少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2025.03.19
社会人になってから、よく自分がこなした仕事を記録していました。
といっても仕事内容というより、自分を経由した仕事が人から人へとどう手渡されるか、それが組織でどう回遊するのかということに興味があってデータとして残していたんです。
3月1日10時10分 プロジェクトの作業についてAさんにメールで依頼を出す → 3月1日10時30分 Aさんからテーブルで話したいと返信がくる → 3月1日 13時10分 テーブルで詳細を話して納得してもった → 3月1日15時 プロジェクトの定例会議でAさんから説明してもらう → ・・・・・・ → 5月15日 サービスのリリース完了といった感じ。
当時は時間に余裕があったんでしょうね。
しばらく続けていると、いろんなことが見えてくるようになりました。
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仕事は人と人の間を移動するときに間違いやすく、滞留しやすい。
早めにやる人はいつも早く、締め切りギリギリの人はいつもギリギリ。
メールを出すタイミングが数時間ズレるだけで、全体の流れが数日ズレることがある。
万が一の確認をしなかったり、早めのタイミングじゃないと終盤で抜けもれの連鎖で恐ろしいトラブルが出てしまう、とか。
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やがて、もっと根本的なことに気づくことになります。
今思えば当たり前のことなんですが、その時まで仕事の定義をこう思っていました。
仕事とは「自分に任された作業をキチンと期待通りにやるもの」。
そうです、気がついたのは“自分の仕事だけ”見てても本当は仕事にならないんじゃないかということです。
全員の仕事を見れば見るほど、自分のところをいくら最適化したって誤差の範囲を出ないからです。
それよりは遠くまでバトンをつなぐ人たちのことを考えて全体がうまくいった方がいいんじゃないかなと。
いつまでも自分を中心に据えてばかりじゃいけないんだろうなと。
(ここらへんからもタスクリスト嫌い、個人目標嫌いが強化されています)
全体が滞ってくれば大きな成果は出ませんし、終いには自分の仕事が増えることだってあります。
あまり根拠はなかったものの、直感的にそう感じてから自分以外のことに気を配るようになりました。
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自分が取り組んでいる作業に次の人が役立つものを入れてみる。
2つ先、3つ先、分岐して終盤に効いてくる仕掛けをからませる。
配慮したものがどういう意味を持ったのか、丁寧に事実を確認する。
社内だけじゃなく社外を含めた関係者すべての仕事を頭に入れおく。
誰かが相手を困らせる依頼をしているなら、少しフォローしてみる。
自分に関係ないパートだけど、進行が怪しそうなら話しかけてみる。
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本当に余計なお節介なんですけれど、それを続けていたら自然とトラブルが減り、スムーズに流れるようになりました。
カンを頼りに始めたので、今でもこれでいいのかよく分かっていません。
たまに「無自覚な新人にうまくいく仕事ばかり渡していいのか」という意見があるからです。
けれど、こういうお節介スタイルが今ではMogicらしさとして受け継がれているのですから、気分はまんざらでもないのです。