Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2022.05.09

本の読み方、少しばかり変遷

社会人になってから、本の読み方に少しばかり変遷があります。

最初は何も分からないので入門書を手に取ります。

慣れてきたら1つの分野を網羅的に理解したいという気持ちから、アーカイブ型読書になりました。

アーカイブ型読書というのは1つの分野の書籍をあれこれ読み漁ることなのですが、ちょっとだけ工夫があります。

1つの分野でも書店の棚には100冊以上ありますから、全部を読むのは得策ではありません。

ということから全体の知識量の80%でいいから、最短距離で学ぶにはどうしたらいいだろうと考えます。

気づかれた方もいるように、パレートの法則というのを使います。

全体の20%の事柄で80%の結果を表現できるというものです。

100冊のうち20冊で80%の知識は得られるんじゃないかと読み始めて、1冊のうち20%の部分で80%の言いたいことが分かるんじゃないか、専門用語の20%を覚えれば全体の80%を説明できるんじゃないかと、入れ子状にどんどん省略化していきます。

それでも限界がありますから、適度に圧縮して全体像を把握してから誰かに話を聞いていました。

やがてこの方法はアーカイブそのものが持つ古さを拭えなくなります。

次に考えたのがストリーミング型読書です。

アーカイブとは違い、今週書評された本、先週知人友人がいいよといった本、今日気になった雑誌だけに目を通します。

今という旬の感覚を、言葉に書いてある以上の雰囲気で察してみるというものでした。

ただし、ここ数年はこれにも限界を感じることが増えました。

原因を考えてみたところ、本というメディアの生産工程に一因があるんじゃないかと思っています。

著者がアイデアを思いついて出版社の編集者と議論するのに半年、そこから書き始めて半年から数年、さらに印刷して流通にのるまで半年、つまり最短でも1.5年、長いと数年。

かつては本が流通するまで、そこに含まれる情報が先に出ていくことは少なかったと思います。

しかしネットが発達するにつれ、関連する情報の一部は簡単に流通するようになりました。

著者が思いついてから1.5年後に受け取る完成度の高い文章群と、著者が思いついたころにあちこちで発信される断片的で粗いメッセージ。

その2つが競争している感じがして、また新しい方法を編み出さないといけないようです。

2022.05.02

時代の断層にあわせて

感覚的な話なのですが、大きく時代の断層が見えている気がします。

数学のABC予想問題における意見の相違と、物理学のAdS/CFT対応からの議論の発展は生身のヒトとして理解しづらいものがあります。

ありえないものを同時に重ね合わせるということが大事なテーマになってきて、僕らはどうすべきかと議論しています。

2022.04.25

朝活とフレックス制

ゴールデンウィーク前の朝は大いそがし。

残念ながら枯れてしまった植物の土を黒いビニールにいれて屋上で消毒しつつ、夏に展開する移動式コーヒースタンドの木材をマホガニー色のワックスで塗装しながら、梅雨ごろにみんなを驚かせるための電動人形の型紙を制作したりと、下準備に余念がありません。

昨年まではみんなが出社する1時間ほど前に希望者と一緒に作業していたのですが、先週からフレックス制が導入されてどうにもやりにくくなりました。

ワアワアガサゴソしてる人たちに、カタカタカツーンとキーボードをたたく人たち。もちろんどちらも会社の役に立つことなのですが、あまりに毛色が違います。

とはいっても気にする人はいなかったんだと思い直して、好きなだけ作業を進めていきます。

2022.04.18

ぬいぐるみを作るぐらい

一からITシステムを作ると聞けば、難しく感じてしまいます。

CSSにHTML、プログラムにサーバと専門用語がたくさん出てきます。

本屋で立ち読みしても、ウェブで検索しても分からないことだらけ。

せっかくあれやりたい!と思っても、実現するまでに障害が多すぎて挫折しかねないのが実情です。

本来は、オープンソースで自由になんでも作れるのがウリなのに。

そんな雰囲気は良くないなと思って、インターン生を含めた若手のチームに1日とか1週間、1ヶ月でアプリを作ってもらっています。

ぬいぐるみを作りたいと思って、布を切り、ミシンをかけて、ボタンをつけるぐらいの感覚が理想です。

あの子が寝る前に1日の出来事を話す存在になるといいなとか、「届けたい気持ち」がきちんと乗っていれば、不格好でも荒削りでもおかまいなし。

技術をマスターするばかりで気持ちがどこかにいってしまっては楽しくなくなります。

そうして作られたアプリは、MicroTechとしてサイトに掲載されています。

見え隠れする彼らの苦闘を時間のある時にご覧ください。

MicroTechサイト:http://microtech.mogic.jp/

2022.04.11

スイーツ・トリガー

プロジェクトをキックオフして、メンバが盛り上がってないなあ、エンジンがかかってないんだよなと思うとき、目の前にスイーツの取り寄せをぶらさげます。

「予定通り、この日にリリースできたら極上のいちご大福が届いちゃったりするんだろうなあ」と。

仕事ですし、コンディションは自分でなんとかすべきという意見もありますが、こっちの方がプロジェクトの展開がドラマチックになって面白そうというのが本当の理由だったりします。

食欲に素直な人ばかりなので、目をキラキラさせて食いついてきます。

そうこうしてプロジェクトが進み、中盤にさしかかると一つ、二つとヤマがやってきます。

進行が遅れていたり、仕様に迷ったり、連携がうまくいってなかったり。

「ああ、まずい。もういちごの姿が霞んできた気がする。この遅れは取り戻せないんじゃないかな」

というと

「そんなことはありません! やれないことはないんです」

と強情につっぱねて、チームで話し合いをはじめます。

こちらから「がんばろうよ。あきらめずにさ」といわずとも。

もはや自分の食欲のためなのか、チームのみんなのためなのかは定かではありません。

はじまりは不真面目な欲ですが、気がついたら起承転結のドラマみたく、自分たちだけで乗り越えていきますから不思議なものです。

2022.04.04

余計にはみ出した一歩

年に1回は、石神井の店舗や事業所にグッズを配りにいきます。

知り合いのところばかりでは面白くありませんから、今まで接したこともない所に入って話しかけます。

「すみませーん、石神井でIT企業やってまして同じ地元ということでオリジナルグッズを配ってるんですが、いかがでしょうかー」

もちろんお店にいらっしゃる方の邪魔にならないように。

その様子をみて若手はちょっと引きぎみになります。

「本当に話しかけるんですね・・・・・・」といってくるので

「だって、話しかけるのはタダじゃん」と返します。

「あと自分から用もないのに話かける人っていないから敢えてやってるところもあって、実際ビジネスの立ち上げも似たようなもんなんだよ」と付け加えます。

誰かにやれといわれなくとも、自分が起点になってスタートさせて巻き込んで楽しんでいく。

余計にはみ出した一歩がなんともいえない気持ちにさせるなら、それはやってみる価値があります。

2022.03.28

LearnOサービス10年と1日目

ちょうど今日は10年前に自分たちのサービス「LearnO(ラーノ)」をリリースした日でした。

まだオフィスは8人座るのがやっとの広さながら、すでに琉球大学の附属施設に導入が決まり、華々しくスタートできたと感じていました。

まさにスマートフォンやタブレットが広がりはじめたばかりで、チャンスは至るところにあったからです。

まさか本格的に売れ始めるまでにあれほどの紆余曲折、試行錯誤、艱難辛苦が押し寄せてくるとは思わずに。

馴染みのないBtoBビジネス、知らない教育IT業界、足りない営業力、分からないクライアント事情、整っていないマーケティング手法、そして先の見えない契約までの道のり。

月に1件の問い合わせすら、ありませんでした。

電車のつり革をにぎりしめながら、違うサービスをやるべきか、誰かにシステムを譲るべきかと議論したことを思い出します。

それでも続けられたのは自分たちが作ったものを誇りに思っていて、打開しようとするアイデアと気概が尽きなかったからでしょう。

絶えず誰もやっていない方法を見つけようと頭をひねり、朝に思いついて夕方にプレスリリースを出したことも数知れず。

今でもまだやりたいことは多いのですが、それでも10年目として一区切りつけることができました。

あらゆるタイミングに多くの人の支えがあって、ここまでやってくることができました。

少しでも恩返しできるよう、これからも変わらず精進して良いサービスを目指していきたいと思っています。

LearnO 10周年記念ページは以下のURLより https://learno.jp/learno10th/

2022.03.22

長い人生でそれも一つの学び

不謹慎な話で20代半ばにはじめて部下ができて思ったのは、なんと面倒なことかということでした。

経験を積んだら、不慣れな人のできてないところばかり目につきます。

あれに気配りがない、これは正確さにかける、それが本質ではないと。

逐一口に出して指摘してみたものの、ほとんどうまく伝わりませんでした。

今では理解していますが、本人の中でまだ言葉を受け止める土台がなくて消化しきれないのです。

そんなことがあり、次第に「本人が気づきを得やすいように仕事を切り出して、後は好きにやってもらう、つまづいたらコメントする」方式に変えていきました。

つまるところ、教える側も学ぶ側もその方が楽だったからです。

この合理的な判断が結果として自発性につながるらしく、以下を引用します。

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〈叱る依存〉がとまらない
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011884

「できる」ためのサポートをしようとすると、どうしても「ああしなさい」「これはだめ」「このやり方にしなさい」などと、やるべきことややり方を決めてしまいがちです。

それでもある程度までは、知識や技能を身につけることは可能でしょう。

ですがそれでたどり着けるところには大きな限界があります。

一番の問題は「自分で学ぶ」ことができなくなってしまうことです。

中略

すでにご説明したように、人が最も多く学べるのはその人が「冒険モード」の時です。

そして冒険モードでの学びの本質は「やりたい」「欲しい」という欲求をベースとした主体的な学び方にあります。

学ぶということを考える時に、「冒険モード」を守る、邪魔しないという発想がとても重要なのです。

冒険モードになるための鍵は、「自己決定」にあります。

つまり「自分で決めた」「自分がしている」という感覚です。
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自発性は、時にそれぞれのエゴと結びついてチームの方向性をばらけさせてしまうこともあるでしょう。

ですが、長い人生でそれも一つの学びということでいいんじゃないかと。

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