Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2022.11.07

躊躇うことはありません

コロナ禍ですっかりなくなっていた結婚式にひさびさ出席しました。

働くメンバのご親族と話をしていると

「会社として、一見ムダに思えることをそうじゃなく成立させているのがすごいと思う。働くのが楽しそうだもの」

と、ありがたい言葉をいただきました。

周囲からそう見られていることがなによりうれしいものです。


人生の長さを80年として、20%相当の16年分が楽しくて80%の64年分を我慢しているより、64年楽しくて16年我慢してる方がいい気がします。

もう少し期間を短くして、1年のうち292日を我慢してるより、292日楽しい方がいいと思っています。

さらに短くして、1日に働く7時間でも考えは同じです。

極端な仮説として、人生の楽しい時間の総和は1日の楽しい時間の総和の延長にあると考えれば、1日単位でも働く意義をおろそかにはできません。

そうなってくると、働く=依頼された仕事をきちんとこなすということと、個人が感じる楽しさを重ね合わせて同時に成立させるという命題が生まれてきます。

一番いいのは同じ仕事内容にも関わらず、本人が我慢ではなく楽しいぞ!と思えることでしょう。

そのためには長い時間をかけて、いろいろな機会で、いろいろな人の、いろいろなものの見方を学んでいくほかないと思っています。

その結果、普通は会社がやらないイベントの展開やサービスづくりになろうとも躊躇(ためら)うことはありません。

2022.10.31

さようなら、クッキング部

コロナ禍以前にクッキング部という活動があり、仕事中にしょっちゅうお菓子を作っていました。

だいたいインターン生が巻き込まれて、屋上でぎんなんを焼かされたり、コーヒーの生豆を焙煎したり、小麦粉をこねてクッキーを作ったりと、今ではいい思い出です。

が、時代は過ぎて情勢が変わったということでクッキング用品をバッサリと捨てました。

鉄のフライパン、木製の小皿、陶器の大皿、スプーン、箸、茶碗、マグカップ、ガラスの装飾皿、トルティーヤマシン。

これで厚岸直送の牡蠣をもらった時にパーティしたな、わざわざトウモロコシの粉を取り寄せてあれでタコス作ったなとか、それにコロッケを山盛りに積み上げてたなとか、懐かしいことばかり。

大量のクッキング用品がなくなったついでに、ディスプレイしていたDIY棚も解体。

さみしさ半分ですが、すっきりも半分ということで新しい企画が走りはじめています。

2022.10.24

パッと輝く瞬間を追い求める

新しい期がはじまる頃、ちょうど1年前に考えた予想がどのレベルの精度だったかを調査しはじめます。

あちこちで話したり、書きちらしているのでそれを一つずつ丁寧に集めて、何がズレたかをみるのですが、不思議なことに年を経るごとに予想と現実の差が少なくなってきました。

もちろん、差を生んだズレの要因を見つけて対処してきたからですが、一番大きいのは予想のグラデーションがついてきたからだと思っています。

自分たちがコントロールできるものは予測度90%で見積もりますし、近しい外部の人と組むものは予測度60%の粒度にし、まったく新しい事業プランなら予測度15%といった感じです。

この予測度は漠然としたものではなく、要素をどのぐらい網羅的に洗い出せているか、その要素ごとの変動幅はどのぐらいか、要素間の相互作用はどのぐらいで、どの順番で影響するのか、要素自体の強度は増減するかを総合して決めます。

予測度が決まったら、あとはそれを表現する算式を作ってコンピュータにシミュレーションをまかせたり、図形記号を使ってフローを読み解きます。

新しいサービスを出すプロジェクトを例にとりますと

プロジェクトマネージャ1名、デザイナー1名、エンジニア1名の合計3名。うちデザイナーは経験が浅く、新しいサービスは未知の技術を使いたい、およそ4ヶ月で作りたいとして予測度は80%です。

予測できない20%は、主にメンバの成長度合い、未知の技術の利用可能性と代替の選択肢、コンセプトのまとめ方、他の仕事との兼ね合いですから、そこの変動性を適切な幅におさえるようにプロジェクトを要所ごとに締めていけば、おそらくできるでしょう。

だからといって、予測度を高くするばかりでは芸がありませんから、いつも予測度が低いものを織りまぜてパッと輝く瞬間を追いかけています。

2022.10.11

普通にほどけない結び目

自分一人ならまだしもチームで問題が起きたら、原因の特定は難しいものです。

感情的には「あいつが悪い」といえば済みそうですし、道徳的には「ワンフォーオール。みんなのせいだよ」となぐさめるでしょうし、データ的には「業務フローにボトルネックがあるね」と意見することができます。

それぞれに呼応するように「誰かがごめんなさいといって、お互いもっと信頼しようと話し合って、数字でチェックしようと工夫します」が、それでもうまくいかない場合はどうすればいいのでしょうか?

因果関係の本に、端的な表現があったので引用します。

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因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915968

こうした問題に対しては、数値を有限の、しかも扱いやすい数のカテゴリーに分けるという解決策をすぐさま思いつく。

この解決策は原理的に何の問題もないが、カテゴリーの設定がやや恣意的になるだろう。

また、調整する変数が一定より多くなると、カテゴリーの数が指数関数的に増える恐れがある。

そうなると、この手法は現実的に適用不能になってしまう。

しかも、この場合、カテゴリーの多くに要素が一つも存在しないこともあり得る。

その場合には、確率の推定はまったくできなくなるだろう。

この問題は「次元の呪い」と呼ばれているが、統計学者は、それに対処するための優れた方法をいくつか考え出している。

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これまでの経験や感覚、慣習では思いつかない要因が、密かに横たわり悪さをしているということで、もちろん複数が連鎖していることがほとんどでしょう。

と考えて、じゃあ、どう解決するんだ?となれば、残念ながらしっかり時間をとって丹念に我慢強く考察するしかなさそうです。

そのあり様をもう一つ引用より

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「実に簡単なことだよ、ワトソン君」

シャーロックホームズはこう言ってから、皆が知っているとおり、とても簡単とは言えない推理を披露して、信頼のおける助手、ワトソンを驚かせるのが常だ。

ホームズには他にも有名なセリフがある。

それからも彼がどのような思考をしているかは窺い知れる。

こんなセリフだ。

「あり得ないものを一つずつ排除していったとき、最後に残ったものは、たとえどれほどあり得ないと思えても真実だ」。

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コロナ禍、円安、インフレ、普通にほどけない結び目が増える世の中です。

2022.10.03

新年カレンダーあやうし

毎年10月に入ると、年末の仕込みに向けて一斉スタート。

特に年賀状がわりにつくる年賀アプリプロジェクトと、新年のカレンダープロジェクトが競うようにデッドヒートをくりひろげますが、今年はやや雰囲気が違います。

新しいインターン勢が顔合わせしてスムーズにはじまった年賀アプリに比べ、カレンダープロジェクトはシーンとしてまったく動けない様子。

それもそのはず、LearnOの10周年プロジェクトなどなどが佳境にさしかかり、すべてがぎっしりと10月、11月に詰まっているのです。

無理にやってもいいものはできないので

「新年カレンダー、あきらめてもいいんじゃないかなあ」

と助け舟を出すと

「母が楽しみにつかっています」
「来年はスタンドの木を工夫してほしい」
「毎月1ページじゃなくてもいいので、出したいですよね」

とあちこちから、カレンダーを作る前提の話ばかり戻ってきます。

一から作るカレンダーは本当に大変なはずなのに、Mogicのカレンダー愛は尋常ではありません。

さて、できるのかどうか、運がめぐってくるかどうか。

2022.09.26

ブレーカ落ちて骨身に染みる

起業したばかりの頃、借りていたマンションの1室でよくブレーカを落としていました。

エアコンつけて、パソコン4台置いて、お湯を沸かしたら、すぐに落ちます。

1日に何度も落ちて、落ちて、落ちすぎる!と頭にきたのがきっかけで、電気工事を学びはじめました。

そのうちアンペア増やして、サーバを置いて、部屋の半分をデータセンターにと妄想していましたが、すぐに無謀な企てだと分かります。

よくよく考えれば当たり前の話で、命が危険にさらされます。

すぐ危険な目に会うことも、徐々に危険が迫ってくることもありますから。

電気が漏れると感電しますし、経年劣化で抵抗があがれば火花が飛びます。

あの頃ブレーカが落ちすぎたおかげで、今では分電盤、動力盤、漏電遮断器、ブレーカ、アース、VVFケーブル、圧着ペンチ、ジョイントボックスといった電気周りが分かるようになりました。

何かをスタートする時、勢いは大事です。

それと同じく背景を理解し、点検やメンテナンスをするのも大切なんだと骨身と染みています、もうビリリリと痺れたくなく。

2022.09.20

セキュリティは教育から

情報資産の取り扱いに関して、ISMSという第三者認証をいただきました。

詳しくはプレスリリースに譲るとして

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000004876.html

数年前から自分たちでリスク監査委員会を作り、あれこれチェックしていましたが、それでは対外的に伝わりにくいだろうということで今年の4月からスタート。

【参考記事】性悪説と監査ざんまい 2021.11.15
https://www.mogic.jp/philosophy/?aid=12823

LearnOサービスが10周年を迎え、サービスのリブランド真っ最中にも関わらず、みんなで協力して整備することができました。

教育IT事業を手がけていますから、灯台下暗しにならないよう、これからも情報セキュリティに万全の教育体制で臨んでいきます。

2022.09.12

マネーリテラシーをきく

世界中どこでもお金の扱い方は不確からしく、海外ドキュメンタリ番組でインタビューを受けた人たちが「ペイチェック・トゥ・ペイチェック。(先進国なのに)この国はマネーリテラシーをぜんぜん教えてくれないからね」とぼやいていました。

日本でもファイナンシャルプランと聞くことが増えましたが、実はマネーリテラシーの意味をしっかり把握できていなかったかもと急に不安になりました。

そこで周囲の人にマネーリテラシーって何でしょう?と聞いてみると

「入ってくるお金と出ていくお金、手元に残るお金を全部しっかり把握することですかね。給与明細にある天引きされた税金の内訳はみんな見てないものですよ」

「お金を使うときに、どういう意味があるか考えられる力です。欲しいと思ったらパッと使えてしまうのがお金ですから。それがいつ何にどのぐらい役立つか、買う前に考えられるかどうかです」

「人生の3大出費を早いうちに理解してること。教育、住宅、老後には長く準備が必要です。時間を味方につけないといけません」

「お金に自分で色をつけられるかですね。同じ10万円でも貯金の10万としてもいいし、将来の自分のスキルのために5万+周囲へのプレゼントに3万+投資2万にしても自由ですから。」

と、意外にも千差万別でした。

答えがバラついているということは、それだけ難しいということでしょう。

健康や幸せ、生きがいと同じく目に見えず、定義が定まらないタイプの話なので、少なくとも人と議論する時間を設けて理解を深めていくのが良いように思えてきました。

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