Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2021.11.01

まっさらで始める楽しさ

子会社3社の新しいオフィスが上石神井に決まったのでいろいろ手伝っています。

石神井公園のオフィスと似てデザイナーズ仕様で広めのテラスがついていて、今だと白い富士山がドーンと目に入ってきます。

6階なのでさすがに緑はないのですが、フロア用にたくさんの植物をプレゼントする予定です。

冷蔵庫から掃除機、机や椅子、フライパンやフォークなどあらゆるものを揃えなければなりません。

ずっと昔にMogicとしてはじめてオフィスを開いた頃を思い出します。

まっさらで始めて、自分たちらしく作り込んでいくのは本当に楽しいものです。

2021.10.25

期待値のない、期待感

期待値とは確率用語で、Wikiより定義をもってきますと「確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均」といった難しい表現になります。

ざっくりいえば、何度かやったらこんな答えに収束するんじゃないかと予測するものです。

会社を運営していくことは、将来の段取りをつけることと近しいのでよく使います。

最近のMogicでは組織化が進み、権限が分散化されたことで、役職者がお金やリソースにまつわることを多く扱うようになりました。

これまでかかっていた費用とか、他社でも使っていそうな費用は期待値を計算しやすいものです。

ところが一番難しくなってくるのが「今まで費用をかけたことがなく、他でも聞いたことがないものにどう投資するか」ということです。

期待値を算出しようにも過去データがないのでどうしようもありません。

Wikiの定義の続きにも似たような記述があります。

「期待値が意味をもつのは、同じような事象が比較的均等に起こる場合である。非常に極端な値をとる事象がごくまれに起こり得るというような場合は、期待値の概念にはなじまない。例えば、「保険」や「宝くじ」では高額の保険金や当選金が得られる機会はごく稀なので期待値は負の値になるが、そのことをもって、保険に入ることや宝くじの購入が無意味であると判断するのは、適当ではない」

そんな時に登場させているのが「期待感」です。

この投資をして誰がどうワクワクするか、明るい顔で楽しそうに話をするか、そんな基準です。

あまりに曖昧だと使いづらいので少しは数式化するのですが、それでも最後は話を聞いた人たちの顔を見ています。

期待値が予想できないものこそ、みんなが楽しそうですから不思議なものです。

2021.10.19

資本と経営の分離

株式会社でいつか必ず考えねばならないテーマに「資本と経営の分離」というものがあります。

いつか、と書いたのは資本を出した人が経営をし続けたとしても引退の際には整理が必要だからです。

自分のお金で会社を興して(資本と経営が同一)、軌道にのったら誰かに社長を任せるのもありますし、上場して不特定多数の人に株を持ってもらうこともあります。

資本と経営が一体化している時は、働く人のイメージが湧きやすいものです。

社長だけがどこか遠くにいるわけでなく、たいていは従業員と一緒に働いているからです。

しかし株主が不特定多数になれば、誰がどう働いているかは関係ありません。

他の誰かから見た、透明度の高い数字とガバナンスが第一の優先事項になりますから、おそらく一体化していた時とは違う雰囲気になるでしょう。

組織を束ねる論理が変わるから自然なことです。

このようなことは株式会社では当たり前のように感じますが、家族に置き換えるとどうなんだろうと考えてみました。

普通はお父さんとお母さんが稼いだお金すべてが家族の資本であり、それをどう使うかが経営といえるでしょう。

ところが、家族の資本のうち半分以上を不特定多数の誰かが出資していたらどうなるか。

お金を使う時に「なにやら使いにくさ」を感じるものです。

使い込みすぎてリターンが少なければ、お父さん役、お母さん役を解任させられて誰かが送り込まれるかもしれません。

3ヶ月ごとに目標が掲げられ、到達しない場合は説明が必要で、場合によって家族から去ることになるやもしれません。

そういう風に考えていくと、「資本比率による権利(役割)の移動」は日常生活では考えない発明なんだなと思い知らされます。

2021.10.11

ノンフィクションを現実に

ごくありふれた、当たり前だと思うものに新しい意味を見つけること。

誰かによって書かれた文章の脇に、自分なりの注釈をつけていくこと。

こういったことを、会社経営に対して実践してきました。

会社で行われる教育はビジネスで役立つスキルであるべき、順調な階段状のキャリアを登るべき、個人主義で評価されるべき、業績はずっと真っ直ぐに伸びるべき、意思決定はトップダウンがいい、サービスは1点集中がいい、スピード重視で間違えばピボットすればいい、先行する他社を模倣すればいいとか。

こういった通説に少しでもモヤモヤを感じれば、一つ一つ解きほぐしてきました。

「その考えじゃなくて、この考えの方がいいよ」と発言するより、アクションした方が早いとおもって、まずはトライして発信してきたことが今のMogicらしさとなりました。

最近では、情報発信だけじゃなくて課題解決にも挑む編集手法をソリューション・ジャーナリズムと呼ぶらしく、以下を引用します。

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新世代エディターズファイル
http://www.bnn.co.jp/books/10871/

元ジャーナリストで「ブルックリン・ブルワリー」の共同創業者であるスティーブ・ヒンディは、記事を書くことよりホップや麦の割合を合わせることに喜びを感じ、通信社を退社し同社を創業したという。

「メディア人材=コンテンツ制作者」が自ら描いたストーリーの登場人物になる。

そんな時代が到来したのである。こうしたあり方は、近年注目を集める「ソリューション・ジャーナリズム」にも近い。

さながら、良質なノンフィクションをイメージし、それを現実のものとしてしまう手法である。

編集とはいわば、ストーリーを生み出すクリエイティブディレクション能力を表す言葉である。

コンテンツがどのように読まれ、どのような効果をもたらし、どんなストーリーが生まれるかまでを考える仕事だ。
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誰かが言ってましたが、意味は無制限に生成できるので当面困ることはなさそうです。

2021.10.04

パーっとやっていこう

Mogicは9月末が決算月だったので、今週から新しい期が始まりました。

設立当初から前の年度にいろいろあったとしても、新しいスタートにはパーっとやっています。

社内メンバーでパーっとご馳走やスイーツを食べたり、オモシロそうなイベントを開催したり。

ちょうどハロウィンなのでオフィスあちこちに飾り付けたり、ドローンを飛ばして撮影したり。

スタートはいつでも前のめりに踏み出していきます。

2021.09.27

チームワークとひとりの時間

Mogicではチームワークを重視したビジネスプロセスを組んでいて、他の人の動き方をいろいろ考えます。

しかし、モダンサッカーと同じく組織だけでは突破できない局面が出てきますので、ここぞというときに発揮できる個人技も磨いてくれたらいいけどなあと欲張ったことを思っていました。

そこで個人技とは一体何か?という疑問が出てきます。

これまで数十年培った経験か、生まれ育った環境か、性格か。

個人技をビジネスや人生の局面突破という目的から見れば、ただ経験の蓄積だけではダメでしょうから、構造体としてまとめあげる必要がありそうです。

しかも日々刻々と状況が変化しますから、DNAやタンパク質のようにタイミングごとに変化する構造体といった具合でしょう。

そう思っていた矢先に「そもそもひとりになる時間が大事じゃないか」という文章があったので引用します。

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本を読めなくなった人のための読書論
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=921

当時は、仕事に追われていました。文字通り忙殺されていたのです。

日々、いろんな人にも会い、ほとんどの時間を打ち合わせに割いていました。

時間をどんなに費やしても終わりが見えない。

家に帰るのも深夜になることが少なくありませんでした。

中略

もう一つ、「ひとり」の時間が決定的に不足していました。

ひとりになって、自分と向き合うのを忘れていました。

むしろ、恐れていたのだと思います。

仕事に没頭することは悪いことじゃない。

むしろ、いいことだ。

今は、わき目もふらず走る時期だ、そう思い込んでいました。

中略

人生にはさまざまな「気づき」があります。

誰かと話し合うなかでしか感じられないこともありますが、ひとりのときにしか気がつけないこともあります。

対話は大切です。

誰かと話すことは独りよがりな考えを改めてくれます。

しかし、それとは別に「ひとり」になってみないと分からないことがあります。

奇妙に聞こえるかもしれませんが、読書は、「ひとり」であることと、対話が同時に実現している、とても不思議な出来事なのです。

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涼しくなってきましたから、ひとり公園でサンドイッチをパクつきながらの読書もいいものです。

2021.09.21

臨時の塾を開催しています

必要に応じて、社内で臨時の塾を開催しています。

昔やっていたのは起業家レッスン、ノート会、就活相談などで、最近はウェブディレクター塾を開いています。

これまで通り資料やアジェンダはなくて、質問をしながら講義を組み立てていきます。

このスタイルがいいのは、自分にとっても意外な発見のあるところ。

あらかじめ話す内容が決まっていたら、過去の自分がアウトプットしたものを再現するのに近しくなりますが、アドリブで話すと自分でも意識していないことを自分が話します。

今回のディレクター塾で話していたのは「自分で時間をコントロールすることが大事」みたいなことです。

人から依頼された仕事や任されたプロジェクトの制約条件から作業時間を決めるのではなくて、自分が自分の理想的な期限を決めてこそ余裕を持てるということを話していました。

デザイナーやエンジニアと違って分かりやすいモノを作らない職種だから、時間の取り扱いこそが最大の資産だといいたかったようです。

しかしながら、このポイントがいつも重要かというとそうではなく、また別の人達には違うことをいうと思います。

ですから、ウェブディレクターのあるべき姿を教えているのではなく、「目の前の人が抱えている盲点」を一緒に探っているというのが正確なのでしょう。

2021.09.13

どういうゆるさを保つのか

瀬戸内海に面した小さな町から出て数十年がたち、実家に戻るたびに空き家が目立つようになりました。

当然のように大学は県外へ、就職は都会にとなれば人が減っていくのは避けられません。

住んでいた当時からそのことは言われていましたが、未だにその解決策は見えていないようです。

まちおこしの議論になれば、観光となる資源はないか、職を提供できる仕事場はないか、住居を安く提供できないかという話になります。

ここ何十年かで首都圏の人口が増加しつづけ、地方が減り続けているのを見れば、それだけでは十分でないことがわかります。

必ずしも人口が増えることが重要ではないのですが、やはり最後は「人」に尽きるでしょう。

特にモノがあふれ、観光に慣れてしまった人が大勢いる以上、「他で見たことのない、新しいアイデア」への依存度が高まります。

そういった取り組みを表すものの一つに「関係人口」というコンセプトがあります。

突きつめれば、地域外の人を入れたチームで新しい価値を継続的に提供していくことをフレームワーク化したものです。

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関係人口の社会学
http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-729-5.html

「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。

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このスキームに近しいものは、起業やスタートアップ界隈でもよく見られます。

産学協同、オープンイノベーション、インキュベーションオフィスなど。

そういう視点でみれば、意識的に内部と外部の境界でどういうゆるさを保つかというのは、今の大きなテーマなのかもしれません。

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