Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2024.11.11

集団的・累積的キャリアが必要

モノを仕入れ、パッケージにして、買ってくれる人を探し、契約して、納品して、入金を確認する。

または

作っていく人、売っていく人、作業をまとめる人、事務をする人が一緒に仕事をする。

または

経費を支払い、売上を立て、利益を出して、キャッシュを回す。

いずれも「企業」という存在を表現するには妥当なものでしょう。

が、なにか自分たちが目指すものとは違う気がする。

大きくは当たっているけど、芯をとらえていないと思う。

そんな時に「革新的企業」という定義を使い、企業価値の収奪を議論した本からヒントをもらいました。

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略奪される企業価値
ウィリアム・ラゾニック(著)、ヤンーソプ・シン(著)、中野剛志(解説)、鈴木正徳(訳)
https://str.toyokeizai.net/books/9784492444832/

企業は従来よりも高品質で低単位費用の製品を生み出して、費用構造を転換することで大きく成長する、と認識する。

革新的企業は、競合他社よりも高品質な製品を開発するために、集団的・累積的学習プロセスに投資する。

そして、それに成功すれば、まさに買い手がその製品を高品質だと見なすために、革新的な企業はその製品市場でより大きなシェアを得られるようになる。

この市場シェアにより、生産の固定費用をより多くの販売単位に分散させ、より高品質な製品を開発するための高い固定費用を低い単位費用に変換するのである。

われわれは、企業が従来よりも高品質で低単位費用の製品を生み出すことを可能にする、3つの「革新的企業の社会的条件」を明らかにする。

これらの社会的条件とは、戦略的管理、組織的統合、資金調達コミットメントである。
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難しい漢字が並びましたが、一番気になったのは「集団的・累積的学習プロセス」のところです。

ちょっと解釈を加えて書き直してみます。

そう、どうせやるなら良いサービスを目指したい。

ただ、努力しても到達できるかどうかは別問題。

いろいろ考えなきゃいけないことが多いから、先が読めない。

だけど目指さない限り届かないんだから、まずはスタートしてみよう。

リスキーなのは、いつどう良いサービスに仕上がるか分からないこと。

だから、そこに到達するまでうまく粘ってやりくりするしかない。

資金をもたせて、商談にのぞんで、いろんなフィードバックを受ける。

チームで「ああでもない、こうでもない」と議論を重ねる。

無駄が多いけど、いろんな知恵が組織にたまっていく。

やがて良いサービスになる確率が上昇してる、といった風情でしょうか。

うーん、金融商品と違って面倒なプロセスです。

ふと友人が言っていたことを思い出します。

「なんで(自分が)金融商品を手掛けてると思う?人はどこかで必ずブツブツ文句をいうけど、お金は何もいわないからだよ」

確かにパッと労力を投下してサッと結果が出たらいいのに、まったく違う。

努力量に応じて決まった成果なら楽なのに、先行きはいつも不透明のまま。

だけど、そんなプロセスこそ楽しいという奇特な人がいるのも事実。

煎じつめると、いうまでもなく僕らはそういうタイプなんだろうな。

なんたって、クセが強くてよく面倒ごとを起こす人ばかりだから。

まあ、よく笑いながらここまでやってこれたなぁというのも事実。

だからというわけではないんですけど、これからも変わりなくいろんなことで共にうまくなっていければいいなぁとひそかに願っています。

最後にそこらにからむ文章を引用して締めたいと思います。

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イノベーション・プロセスの本質である学習は、集団的かつ累積的なものである。

イノベーションは、1人では起こせない。

人々は、同じ組織の目標に向かって専心努力する他人との相互作用を通じて、より良い仕事のやり方を学ぶ。

重要な従業員を長期にわたって雇用しておこうとするのは、こうした集団的学習プロセスの累積的な性質によるものである。

そして複雑な製品を生産する複雑な分業体制においては、集団的・累積的学習プロセスの「重要な」人材は、組織階層の奥深くに見つけることができる。

企業が革新的であるためには集団的・累積的な学習が必要であるように、従業員が今や40年以上に及ぶ職業人生において高い生産性を維持するためには、集団的・累積的キャリアが必要である。
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