『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられること、それって案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』
2021.10.11
ごくありふれた、当たり前だと思うものに新しい意味を見つけること。
誰かによって書かれた文章の脇に、自分なりの注釈をつけていくこと。
こういったことを、会社経営に対して実践してきました。
会社で行われる教育はビジネスで役立つスキルであるべき、順調な階段状のキャリアを登るべき、個人主義で評価されるべき、業績はずっと真っ直ぐに伸びるべき、意思決定はトップダウンがいい、サービスは1点集中がいい、スピード重視で間違えばピボットすればいい、先行する他社を模倣すればいいとか。
こういった通説に少しでもモヤモヤを感じれば、一つ一つ解きほぐしてきました。
「その考えじゃなくて、この考えの方がいいよ」と発言するより、アクションした方が早いとおもって、まずはトライして発信してきたことが今のMogicらしさとなりました。
最近では、情報発信だけじゃなくて課題解決にも挑む編集手法をソリューション・ジャーナリズムと呼ぶらしく、以下を引用します。
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新世代エディターズファイル
http://www.bnn.co.jp/books/10871/
元ジャーナリストで「ブルックリン・ブルワリー」の共同創業者であるスティーブ・ヒンディは、記事を書くことよりホップや麦の割合を合わせることに喜びを感じ、通信社を退社し同社を創業したという。
「メディア人材=コンテンツ制作者」が自ら描いたストーリーの登場人物になる。
そんな時代が到来したのである。こうしたあり方は、近年注目を集める「ソリューション・ジャーナリズム」にも近い。
さながら、良質なノンフィクションをイメージし、それを現実のものとしてしまう手法である。
編集とはいわば、ストーリーを生み出すクリエイティブディレクション能力を表す言葉である。
コンテンツがどのように読まれ、どのような効果をもたらし、どんなストーリーが生まれるかまでを考える仕事だ。
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誰かが言ってましたが、意味は無制限に生成できるので当面困ることはなさそうです。
2021.10.04
Mogicは9月末が決算月だったので、今週から新しい期が始まりました。
設立当初から前の年度にいろいろあったとしても、新しいスタートにはパーっとやっています。
社内メンバーでパーっとご馳走やスイーツを食べたり、オモシロそうなイベントを開催したり。
ちょうどハロウィンなのでオフィスあちこちに飾り付けたり、ドローンを飛ばして撮影したり。
スタートはいつでも前のめりに踏み出していきます。
2021.09.27
Mogicではチームワークを重視したビジネスプロセスを組んでいて、他の人の動き方をいろいろ考えます。
しかし、モダンサッカーと同じく組織だけでは突破できない局面が出てきますので、ここぞというときに発揮できる個人技も磨いてくれたらいいけどなあと欲張ったことを思っていました。
そこで個人技とは一体何か?という疑問が出てきます。
これまで数十年培った経験か、生まれ育った環境か、性格か。
個人技をビジネスや人生の局面突破という目的から見れば、ただ経験の蓄積だけではダメでしょうから、構造体としてまとめあげる必要がありそうです。
しかも日々刻々と状況が変化しますから、DNAやタンパク質のようにタイミングごとに変化する構造体といった具合でしょう。
そう思っていた矢先に「そもそもひとりになる時間が大事じゃないか」という文章があったので引用します。
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本を読めなくなった人のための読書論
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=921
当時は、仕事に追われていました。文字通り忙殺されていたのです。
日々、いろんな人にも会い、ほとんどの時間を打ち合わせに割いていました。
時間をどんなに費やしても終わりが見えない。
家に帰るのも深夜になることが少なくありませんでした。
中略
もう一つ、「ひとり」の時間が決定的に不足していました。
ひとりになって、自分と向き合うのを忘れていました。
むしろ、恐れていたのだと思います。
仕事に没頭することは悪いことじゃない。
むしろ、いいことだ。
今は、わき目もふらず走る時期だ、そう思い込んでいました。
中略
人生にはさまざまな「気づき」があります。
誰かと話し合うなかでしか感じられないこともありますが、ひとりのときにしか気がつけないこともあります。
対話は大切です。
誰かと話すことは独りよがりな考えを改めてくれます。
しかし、それとは別に「ひとり」になってみないと分からないことがあります。
奇妙に聞こえるかもしれませんが、読書は、「ひとり」であることと、対話が同時に実現している、とても不思議な出来事なのです。
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涼しくなってきましたから、ひとり公園でサンドイッチをパクつきながらの読書もいいものです。
2021.09.21
必要に応じて、社内で臨時の塾を開催しています。
昔やっていたのは起業家レッスン、ノート会、就活相談などで、最近はウェブディレクター塾を開いています。
これまで通り資料やアジェンダはなくて、質問をしながら講義を組み立てていきます。
このスタイルがいいのは、自分にとっても意外な発見のあるところ。
あらかじめ話す内容が決まっていたら、過去の自分がアウトプットしたものを再現するのに近しくなりますが、アドリブで話すと自分でも意識していないことを自分が話します。
今回のディレクター塾で話していたのは「自分で時間をコントロールすることが大事」みたいなことです。
人から依頼された仕事や任されたプロジェクトの制約条件から作業時間を決めるのではなくて、自分が自分の理想的な期限を決めてこそ余裕を持てるということを話していました。
デザイナーやエンジニアと違って分かりやすいモノを作らない職種だから、時間の取り扱いこそが最大の資産だといいたかったようです。
しかしながら、このポイントがいつも重要かというとそうではなく、また別の人達には違うことをいうと思います。
ですから、ウェブディレクターのあるべき姿を教えているのではなく、「目の前の人が抱えている盲点」を一緒に探っているというのが正確なのでしょう。
2021.09.13
瀬戸内海に面した小さな町から出て数十年がたち、実家に戻るたびに空き家が目立つようになりました。
当然のように大学は県外へ、就職は都会にとなれば人が減っていくのは避けられません。
住んでいた当時からそのことは言われていましたが、未だにその解決策は見えていないようです。
まちおこしの議論になれば、観光となる資源はないか、職を提供できる仕事場はないか、住居を安く提供できないかという話になります。
ここ何十年かで首都圏の人口が増加しつづけ、地方が減り続けているのを見れば、それだけでは十分でないことがわかります。
必ずしも人口が増えることが重要ではないのですが、やはり最後は「人」に尽きるでしょう。
特にモノがあふれ、観光に慣れてしまった人が大勢いる以上、「他で見たことのない、新しいアイデア」への依存度が高まります。
そういった取り組みを表すものの一つに「関係人口」というコンセプトがあります。
突きつめれば、地域外の人を入れたチームで新しい価値を継続的に提供していくことをフレームワーク化したものです。
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関係人口の社会学
http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-729-5.html
「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。
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このスキームに近しいものは、起業やスタートアップ界隈でもよく見られます。
産学協同、オープンイノベーション、インキュベーションオフィスなど。
そういう視点でみれば、意識的に内部と外部の境界でどういうゆるさを保つかというのは、今の大きなテーマなのかもしれません。
2021.09.06
1週間前まで暑くてうだるようだったのに今日には肌寒くなってきて、すぐに気分も変わってくるから不思議です。
夕食にさんまが並び、梨やぶどうを口にすれば、もはや秋でしかありません。
こうなってくると、Mogic恒例の年末までのラストスパートがはじまります。
来年のオリジナルカレンダー作り、年始に向けた年賀アプリの開発、創立記念の仕込みイベントなどもりだくさんです。
社内用語でそのプロセスを「地獄」と呼んでいます。
期限が迫るのに、残り2週間まで企画が決まらなかったり、作り込みが甘かったりしてダメ出しされて、またやりなおしたり。
いつも反省会で聞くのは「次は余裕をもって終えよう」ですが、そうなった試しはありません。
きっと今年も大勢が地獄へトライするのでしょう。
2021.08.30
カラダに関する統計データに興味があったので、データ量が多そうな免疫や細菌まわりを調べていました。
そうして論文や本を読んでいくと、そもそも腸内の細菌叢は40%、口腔は20%ぐらいしか分かっていないらしく、コンピュータ解析との相性の良さから今後まったく新しい知見が出てくるのだろうなと。
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「腸内細菌」が健康寿命を決める
https://www.shueisha-int.co.jp/publish/%E3%80%8C%E8%85%B8%E5%86%85%E7%B4%B0%E8%8F%8C%E3%80%8D%E3%81%8C%E5%81%A5%E5%BA%B7%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B
こうして20世紀の腸の研究が進んでいくと「腸はセカンドブレイン(第二の脳)だ」ということが言われるようになったのです。
人間の考える力は脳だけにあるのではなく、腸もまた考える力がある重要な臓器だったのです。
中略
そして21世紀になると、腸内細菌の研究に「分子生物学的手法」が応用されるようになりました。
「分子生物学的手法」とは、要するにDNA解析のことです。つまり腸内細菌の遺伝子解析が可能になった。
その結果、ウンチに含まれる腸内細菌の種類を非常に細かく識別できるようになり、腸内最近は少なくとも500種以上、おそらく1000種類あると検討がつけられています。
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自分のことは自分が一番分かっていないとはまさにこのことで、いつか「考え方の変化」もデータを蓄積して解析してみたいところです。
2021.08.23
英語の表現に、Outside the box(想像力を駆使しよう)というものがあります。
ネイティブではないので、正確なニュアンスまではわかりませんが、面白い表現だと思って解釈を広げています。
誰かが「暇だな。おもしろいことないかな」といったとき、すでに箱の中(In the box)にいるのでしょう。
箱の中から周りを見渡すと、上も下も右も左も壁だらけ。
しかもいつも見慣れた壁だから、飽き飽きもしています。
壁の先が見えないのですから、考えが箱の外の世界におよぶことはありません。
しかし、壁より外が見える魔法のメガネがあったとしたらどうでしょうか?
実は海が広がっているとわかるかもしれません。
そうすれば、魔法の釣りざおを作って箱の外へスッと糸をたらすこともできるでしょう。
もし魔法の釣り竿が作れなかったとしても、壁の先に希望を持つことができます。
そういうふうにOutside the boxできれば、「新しい意味」が生まれてきて、生きる活力になります。
ここでいう壁は一つの例えであって、壁自体は「未来」や「自分」、「相手」などに置き換えられます。
日常のあちこちに箱が登場しますから、ちょこちょこ透視できるといいですね。