が一つも存在しないこともあり得る。

その場合には、確率の推定はまったくできなくなるだろう。

この問題は「次元の呪い」と呼ばれているが、統計学者は、それに対処するための優れた方法をいくつか考え出している。

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これまでの経験や感覚、慣習では思いつかない要因が、密かに横たわり悪さをしているということで、もちろん複数が連鎖していることがほとんどでしょう。

と考えて、じゃあ、どう解決するんだ?となれば、残念ながらしっかり時間をとって丹念に我慢強く考察するしかなさそうです。

そのあり様をもう一つ引用より

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「実に簡単なことだよ、ワトソン君」

シャーロックホームズはこう言ってから、皆が知っているとおり、とても簡単とは言えない推理を披露して、信頼のおける助手、ワトソンを驚かせるのが常だ。

ホームズには他にも有名なセリフがある。

それからも彼がどのような思考をしているかは窺い知れる。

こんなセリフだ。

「あり得ないものを一つずつ排除していったとき、最後に残ったものは、たとえどれほどあり得ないと思えても真実だ」。

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コロナ禍、円安、インフレ、普通にほどけない結び目が増える世の中です。

2022.10.03

新年カレンダーあやうし

毎年10月に入ると、年末の仕込みに向けて一斉スタート。

特に年賀状がわりにつくる年賀アプリプロジェクトと、新年のカレンダープロジェクトが競うようにデッドヒートをくりひろげますが、今年はやや雰囲気が違います。

新しいインターン勢が顔合わせしてスムーズにはじまった年賀アプリに比べ、カレンダープロジェクトはシーンとしてまったく動けない様子。

それもそのはず、LearnOの10周年プロジェクトなどなどが佳境にさしかかり、すべてがぎっしりと10月、11月に詰まっているのです。

無理にやってもいいものはできないので

「新年カレンダー、あきらめてもいいんじゃないかなあ」

と助け舟を出すと

「母が楽しみにつかっています」
「来年はスタンドの木を工夫してほしい」
「毎月1ページじゃなくてもいいので、出したいですよね」

とあちこちから、カレンダーを作る前提の話ばかり戻ってきます。

一から作るカレンダーは本当に大変なはずなのに、Mogicのカレンダー愛は尋常ではありません。

さて、できるのかどうか、運がめぐってくるかどうか。

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