Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2025.06.10

アップサイドとダウンサイド

商品としてのクラウドサービス開発は、社内で合意を得やすいものです。

契約にいたれば売上や利益になりますから、あまり反対する理由がありません。

あるとすれば、売れなかったときにどうするんだというぐらい。

他方、クラウドサービスを支える土台なのに意外と開発しにくいのが社内の業務システムです。

おそらく商品とは違い、一つ一つの業務フローが損益と直結しづらいからでしょう。

業務をシステム化したところで利益になるのか、ムダにならないのか、メンテナンスの手間がかからないかといった声が少なくありません。

しかし本当は感覚的に分からないことこそ、一度どのぐらい大事かと推定してみた方がいいのです。

例としてクラウドサービスの業務をすこし切り出してみます。

問い合わせを登録する、問い合わせに返信する、相談を受ける、見積を出す、契約書を結ぶ、請求書を送る、入金を確認する、経理処理を行う、データ分析する。

これらに概算でかかる時間を入れてみます。

1件あたり
・問い合わせを登録する:5分
・問い合わせに返信する:5分
・相談を受ける:15分
・見積書を出す:15分
・契約書を送り、締結する:30分
・請求書を作り、送る:10分
・入金を確認する:10分
・経理処理を行う:15分
・データ分析する:15分
総時間:2時間

というベースを作ってから件数を拡張していきます。

10件なら20時間
100件なら200時間
1,000件なら2,000時間

と単純に導くことができます。

仮に1時間の価値を低くみて5000円とすると、10件で10万円分、100件で100万円分、1000件で1,000万円分。

もしこれが1ヶ月あたりの数字だったとしたら、永続的に10万円から1,000万円が浮くはず。

つまり、それらを売上の積み上げからまかなうより業務システムの効率化が確実で持続的だと考えられる。

しかもこの計算は部分として切り出しているので、本当は業務同士が連結していて乗数効果となりえる。

ビジネス風味でいうと「アップサイドの効果は無限、ダウンサイドの影響はかけた開発コストだけ」という想定条件。

日常用語でいいなおすと「うまくいったら効果絶大、ダメでもかけた手間を失うだけじゃん」。

というのが信じられるなら、よっこらしょと業務システムを作ってみるのです。

まず小さな業務システムを作り、実際に浮いた時間を計測する。

予定通りか、予定以下か、予定以上か。

予定通りじゃないとしたら、なぜ外れたのか。

ただひたすらに何世代も作り変えていき、やがては誰もが便利だなあという日がくればしてやったりです。

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