Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2023.01.30

脆さを織り込んでさ

脆(もろ)いところがあると聞けば、悪いように思えます。

手すりの端っこが錆びて脆くなってる、気分の上がり下がりが多く涙脆くなっている、試合前に意見が対立しチームワークが脆くなっている、誰かのコメントにメンタル脆くなってる、とか。

脆くなってるなら、強くしなきゃ、補強しなきゃ、回復しなきゃといったベクトルが自然と働きます。

ですが、脆いが故の利点があることを忘れてはなりません。

昔読んだ社会的ネットワーク論には、人間関係のつながりに強いものと弱いものそれぞれに役割があると書かれていました。

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社会的ネットワーク
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF

例えば「緊密型ネットワーク」は、ネットワーク上に多くの空白を含むもの(structural holes - 構造的空隙)や、主たるネットワークの外側で他の主体者と緩やかにつながっているもの(weak ties - 弱いつながり)に比べ、メンバーにとって実際にはあまり有益ではない。

より開かれたネットワークには、社会的空隙や弱いつながりが多く含まれており、冗長なつながりに満ちた閉鎖的なネットワークよりも、より多くの新しいアイデアや機会に恵まれる可能性があるのだ。

言い換えればこうなる。

ただ一緒に何かをするだけの友人集団というのは、同じ知識や機会を既に共有してしまっている。

一方、他の社会的世界へ関わりを持つ個人の集団というのは、より広い範囲の情報へとアクセスすることが出来る。
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強固で盤石であるということは、固定的でマンネリ化しているとも言い換えることができ、脆く壊れやすいということは、流動的で変化しやすいとも言えます。

ですから、会社を運営するでも、生きていくでも、目をそむけがちな脆さをうまく織り込めばいいのだと思っています。

2023.01.23

カレンダーコミュニケーション

今年もMogicのオリジナルカレンダーをオフィス前でお配りしています。

アンケートに答えると無料でもらえるとあって、すでに30通以上のご意見をいただきました。

50部以上あったのに、2日であっという間になくなりそうです。

自由記入欄より一部抜粋しますと

「いつも(ディスプレイ)見ています。アイデアがあっていいなぁと思っています。」

「以前から気になっていました」

「なんのお店?」

「2歳の子どもがいつも楽しみにしています。毎月特色あるディスプレイが楽しみのようです。」

などなど、日頃知ることのできない貴重なコメントがずらり。

これからも、Mogicらしさで突き進んでいくばかりです。

2023.01.16

アイデア装置としてのオフィス

共通テストの国語を見ると、難しそうな正岡子規とル・コルビジェの文章題からはじまっていました。

今なら周辺知識があるので多少分かりますが、高校生の時にこれをきちんと理解できてたかなあと自分が心配になりました。

そうは思ってみるものの、気にもとめてなかった茫漠たる感覚を伶俐な言葉で表現されると、スッと爽快感があるのも事実です。

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視覚の生命力
https://www.iwanami.co.jp/book/b308221.html

建築家のル・コルビジェは、いわば視覚装置としての「窓」をきわめて重視していた。

そして、彼は窓の構成こそ、建築を決定しているとまで考えていた。

したがって、子規の書斎(病室)とは比べものにならないほど、ル・コルビジェは、視覚装置としての窓の多様性を、デザインつまり表象として実現していった。

とはいえ、窓が視覚装置であるという点においては、子規の書斎(病室)のガラス障子といささかもかわることはない。

しかし、ル・コルビジェは、住まいを徹底した視覚装置、まるでカメラのように考えていたという点では、子規のガラス障子のようにおだやかなものではなかった。
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Mogicが入っている建物はとてもユニークで、震災の紙管シェルターで知られる建築家・坂茂さんの初期の作品です。

地下室から4階をのぼって屋上まで、オフィスらしくなく、ワンフロアでもなく、配線が工夫されているわけでもありません。

しかし、僕らはオフィスを徹底したアイデアを生む装置として選んだという点では、四季を通じて心はおだやかなものです。

2023.01.10

楽しいことをやれる会社と願う

飽きもせず12年間、元旦にリリースしてきた年賀サービス。

早いもので7年間、年の瀬に配ってきたオリジナルカレンダー。

ありがたいことに「ファンです、楽しみにしています!」という声を聞くようになり、今年から全国で使ってもらえるようにプレスリリースを出しました。

これが将来どうなっていくのか想像もつきません。

ですが、少なくない方がサイトをご覧になっているので、声援を頼りに続けていきたいと思います。

いつまでもどこまでも、楽しいことを思いついたらパッとやれる会社でありたいと願っています。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

2022.12.26

ギャップ、なんのその

かつて面接していた頃に、「IT企業は業務が難しいイメージだったのですが、思い切って応募しました」とよく聞いていました。

たしかにそうかもしれません。

違う業界から入社した人は、最初はIT用語が分からないといいますし。

ですが、時は流れ、難しそうといった人たちは5年、10年と在籍し、楽しそうにおやつをパクつきながら仕事をしています。

そりゃそうです。

どんな業界だって、どんな仕事だって、最初は分からなくて、次第に慣れるものですから。

今では19歳のインターン生から69歳のパートさんまで50年の年齢差があってもスムーズに連携していて、ジェネレーションギャップすら、なんのそのです。

そんな働く人たちの様子がわかるインタビューKOMADOはこちら
https://pr.mogic.jp/category/interview/

2022.12.19

まるまる13年

12月16日が会社を登記した日ですから、まるまる13年が経ちました。

年末の大掃除ということもあって、例年のごとく過去のメールやデータをごっそり捨てながら、少し見返しています。

たった数年なのに、会社の体制というか、サービスの運営方法とか、楽しく盛り上げるやり方だったりがまったく違うものになっていました。

感覚的には過去からなだらかに地続きの気がしていたのですが、現実には切り立った崖が何段も積み重なる険しい峰のようで、僕らはよく登ってきたなあと。

と同時に、遠くから近くから、優しく見守り、力強く声をかけてくださった方々に改めて感謝の気持ちしかありません。

今日からまた大事な1日を積み上げていきたいと思います。

2022.12.12

考えられるだけの知恵を注ぐ

プロジェクトの締切りが迫っていて、リソースが限られていたら、まずは間に合わせることが一番大事でしょう。

しかし、そんなに追い詰められた時こそ、ちょっとの手間でずいぶんと未来が開けるなら勇気をもってトライしたいとも思います。

45年前に打ち上げられた探査機ボイジャーが今なお200億km以上先(100AU:1AUは太陽と地球の距離)から電波を送っているのにはそうした秘密が隠されていました。

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Scientific American2022:Voyagers to stars
(日経サイエンス2023年1月)
https://www.nikkei-science.com/?p=68562

いまから60年ほど前、太陽系にある4つの巨大惑星はゆっくり公転しながら整列しつつあった。NASAはこの千載一遇のチャンスを生かすために2機の探査機を建造した。細部までまったく同一のボイジャー1号と2号で、1977年夏に半月足らずの間に相次いで打ち上げられた。

「最初の4年が主ミッションという位置付けだった」と、ボイジャーのチームから20年間離れた後に2010年にプロジェクトマネジャーとして復帰したトッド(Suzanne Dodd)はいう。「だが、4年のミッションには必要ないが費用が10%増しですむものを加える選択肢があった場合、技術陣はそちらを選んだ。そして上部には特に報告しなかった。」

「マイクロプロセッサーを積んでいない。存在していなかったから」。ボイジャーを設計した技術陣はこの探査機の運転を助けるのに膨大なコンピュータープログラムに頼るわけにはいかなかった。「ミッションをこんなに長く続けられたのは、ほぼすべてハードウェアに作り込まれていたからだといえる。現在の技術者はそうしようにも方法が分からないだろう。これほどシンプルな宇宙機を現在作れるかどうかも疑わしい。」
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目の前にある課題に、現在考えられるだけの技術で、知恵をしぼりだして、少し先まで余白を考えて作りこんでおく。

すぐに結果を欲しがる僕らは、できるだけ早く正解を探し、可能な限り楽をしたいと考えますが、その反対のやり方があることを忘れないでいたいものです。

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2機が観測を完全に停止した後も、その旅は続く。ボイジャー1号は1万6700年後に隣の星であるプロキシマ・ケンタウリを通過し、その3600年後には2号が続くだろう。さらにその後、2機は何百万年も銀河系の中を周回し続ける。
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2022.12.05

すごく長い目でみれば

ちょっと昔に、スキル偏向的技術進歩(または技能偏向型技術進歩、Skill-Biased Technological Change:SBTC)という仮説があり、格差問題の説明に使われてきました。

今までにはない新しいスキルの習得が所得の上昇を生むというもので、そののちSTEM教育という名前になって学校でプログラミング教育が始まり、社会人ではリスキリングとして学ぶことになりました。

参考までにSTEAM教育(STEMの拡張版)をwikiより引用しますと

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STEAM教育
https://ja.wikipedia.org/wiki/STEAM%E6%95%99%E8%82%B2

STEAM教育(スティームきょういく)とは、 Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育(ステムきょういく)」に、 さらにArts(リベラル・アーツ)を統合する教育手法である

STEAM教育では、生徒児童の数学的、科学的な基礎を育成しながら、彼らが批判的に考え(批判的思考)、技術や工学を応用して、想像的・創造的なアプローチで、現実社会に存在する問題に取り組むように指導する。
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日本では他の先進国と比較して賃金上昇率が低いという論拠に紐づいていますが、本当にDX時代にリスキリング教育を受けて、企業の収益が改善されて、個人の所得が上昇するのかは少し考えてみてもいいと思います。

すごく長い目でみれば、20世紀の産業革命後に生まれた所得再分配の話かもしれないですし、自分の一生をどう過ごしたいかの話かもしれません。

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