少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2023.10.02
ビジネスで個人のスキルや組織の成果を測る指標はたくさんあります。
プログラムを書く量、資料を作るスピード、コーディングの正確さという数値になるものから、メンバーを巻き込むリーダーシップ、最後まで全うする責任感、周囲に合わせる協調性という定性的で文章になるものまで。
それに部門ごとの売上高やコスト削減といった評価を積み上げていけば、会社の全体像として表現できます。
これはごく一般的で当たり前の話です。
疑いをはさむ余地はほとんどありません。
ですから敢えて、そういえばと思い直します。
チームワークの大切さや組織の一体感が声高に叫ばれる昨今、人と人との連動性や部門と部門との連動性はどう評価されているのかなと。
ある部門が好調でも別の部門が不調なら、何かがおかしい気がします。
サプライチェーンに例えると、ある部門がたくさん部品を作っても次に受け取る部門がうまくさばけなければボトルネックと呼ばれます。
もちろん業務を標準化しやすいなら、部門間のタスク移動を評価に組み込めるのかもしれません。
次のステップの様子を確認して、問題なければ作業を進めるという定型にしてしまう。
しかし人と人の連動性の先に新しい価値を作りたいと望むなら、標準化は難しくなるでしょう。
標準化、その定義の埒外に新しさは宿っています。
再現性、それは何かが抜け落ちて成立しています。
つまり絶えざる革新を見据えるなら、いまだ見ぬ島々に焦がれ漕ぎいる小舟のように標準化や再現性の大陸からざぶりと離れるしかないのかなと思ったり。
2023.09.25
社内の定例会議は、ルーティンなのであまり記憶に残りません。
ですが3年先の未来から今日の定例を眺めたら、とても貴重に感じるはず。
そう思ってあちこちの会議をライブレコーディングしてみました。
オンラインで参加すれば、音声は自動で文字化されるので便利です。
ブランディングの定例より、そんな文字起こし模様をお届けします。
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9月某日いつものように13時30分からスタート
13:37:05 はい、じゃあいいですか。始めますか?大丈夫そうかな?
13:37:13 では始めていきます。
13:37:17 えーっと、はい、ああ、そっか。画面共有しないと。うーんとこれだ。
13:37:32 見えてますか?
13:37:34 はい。
13:37:34 ああー。
13:37:37 はい。じゃあいつも通り始めていきますか。そうです。
13:37:44 えーとで音声コンテンツはバッチリ。とりあえず録音してみるということで、はい。
13:37:52 ふっふっ。
14:04:20 じゃあ次一階のディスプレイいきますか?
14:04:27 よいしょ。そうですね。
14:04:27 えーっと、ハロウィンがひたひたと迫ってきているので、まぁ引き続き準備を進めているんですけどチャットに動画って送れますか、送れない。
14:04:38 送れますし、重さによります。短ければ送れます。
14:04:48 とりあえず送ってみるといいか。
14:04:43 1階について、とりあえずこれです。
14:04:56 あ。ネオンサイン。
14:04:56 ネオンサインのやつを昨日ちょっとテスト。
14:05:00 あっ。前もやろうとしたやつですね。
14:05:03 アッハッハッハ。
14:05:03 えっ、私、見れない。これどうやってやればいいんだ?
14:05:06 いやいや、チャットに送っておきました。
14:05:10 ハハハハハッ。
14:05:11 あーほんとだ。
14:05:11 ほんとだー。ほんとだ。
14:05:14 なんこれ。
14:05:09 えーっ。わあー。フフフッ。確かにちょっと変わったかもしれない。
14:05:15 アハハハハ。いや、結構変わったって。
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困ったもので、コンピュータも人間と同じく聞き取れない言葉を笑い声でごまかすんです。
2023.09.19
会社で意思決定をする間際、どうしても「しようと思って選択しているのか」「せざるをえず選択しているのか」が気になります。
未来を考えるにあたり幾つかの可能性を並べるわけですが、絞りに絞って10個の選択肢になったのか、はじめからたった2個の選択肢しかないのかは判断に向かう出発地点として大きく異なります。
未来は無限という壮大なキャッチフレーズを割り引いたとしても数は多い方に振れるはずですから、やけに選択肢が少ないと違和感を覚えます。
やや強引ながら就職活動に当てはめてみれば、大学3年の4月ならあらゆる業界を選べるのに大学4年の4月だと慎重に業種や企業を絞らざるをえないのに似ています。
働き始めて5年ほど経てば同じ業界でも違う企業への転職は難しく、10年過ぎれば尚更に大変だと思うのであれば構図は同じです。
どうやら、やおら過ぎ去る歳月に取り巻く環境がゆるやかに化学反応してオートマチックに可能だと思える世界を狭めているようです。
この状況じゃあ、その選択肢しかない、と思い込まざるをえない。
それが前向きならいいのですが、ふと目線が下がるようなら気になります。
だからといって、沁み込むように思い込んだものを判断する直前で外すのはほぼ無理じゃないでしょうか。
ですから今度こそと、うんと前に遡って手を打とうと足掻いてみるのです。
絶えず10個以上の選択肢を持つように努力するか、良さそうな2個を選択肢として残せるように道すがら誘導しておくか。
さんざん頭を悩ませても未来は分からないままながら、気になったが吉日、考えうる端まで進んでみようと思っています。
2023.09.11
立春から数えて二百二十日は台風に気を付けよという戒めのとおり、ざあざあと台風がやってきました。
重陽の節句というのに菊を見ることなく過ごしているからか、早々とお彼岸の準備を始めました。
朝晩の涼しさに一息ついたら、あっという間にハロウィンがやってきます。
そうです、気が早いと言われそうですが、年の瀬が見えてきました。
恒例の新年カレンダー・プロジェクト、年賀アプリ・プロジェクト、ちりちりと火がついています。
2023.09.04
ほとんど予定を立てないのですが、記録だけは残しています。
起業してから毎月何をしていたかのリストが一番長くて、あとは発生したイベントごとに事実を書いています。
運が良かったこと、トラブルになったこと、予想外にうまくいったこと、不意に失敗したこと、材料を集めて判断したこと、話をして気づいたこと、サービスで試行錯誤したこと、メンバが悩んでいたこと、自分の思い込みが盲点だったこと。
3ヶ月に1度ぐらい記録を眺めれば、ぼんやりと自分に宛てたエッセイができてきます。
出来事をつなげ、図を作り、説明を加えて、ストーリーを重ねる。
思いがけずストーリーが響きあえば、遠く昔から語り継がれてきた叙事詩を読み解くような新鮮な気持ちになれます。
2023.08.28
eラーニングLearnOのロゴは、カタツムリをモチーフにしています。
ゆっくり着実に進む、ちょっと愛くるしいといったイメージが新しいオンライン学習システムとマッチしそうで採用されました。
今回10周年のリブランディングで、ロゴを少し立体的にして奥行きをつけて作り直しています。
よく見ればわかるぐらいですが、そこには秘めた大事な想いがあります。
偶然にもカタツムリの研究史に近しいニュアンスがあったので引用します。
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歌うカタツムリ
千葉 聡(著)
https://www.iwanami.co.jp/book/b628057.html
歴史とカタツムリはよく似ている。
どちらも繰り返す、そして螺旋を描く。
それが悲劇か喜劇かはともかく、歴史が繰り返される点でローマの歴史家とマルクスの意見は一致していたし、ヘーゲルとフランシス・ベーコンとノストラダムスの共通点は、彼らに歴史が螺旋階段に見えることだった。
一方、成長するカタツムリの殻は、未来の自分の頭がいる位置ーー文字通り目と鼻の先の場所までたどり着くのに、今使っている貝殻の上に炭酸カルシウムの貝殻を新しく付け足しながら一回転、一度はるばる後ろ側を回ってから戻ってくる。
これを幾度も繰り返して螺旋形の貝になる。
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ぐるっとはるかに遠回りして一つ上の自分にたどりつくというメッセージは、真摯に学ぶものにとって、とても希望が持てるものだと思っています。
2023.08.21
今日はじめて定年で迎えた人を見送りました。
かれこれ10年ほど、一緒に働いてきました。
あんな時ありました、こんな事しましたねといいはじめると、尽きることはありません。
とても慕われた人だったので、みんなが自然と集まって、たくさんの贈り物を抱えた小さな後ろ姿に頬を拭い、雨よけのついた自転車でゆるやかな坂を勢いよく登りおえるまで手を振っていました。
「仕事というより遊びにきてる感じでした」
「孫の歳ほど離れた人たちと友だちになれたんです」
「入社してSwitchでゲームしはじめて、姉にも教えましたから」
屈託なく笑う横顔を忘れることはありません。
会社をはじめて良かったなと思うのは、知らない人と人が出会い、思い出が一つまた一つと丹念に紡がれたときです。
今日の感謝の気持ちを織りこんで、また新しい人たちと歩んでいきます。
2023.08.17
お盆に会った知人が「いまだに会社で目標たててないんですか」と苦笑していたので、今一度考えてみることにしました。
たしかに創業してから一度も会社全体の目標、部門ごとの目標をたてたことがありません。
理由は簡単です。
今日をがんばる、明日はよく分からない、昨日は昨日、というポリシーだったから。
ざっくばらんにいってしまえば、組織の目標はたてるのも確認するのも大変なんです。
まず、組織の現状を把握する。
次に、たどりつきたい組織の未来像を考える。
おおまかに、未来像と現状の差分をとってみる。
差分のうち、実現可能なものだけ抜き出す。
そうして、実現可能なものを決められた期間でブツ切りにする。
念のため、組織同士の目標に連動性があるか確認する。
仕上げに、切り取られた実現可能性をきちんと文章化する。
一晩おいて、とある部門の責任者に文章を見せる。
当然ながら、ストレッチした目標だから少し嫌な顔をされる。
笑いながら、がんばっていこうよと伝える。
というのを、全部門の責任者に行っていく。
それぞれ責任者は、所属するメンバーに伝えていく。
ところが、どこかでズレるか、理解が及ばないところがでてくる。
防ぐために、定期的に全体集会を開いて、同じことをいう。
そうこうして、数ヶ月がすぎて、また目標を立てないといけない。
そういえば、今の目標に対して達成度を精査しないといけない。
誰しも、達成度の解釈に違いがあるから是正しないといけない。
だったら、模範的な人を表彰して手本にしてしまおう。
ならば、目標の作り方をフォーマット化してしまおう。
しばらくして、うっかり新事業を思いつき、目標半ばで方針転換する。
せっかくやってたのにと、責任者もメンバーも落胆する。
そうはいっても、全社マインドで考えてよ、と責任者を集めて合宿する。
すると、顔の見える意見に忖度し、すべてを掬うように取り繕う。
さて、手間暇かけた目標だけど輝いてみえるかな、と不安がよぎる。
というのをくりかえす。
いつしか、目標制度をやめることが怖くなる。
となるかもなので、組織の目標をたてていません。
まあ、もっと正直にいえば、ずっと昔から目標をたてることも、達成することも好きじゃなかったのですが。