少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2023.12.25
年末はインフルエンザや風邪が流行っていて、静かに仕事を納めていくモードになりました。
緊急連絡網はアップデートしたかな、戸締りし忘れそうなところ分かってるよね、元旦のメール配信は事前にテストするんだろうなあ、仕事始めの準備もしないとね。
いつもと違う流れだからこそ、見落とさないようにしっかりチェックしたいものです。
立場柄、うん、そうですね、そうこう言ってはみるものの、このゆったりした空気感も捨て難く。
ズザザザとシュレッダーに書類を入れたらあと1週間で来年だなんて、信じられないなと思っています。
2023.12.18
たまに仕事のスピードを劇的に上げたいという人がいて、「じゃあ、もし今の2倍になったらどうするの」と話しかけます。
「単純に2倍の量をこなします」という人もいれば、「浮いた時間でやりたいことをやります」「新しいスキルのために勉強します」という人もいます。
であれば「びっくりすることに、4倍になっちゃったらどうする」と聞いてみます。
4倍にできれば今の仕事時間が25%まで圧縮されますから、ほぼ別次元の話に見えるでしょう。
「すごく理想的ですね」といわれそうですが、遅かれ早かれ次は仕事の量が4倍以上に増える気がしています。
ありえることとして
自分が早く仕上げた分、誰かに渡した仕事が早まって戻ってくる可能性
または
あの人は仕事ができるからと、次から次へと仕事が回されてくる可能性
または
周囲の人がやり方を真似ていき、会社全体の仕事量が増えてくる可能性。
つまり、作業スピードの上昇はさらなる仕事量の増加を持たらすという仮説がありえます。
もう一度スピードを上げても、同じことがくり返される。
もしそうなら、スピードの早い遅いに関わらず仕事量はいつも無限に見えるという地点にたどりつきます。
個人の時間と健康は有限なのに、会社の仕事量は絶えず無限に思える。
気がつくと、あらゆる期限と達成度ばかり気にしている。
その思考が行きつく先はどこなのでしょうか。
不明瞭なら、理不尽さを感じます。
ですから、実はスピードの上がらない自分に落胆するんじゃなく「仕事を有限にしかこなせず、今のスピード以上に上げられない自分は何をすべきか」が課題なんじゃないかと思ったり。
2023.12.11
オフィスにつくと、はじめにコーヒーの生豆を焙煎しています。
奥にあるキッチンからパチパチと勢いよくはぜる音に、カカオをすり鉢で練りつぶすような香ばしい匂い。
昔は金物のかご網でぎこちなく炒っていたのに、今では自動の焙煎機が迷いなくやってくれます。
もうすぐ生豆がなくなりそうだったので、今回頼んだのはブラジルのエスプレッソレディーとインドネシアのマンデリン・グランレイナ、それにオリジナルのクリスマスブレンド。
いつも通り気軽にワン・クリックで注文、されど届くまでに本当はとんでもなく長い道のりなんだろうと想像しながら。
そう、はるか遠い大地でコーヒーチェリーと呼ばれる赤い実は瑞々しい果肉を取り除かれ、熱帯の強い日差しに干されてから丈夫な麻袋にずっしりと詰め込まれると、コンテナを運ぶ船便で揺られ続けて数ヶ月、彼の地で丹念にピッキングされグラム単位の小袋となって、最後に決められた日時の正しい場所にたどりつく。
一本の細くて長いロープを、一人一人の見える現実で綱渡りしている感じ。
今はそんな時代なんだと踏ん切りをつけて、1週間前に焙煎した豆をグリグリと挽いてみんなのコーヒーを作っているとやらねばならないことを思い出しました。
近くにスペシャルティコーヒーのお店ができるんだから、早々にご挨拶にいかないと。
それもそうだし、いつもお世話になっているケーキ屋さん、中華料理屋さん、花屋さん、豆腐屋さん、弁護士さん、大家さん、歯医者さんに来年のカレンダーをお届けしないと、と。
思えば、本当に大事なことはいつも限られています。
とかく遠くばかり夢見がちなIT企業だからこそ、石神井というローカルで仲間と共にはたらくことがとても大切なのです。
2023.12.04
経営に関するロングインタビューを公開したのち、「戦略、目標、野望、ビジョン、ミッションの違いってなんなんでしょう?」と質問を受けたので少し考えてみました。
最近発売された本に近しい感触の文章を見つけたので引用してみます。
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戦略の要諦
リチャード・P・ルメルト(著)、村井 章子(訳)
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/10/13/01057/
戦略の策定とは、単なる意思決定ではない。
意思決定の場合、とりうる行動の選択肢があらかじめリストアップされていて、その中から選ぶことが想定されているが、戦略を立てるときはそうではない。
まずは課題の特定から始まる。
また戦略策定と目標設定は違う。
戦略は組織が直面する課題から始まるのであって、先に最終到達地点としての目標を設定するのはあべこべである。
略
けっしてゴールから、つまり目標設定からスタートしてはならない。
いま何が問題なのかを理解することから始め、成否を決するポイントを見きわめることが戦略策定の王道である。
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個人的には、目標、野望、願望、ビジョン、ミッションはほとんど気にすることなく、戦略のあり方だけに集中すればいいのではと思っています。
戦略に他の要素が数珠つなぎに連なると予想しているからです。
では、戦略のあり方はどうするのか?
禅問答のようですが、行く川の水面に刻々とうつり変わる自分たちを善く知るが如くです。