Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2023.04.17

塵も積もれば、38年後

1年365日のうち、土日祝日を休みにすると営業日は240日前後です。

1日8時間働くとすれば、1年で1,920時間。

残業を1日平均2時間すれば、1年あたり+480時間。

もし22歳から60歳まで38年間を残業2時間で働くと、残業の総時間は+18,240時間。

この残業時間を1日8時間労働で換算しなおすと、2,280日分。

つまり、22歳から60歳までの38年間に2,280日残業/240営業日=9.5年ほど余分に働いていることになります。

こう考えはじめると残業+2時間せずに定時で上がり、残業しなかった分(+9.5年)を60歳以降に割り当てて、70歳まで働いた方がいいんじゃないかなという着想が生まれます。

さらに通勤に往復2時間かかっていたら、近くに住むことで38年間でもう9.5年分が出てきて、80歳まで働いた方がいいんじゃないかとなります。

ただし、この着想が有効なのは働くことにポジティブな意味を見出しうる場合でしょう。

ポジティブな感じ方は人それぞれとはいえ、適度なストレスに、ささやかなやりがい、少しずつ成長して、好きに使える自分の時間に、あれこれ家族や友人と笑い、うまく心身をメンテして、周りから頼られながら、さりげなく人の役に立てるのであれば、+10年、+20年は悪くないのかなと。

すべての流れの早い今の時代、この考えは理想的すぎるかもしれません。

ですが、自分たちの会社だからこそ、理想を目指せる自由を使うのです。

2023.04.10

見たことない問題を考える

何か問題にぶつかったとき、勝利の方程式という言い回しの通り、ゴールに最短距離かつ最小工数で近づけないかと考えます。

この方程式という比喩は、一定の規則やフォーマットが存在し、パラメータであるAとかBを入れていけば、求める答えがチーンと出てくるもの。

ノウハウやメソッドとも言い換えられ、コピーが可能で流通でき、別の場所に移植すれば復元できます。

ここで少し穿って勝利の方程式を厳密に代数方程式だとみなすと、高次で必ずしも解くことができない場合や特定の値を導けない場合がありえます。

つまり、解ける問題なら方程式でいいのですが、そもそも解けない問題に対して方程式以外のどういうアプローチをとればいいのかという話が出てきます。

解かないことにするのか、近似させて最適解を得るのか、確率的に分布を見るのか、視点をずらして問題の次元を変えるのかなど。

会社を運営していると、95%以上は方程式で解けない気がします。

そもそも代数方程式と大きく異なるのは、時間が経つにつれ問題の前提条件が多様に変化するということ。

逆手にとれば、解けるようになるまで特定の条件を待つということができます。

ですから、まあ、今日もたっぷり時間をとって、見たことない問題をどうしたらいいか考えるしかないのです。

2023.04.03

哲学を持たざるをえない日

私たちが接する情報は増えに増え、あれもこれも見たくなり、気がつくとずいぶん時間が経っています。

芋づる式に連なってくる情報は、知らず気分を上げたり下げたり、心も忙しくしてくれます。

未来にもっと多くの情報がやってくるなら、今より穏やかな気持ちにはなれないでしょう。

そんな将来はイヤだなあ、どういうスタンスで望めばいいのかなあと考えていたら、とあるプロダクトデザイナーの言葉が目に止まりました。

ーーーーー
自分に語りかける時も敬語で
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784906790401

機能を増やすには技術がいりますが、機能を減らすには哲学がいります

ーーーーー

ははあ、と思うに至り。

「機能」という単語を強引に「情報」に置き換えてみます。

すると

情報を増やすには技術がいりますが、情報を減らすには哲学がいります

となり。

己がどういう哲学を持つのか、それを問われる気がしてなりません。

2023.03.27

目は口ほどにものをいう

エンジニアリングでは誰もが知っている話で、コンウェイの法則というものがあります。

50年以上前にメルヴィン・コンウェイが提唱した概念でwikiより引用しますと

ーーーーー
コンウェイの法則
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4

「システムを設計する組織は、そのコミュニケーション構造をそっくりまねた構造の設計を生み出してしまう」 (原文: "Organizations which design systems are constrained to produce designs which are copies of the communication structures of these organizations."

ーーーーー

指揮命令系統が階層構造の組織なら、自然とディレクトリ型のシステムを作ってしまうということです。

結果として横同士の連携は弱いものになることが最初から予想できます。

この法則を少し応用すれば、逆のことが推測されるでしょう。

つまり組織を見ればシステムが分かるの反対で、システムを見れば組織の構造が分かるということです。

いうなれば、目は口ほどにものをいうと同じ。

自分たちが作りつつあるシステムを見れば、無意識にどんなコミュニケーションをとっているかが分かってくるのです。

2023.03.06

イノベーション&プロデュース

3月1日に新部門を設立しました。

イノベーション&プロデュースといって、多少大げさかもしれませんが、将来の成長余地を見越した名前になっています。

実情はWebプロデュース業務で、数年がかりでようやく部門化することができました。

なぜ部門として立ち上げるのに時間がかかったのか?

それは「プロデュース」という言葉から受ける印象の通り、何をしたらいいかパッと分からないからです。

担当する人が何を目指してどうすればいいのか分からなければ、職種にすることはできません。

エンジニアやデザイナー、ディレクター、マーケッターよりもスキルやノウハウが体系化されにくいので教育がとても難しくなっているのです。

これまで、いろんな実地でメンバのプロデュース感を養ってきました。

新設部門とのからみで当面の間、忙しくなります。

本コラムが月1-2回の更新になることをお許しください。

2023.02.27

Webプロデューサーの準備運動

プロデューサー見習いのトレーニングとして企画書を書かせます。

「よし、じゃあ、パワーポイントで10枚の企画書を書いてみて」と。

「どのぐらいの時間でかけそう?」と聞けば

「うーん、3日ぐらいでしょうか」といったりします。

お察しの通り、この時点でどのぐらい力があるか、ないかが分かります。

良い/悪いを口にしても仕方ないので、次の仕事も、その次の仕事も似たタイプで出します。

「インターン生を募集するチラシ、デザイナーと作ってみて」

「夏休みに子供向けアプリ出したいから、エンジニアとやってみて」

「3年後に花咲きそうなウェブサービス、立ち上げてみて」

昨今では無茶ブリといわれるでしょうが、意図はあります。

予想では、どのプロジェクトも意気揚々とはじまり、進むほどに時間がなくなり、後半に焦りが焦りを呼び、最後に失敗を決定づける判断をするでしょう。

それら苦々しい経験を振り返り、共通するものを見抜くことが最良の準備運動になると思っています。

2023.02.20

Mogicの経営方針の一つ

個人的には、たくさん並んでいる作業が好きではありません。

仕事が目一杯ありそうというだけで、イヤな気持ちになります。

ToDoリストが一番苦手で、できるだけ避けています。

ですが、会社というものは厄介なんですね。

やればやるほど、仕事が増えていくのです。

それをなんとかうまくやりたい。

ですから、空いた時間に考えていることは一つ。

どうすれば未来に作業が減るのか、ということです。

今年より来年、来年より再来年、少しずつ減るようにする。

それこそが、Mogicの経営方針です。

2023.02.13

変わりゆくさまを想像しながら

先日、社内のブランディングチームからロングインタビューを受けました。

今回のテーマは、採用と教育。

何も考えずに質問に答えていましたが、あとで書き起こされた草稿をみて、自分ってこんなこと考えてるんだなあと発見がありました。

公開はまだ先のようですので、さわりを引用しますと

ーーーーーー
- 前回のインタビューの後、社内だけじゃなく社外の人にも「質問したいこと、ありますか?」って聞いてました。やっぱり、Mogicの社内教育に興味があるって声が多くて。そこで今回は、教育に絞って前回より深くお話をうかがいたいと思います。

いきなり教育に入りたくはあるんですが、その前にどんな採用をしてるんだろうって気になります。どんな人に入社してもらいたいとかあれば、聞かせてください。

山根:結構シンプルで、会った時に「ああ、一緒に働きたいなあ」って思えるかどうかなんです。なんだろう、答えになってないように聞こえるかもですが。一般的な面接だと、能力が高いとか、スキルが欲しいとか、即戦力になってほしいとか、目線が高いとか、言われたことは確実にやるとか、いろいろ条件があると思うんです。

でも僕らが大事にしていることは、最後の最後にピンチになっても一緒に頑張ってくれそうな人と、あとは自分が最後まで一緒に頑張りたいなと思う人を採用してる感じですね。

- それは面接される時、どういうところで分かるものなのでしょうか?

山根:察する、ですね。もうちょっと詳しくいうと、応募された方と自分との相性みたいのがあるじゃないですか。だって、絶対的に採用される人はいないので。自分たちと組んだときに、この人は最後まで一緒にやり切れそうな雰囲気があるかな、というのをいろいろな感じで確認するんです。

なので、残念ながら定型の質問ってのがないんです。同じ質問でも違うタイミングに差し込んだら、受け取る意味って変わるので流れで聞き方を変えています。
ーーーーーー

誰と一緒に働くかは、とても大きな問題です。

仕事の内容はさほど変わらなくても、人はお互いどんどん変わります。

変わりゆくさまを想像しながら、出会いの時間を大切にしています。

【後日追加】インタビュー記事の続きはこちら
https://www.mogic.jp/category/interview/13560

最新記事

代表インタビュー

月別アーカイブ