少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2023.12.18
たまに仕事のスピードを劇的に上げたいという人がいて、「じゃあ、もし今の2倍になったらどうするの」と話しかけます。
「単純に2倍の量をこなします」という人もいれば、「浮いた時間でやりたいことをやります」「新しいスキルのために勉強します」という人もいます。
であれば「びっくりすることに、4倍になっちゃったらどうする」と聞いてみます。
4倍にできれば今の仕事時間が25%まで圧縮されますから、ほぼ別次元の話に見えるでしょう。
「すごく理想的ですね」といわれそうですが、遅かれ早かれ次は仕事の量が4倍以上に増える気がしています。
ありえることとして
自分が早く仕上げた分、誰かに渡した仕事が早まって戻ってくる可能性
または
あの人は仕事ができるからと、次から次へと仕事が回されてくる可能性
または
周囲の人がやり方を真似ていき、会社全体の仕事量が増えてくる可能性。
つまり、作業スピードの上昇はさらなる仕事量の増加を持たらすという仮説がありえます。
もう一度スピードを上げても、同じことがくり返される。
もしそうなら、スピードの早い遅いに関わらず仕事量はいつも無限に見えるという地点にたどりつきます。
個人の時間と健康は有限なのに、会社の仕事量は絶えず無限に思える。
気がつくと、あらゆる期限と達成度ばかり気にしている。
その思考が行きつく先はどこなのでしょうか。
不明瞭なら、理不尽さを感じます。
ですから、実はスピードの上がらない自分に落胆するんじゃなく「仕事を有限にしかこなせず、今のスピード以上に上げられない自分は何をすべきか」が課題なんじゃないかと思ったり。
2023.12.11
オフィスにつくと、はじめにコーヒーの生豆を焙煎しています。
奥にあるキッチンからパチパチと勢いよくはぜる音に、カカオをすり鉢で練りつぶすような香ばしい匂い。
昔は金物のかご網でぎこちなく炒っていたのに、今では自動の焙煎機が迷いなくやってくれます。
もうすぐ生豆がなくなりそうだったので、今回頼んだのはブラジルのエスプレッソレディーとインドネシアのマンデリン・グランレイナ、それにオリジナルのクリスマスブレンド。
いつも通り気軽にワン・クリックで注文、されど届くまでに本当はとんでもなく長い道のりなんだろうと想像しながら。
そう、はるか遠い大地でコーヒーチェリーと呼ばれる赤い実は瑞々しい果肉を取り除かれ、熱帯の強い日差しに干されてから丈夫な麻袋にずっしりと詰め込まれると、コンテナを運ぶ船便で揺られ続けて数ヶ月、彼の地で丹念にピッキングされグラム単位の小袋となって、最後に決められた日時の正しい場所にたどりつく。
一本の細くて長いロープを、一人一人の見える現実で綱渡りしている感じ。
今はそんな時代なんだと踏ん切りをつけて、1週間前に焙煎した豆をグリグリと挽いてみんなのコーヒーを作っているとやらねばならないことを思い出しました。
近くにスペシャルティコーヒーのお店ができるんだから、早々にご挨拶にいかないと。
それもそうだし、いつもお世話になっているケーキ屋さん、中華料理屋さん、花屋さん、豆腐屋さん、弁護士さん、大家さん、歯医者さんに来年のカレンダーをお届けしないと、と。
思えば、本当に大事なことはいつも限られています。
とかく遠くばかり夢見がちなIT企業だからこそ、石神井というローカルで仲間と共にはたらくことがとても大切なのです。
2023.12.04
経営に関するロングインタビューを公開したのち、「戦略、目標、野望、ビジョン、ミッションの違いってなんなんでしょう?」と質問を受けたので少し考えてみました。
最近発売された本に近しい感触の文章を見つけたので引用してみます。
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戦略の要諦
リチャード・P・ルメルト(著)、村井 章子(訳)
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/10/13/01057/
戦略の策定とは、単なる意思決定ではない。
意思決定の場合、とりうる行動の選択肢があらかじめリストアップされていて、その中から選ぶことが想定されているが、戦略を立てるときはそうではない。
まずは課題の特定から始まる。
また戦略策定と目標設定は違う。
戦略は組織が直面する課題から始まるのであって、先に最終到達地点としての目標を設定するのはあべこべである。
略
けっしてゴールから、つまり目標設定からスタートしてはならない。
いま何が問題なのかを理解することから始め、成否を決するポイントを見きわめることが戦略策定の王道である。
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個人的には、目標、野望、願望、ビジョン、ミッションはほとんど気にすることなく、戦略のあり方だけに集中すればいいのではと思っています。
戦略に他の要素が数珠つなぎに連なると予想しているからです。
では、戦略のあり方はどうするのか?
禅問答のようですが、行く川の水面に刻々とうつり変わる自分たちを善く知るが如くです。
2023.11.27
かつて企画職だったので、気がつくと未来のことを考えています。
未来といっても今日の延長にある未来像ではなく、未来のある地点から見た今日の自分たちです。
分かりやすくいうと「10歳年上の自分なら、今の自分に何と言うだろうか」となります。
10年経つ間に、目がショボショボしたり、腰が痛くなったり、子どもが巣立っていたり、親の面倒を見ていたり、田舎がさびれていたり、探せる知識がずいぶん増えていたり、年金受給の年齢が上がっていたり、食料の調達が大変になっていたり、社会を揺るがす出来事があったり、会社の組織が変化していたり、一緒に働くメンバーが違っていたりするでしょう。
それらを経た未来の自分がなんと言うのだろうかと。
ヒントになるのが、今の自分なら10年前の自分になんとアドバイスするかと考えることです。
10年前、今のオフィスに引っ越す前、主力サービスを立ち上げて1年、メンバーは今の1/3、実績もなければノウハウもない、コロナ禍もなければインフレもない。
あれこれ言いたい気持ちをおさえて3つだけ伝えるでしょう。
自分たちの信じることをやればOK、予想できないことが多いから柔軟に動けるように、個人技とチームワークを高いレベルで両立させて。
さて、10年後の自分は今の自分たちに何を伝えるのでしょうか。
2023.11.20
今年も残り40日ほどになり、会社で大掃除が始まりました。
営業日でいえば28日ぐらい。
やり残したことはないかと話していたら、山盛りありました。
ですが、いいんです。
むしろ絞りに絞って、一つ、二つはやり遂げることにしました。
年末にお配りするカレンダーと、年始にお届けする年賀アプリ。
Mogic冬の風物詩、二つの地獄プロジェクトは佳境に入りました。
この数ヶ月の苦悩が良い思い出になることを願っています。
ご存知ない方は過去のプロジェクトをどうぞ。
【カレンダー2023】https://branding.mogic.jp/a/13685
【カレンダー2022】https://branding.mogic.jp/a/13678
【カレンダー2021】https://branding.mogic.jp/a/13665
【年賀アプリ2023】https://microtech.mogic.jp/a/13625
【年賀アプリ2022】https://microtech.mogic.jp/a/13623
【年賀アプリ2021】https://microtech.mogic.jp/a/13619
2023.11.13
今年の酉の市は11月11日と23日の2回しかなく、いずれも休日なので思い切って初日にいってみました。
例年のごとく、古くなったお札を奉納し、神様に御礼を申し上げ、新しい熊手を買いにいきます。
たくさんの熊手が並んだ屋台を見ていると「上のど真ん中でしょう」と聞こえた気がして、今年は一番大きな熊手にしました。
10年前は手の掌ぐらいだったのにと感慨にふけるのも束の間、下ろされた熊手は身長を超える特大サイズ。
あまりの大きさと重量に驚愕しながら、寒さを堪えてヨロヨロと抱えてなんとか事務所まで持ち帰りました。
そうして今しがた、みんなで力を合わせて無事に飾ることができました。
来年を迎えると、会社ができて15年目になります。
気を引き締めなおし、メンバー一同より一層精進してまいります。
2023.11.06
代表ロングインタビューもついに4回目となり、ようやく経営について話すことになりました。
まだ先の公開ですから、一部を抜粋してみます。
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- 会社を経営していく醍醐味はどんなところでしょうか?
山根:すごく簡単に言ってしまうと、会社だと知らない人を集めることができるところですね。
そこが醍醐味です。
会社だと面白い人集まれ!って言えば集まってくれますけど、個人で休日に面白い人集まれ!っていっても集まってくれないじゃないですか。
だから会社は、一緒に楽しめる人を集める大義名分なところがあります。
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会社の都合やタイミングはありますが、Mogicはいつも面白がれる人を求めています。
【後日追加】インタビュー記事の続きはこちら
https://www.mogic.jp/category/interview/13766
2023.10.30
2025年問題という話があります。
戦後に生まれた団塊の世代が2025年に75歳以上の後期高齢者になり、社会的な課題が増えると予想されています。
身近で感じるのは、誰かが誰かを助ける「ケア」をどうするかということ。
そうじゃなくても、現代は1人の大人として自立して活躍せねばならず、その結果がどうであれ一身に引き受けざるをえません。
無論やることが多すぎて、自分のこと以外を考える余裕はないはずです。
順調なら持ちこたえられても、少しのつまづきで抑えていた問題があふれでてきます。
もう少しケアできる余力を社会のバランスで考えた方がいいんじゃないかと思っていたので、まず料理によるセルフケアの文章から引用します。
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自分のために料理を作る
山口 祐加(著)、星野 概念(著)
https://www.shobunsha.co.jp/?p=7727
というのも、子どもの頃は親が食事を用意してくれたり、元気がなさそうにしていたら話を聞いてくれたりなど、ケアされる立場にいることが多いですよね。
学校や塾でエネルギーを使ったぶん、家で食事をとり、誰かに話を聞いてもらうことでまたエネルギーが回復していく。
けれど大人になると親元を離れ、自分で生計を立てていくことになります。
それは、今まで親が担っていた子どもの世話係が、子ども自身に引き継がれる。
大人になることは、自分が自分の世話係になることなのではないかな、と私は思っています。
お腹が空いたら何か栄養のあるものを食べさせて、夜になったらお風呂に入れてすっきりさせて気持ちよく寝かせる。
おいしいご飯を食べにいくことも、花を飾ることも、自分の世話の一つです。
大人になってしまうと日常的にケアしてくれる世話係はいなくなってしまうので、自分の世話をサボると心の調子が崩れやすくなるのではないでしょうか。
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Mogicを始めてからずっと思っていたのは、会社でぐったり疲れてほしくないということでした。
よくある「会社で疲れ果て、プライベートで回復する」というサイクルに疑問を持っていましたから。
じゃあ何がベストかと考えて「会社で癒されて、プライベートは楽しめる」という発想に至りました。
これであれば「プライベートが大変になっても、会社で癒される」という可能性は残ります。
無謀な理想論でしょうが、トライしつづければなんとかなるものです。
はたらく時間が適正なのはもちろん、チーム全員で仕事を受け持ち、人と人とのつながりでフォローし、未来の社会に貢献できる仕事であれば自然とエネルギーがチャージされると考えたのです。
2025年を前にそろそろ会社という器もあらゆるケアを真剣に考える時に差し掛かっています。