Mogicはかんがえる

『自分たちの好きなように会社を作っていけばいい。
他と違ってても、普通じゃなくても、信じられることをやっていく。
信じられること、それって案外と少ないものですから
そう、本当に愚直に、率直に、真摯にそれを探してきたんです』

代表取締役 山根陽一

2021.06.21

ドルコスト平均法的な、ブランドサービスの作り方

ごくシンプルな投資手法の一つに、ドルコスト平均法というものがあります。

Wikipediaによれば「株式や投資信託などの金融商品の投資手法の一つ。定額購入法ともいう。金融商品を購入する場合、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。長期投資でリスクを抑制し、安定した収益を得たい場合に使われる手法である。上げ相場でドル・コスト平均法を行うと(最初に一括で購入した場合と比べて)平均購入単価がかえって高くなり、収益を減少させてしまう欠点もある。タイミングを精密に測れないため、値動きの激しい商品で、ハイリターンを目指す投資には向かない。」

例えば、毎月5個ずつ商品を買うのではなく、1万円で買える分だけ手に入れる感じです。

もちろん商品1個あたりの単価が値上がりすれば、1万円で5個買えたものが2個になるかもしれません。

商品が値下がりすれば、逆で1万円で8個手にできます。

1度にまとめて購入するより、購入時期を散らすことでリスク分散させていますから、中長期的にゆるやかなトレンドで上昇しそうなときに使えます。

この考え方をちょっと乱暴に横展開して、自分たちのサービス作りのリソース確保に使ってきました。

あくまで自己資金で少しずつ売上をたてながら、自分たちのブランドサービスをコツコツ育てていく場合に適しているものです。

おおよそクライアントに向けたデザイン制作やプログラム開発は売上に直結しますから組織として最優先のリソース割り当てになります。

しかしながら、少し欲ばって同時に自分たちのブランドサービスも作りたいとしたら、どういう風にリソース配分すればいいものでしょうか?

最初の立ち上げ時期は、ある程度まとまったリソースをブランドサービスに投入できます。

ただし、クライアント案件には受発注の波がありますので、それに比例して「サービスに手をいれたり、入れなかったり」をくり返すようになり、やがて「結果でてないから様子見」という状況で塩漬けになりがちです。

ですから、ここでドルコスト平均法の考え方を適用します。

毎週何個の改善をやるべしといった設定をすると忙しい時に時間がなくなって、精神的に行き詰まります。

本を定期的に買っていたら、忙しい時に積み上げてしまい、その重みに苦しむようなものです。

個数ではなく、余力のある時間にあわせて課題の数や難易度をコントロールしていきます。

最も忙しいときは、ごくわずかだけやります。

時間があるときは普通にやります。

これをずっと続けていくのです。

とにかくやめないことがミソです。

これのデメリットとしては、すべてのメンバーの状況(忙しさはもちろん、習熟度、ポテンシャルの開花度、人生のタイミングなど)をつぶさに観察してから課題を決めることになるので、マネジメントコストが大きく増えます。

もしそれさえ圧縮できる手法を開発できれば、これはとても信頼ある方法の一つになっていきます。

2021.06.15

コンピューティングパワーを片手に

とあるスーパーマーケットの専門家に品揃えの秘密を教えてもらったことがあります。

うろ覚えで申し訳ないのですが……よく売れている商品だけを並べるだけじゃダメで、たまにしか売れない商品も揃えておかないと全体の売上(お店への訪問回数、購入数など)が落ちてしまうという話でした。

入口から外周に配置されているのがよく売れる商品で野菜、魚、肉、飲み物、パンなど、逆に売れないけど大切なのが中央にある調味料や缶詰など。

人が作るスーパーマーケットなのに、なんだか生態系のバランスみたいだなと感じた記憶があります。

商品の売上高という一つのモノサシで測れるものじゃなくて、いろんなモノがそれぞれの役割をあちこちで果たして全体が成立しているような。

そんな絶妙なバランスについて身の回りの環境で触れていた仮説があったので引用します。

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家は生態系 ーあなたは20万種の生き物と暮らしている
http://www.hakuyo-sha.co.jp/creature/never-home-alone/

生物多様性の喪失は、人間の免疫系にも「痛み」を与え、機能不全を引き起こすと考えていたのだ。

そのように考える上で、最も直接的な足がかりとなったのは、慢性的な自己免疫疾患は過度に清潔で衛生的な生活と関係があるとする仮説および一連の研究だった。

この「衛生仮説」は、1989年にロンドン大学セントジョージ医学校の疫学者、デイヴィット・ストローンが初めて提唱した。

中略

ハンスキ、ハーテラ、フォン・ヘルツェンは、環境中、家屋内、そして身体に生息する多種多様な生物への曝露が、免疫系の平和維持経路の機能を正常に保つのに何らかの役割を果たしているに違いないと考えた。

そのような曝露の機会がないと、免疫系がIgE抗体を作って反応し、チリダニやチャバネゴキブリやカビの破片、さらには自己の細胞のような、実際には危険ではないさまざまな抗原に対して炎症反応を起こすようになる。

子どもたちが十分に野生動物に曝露していないと、調整経路がその役割を果たしてくれない。

アレルギーや喘息を発症し、その他の諸問題も生じてくるーそんなふうに彼らは考えたのだ。刺激的な仮説だが、その仮説を検証する必要があった。
ーーーーーー

多種多様な生きものに接触する前提で作られてきた体の免疫システムが、よかれと思って清潔にしすぎた環境で逆にバランスを崩してしまうという説です。

本当にそうなのかはこれからも検証が続くとして、それにしても生きもの同士や生きものと環境との関係は複雑で分かりにくいものが多い気がしています。

スケールもナノからメートルまで幅がありますし、時間の流れも違います。

分かりにくいものも、これまでなら単純化して取り扱えるようにしてきました。

しかし年々高まるコンピューティングパワーを片手に、これからは入り組んだものもなぞりながら解読するのが主流になるのでしょう。

2021.06.09

変わらないもの

コロナ禍であっても昼休みの様子を見ていると、相変わらず好きなことをやってるなあというのが感想です。

Switchでオンラインゲームをやるグループだったり、アイスを食べている人だったり、会話を楽しんでいる人だったり、本を読んでいる人だったり、DIYで机を作っている人だったり、屋上でタープをはっている人だったり。

当然、コロナ感染対策のルールは徹底しつつ。

時短の人も多いので帰る時間はバラバラで、定時に帰る人もいれば、少し残業する人もいます。

最近は忙しくなりましたよといわれますが、数年前までは昼ごはんの遠征に2時間かけたり、夕方に公園で野球とかしてましたから、それに比べれば忙しく感じるのでしょう。

1年前に入社した社員に会社の印象を聞いてみると

「仕事に関係ない本がたくさん、かつ更新される」
「仕事じゃないことに時間も労力もお金もかける」
「インテリアがよくかわる」
「時間にルーズ」
「役職者がみんなだいたい同じ方向を向いている」
「みんなで帰る」
「こばなし文化」
「社内メディアというか歴史というか記録が多い」

と、たくさん挙げてくれました。

どう受け止めるべきかは考えつつ、やっぱり10年前から雰囲気は変わってなさそうです。

2021.06.02

そこが奇妙なところなんです。

毎週、執行役員とチーフという管理職だけで執行役員会という会議を行っています。

役員はまったく参加せず、あくまで現場の責任者だけです。

実はこの会議に対して、こういうフォーマットでこう進めてくれといったことはありません。

たまに会社全体のフローや意識を変えた方がいいかなというお題を投げたりするぐらい。

それ以外に定型のアジェンダもなく、どうも彼らでこの時間に何を話すべきかから話しているようです。

会社に人が増えてきたり、社会情勢が急に変化してくると、今までうまくいったやり方が急に通用しなくなります。

そういうものをいち早く現場レベルのチームワークでクリアしてくれるといいなと思ったりしますが、そこらも彼らの感覚まかせです。

後日、役員も集まる経営会議で彼らの話したことをチラリと聞いたりすると、何かが伝わってきます。

謎が謎をよぶ推理小説のように、一見つながっていない出来事には「隠れた原因」があるんじゃないかとか(以下、引用します)。

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脳はこうして学ぶ
https://www.morikita.co.jp/books/book/3513

スコットランドヤードのグレゴリー警部が「他に私が注意しておいた方がいいところはありますか」と尋ねる。

ホームズ ー 夜にあった犬の奇妙な一件ですよ。

グレゴリー ー 犬は夜、何もしませんでしたよ。

ホームズ ー そこが奇妙なところなんです。

シャーロックは、犬が部外者を見つければ、吠えていただろうと推理した。

実際には吠えなかったということは、犯人は部外者ではなく、なじみの人物だったにちがいない……

この推理で、名探偵は探索の幅を狭め、その後真犯人の正体を暴くことになる。


「それが学習とどう関係するのか」と思われるかもしれないが、要は学習もホームズがしているような推理なのだ。

学習とはつまるところ、現象を支配するいちばんもっともと思えるモデルを導くために、その隠れた原因をつきとめるということだ。

しかし現実の世界では、観察しても真か偽かがはっきりすることはめったになく、不確定で確率論的なことしかいえない。

そこにこそベイズ師やラプラス侯爵の業績の根本がかかわってくる。

ベイズ理論は、確率でどう推理するか、データが真か偽かについて完全ではなく、確率論であるときに、どんな論理式を適用しなければならないかを教える。
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みんながいつもと違う、ゆらぎを感じとれていれば大丈夫だと思っています。

2021.05.25

斬新さ、見晴らしの良さ、緑の多さ

子会社の新しいオフィスのために、物件を探しています。

Mogicのオフィスと近い方がよさそうということで、石神井近辺で探すのですが、なぜかピンとくるものがありません。

物件を眺めながら思うことは、こういう時にこそ心の奥に潜んでいるイメージがスーッと浮かびあがってくるんだなあということです。

ドアのノブが丸すぎるとか、どうしても物件の名前がフィットしないとか、部屋の雰囲気はいいけど窓が少ないとか、廊下のオブジェが違うとか、いろいろ気になる点を列挙していけば、反対の視点から求めているものにフォーカスがあたってきます。

結果として僕らが求めていたものは、斬新さ、見晴らしの良さ、緑の多さでした。

一般的にオフィスといえば、交通の便だったり、ブランドのある地名だったり、広さだったり、IT設備が求められますが、違いました。

思い返せば、Mogicの過去のオフィスはいずれもデザイナーズ物件で、みんなから「カッコイイけど冬は寒く、夏は暑い」と呼ばれるものばかりです。

過去と同じ基準で選ぶと知見(=寒くて暑い)がたまっている分、周囲からは反対されそうですが、うまくやりたいものです。

2021.05.17

うまく「戦略」を作れないワケ

「将来にむけて、どういうビジョンや戦略を考えていますか?」といわれて、はたと困ることがあります。

こうなったらいいなという方向はあるものの、プレゼン資料にまとめることもなければ、発表会をすることもないからです。

方向性はざっくりと「21世紀の半ばごろに役立てるように、まず教育にアプローチ」だったり、「はたらく人が自分の仕事に充実感を持つ」だったり、「関わる人に希望を持ってもらえるようにする」とか、たくさんあります。

それ以上に細かいものはありませんから、話すことがないのです。

一般的には、KPIとか戦略、戦術、ミッションとか、ビジョンが必要とされますが、なくていいかなあとここまでやってきました。

組織がそこまで大きくないから、それでもいいんだよという意見もあるでしょう。

しかしながら、組織が小さくても揉めたり、うまくいかないときはうまくいかなくなりますから、少し違う気もしています。

そんなモヤモヤにしっくりくる文章があったので引用します。

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数学する身体
https://www.shinchosha.co.jp/book/339651/

人間が人工物を設計するときには、あらかじめどこまでがリソースでどこからがノイズかをはっきり決めるものである。

この回路の例でいえば、一つ一つの論理ブロックは問題解決のためのリソースだが、電磁的な漏れや磁束はノイズとして、極力排除するようにするだろう。

だが、それはあくまで設計者の視点である。

設計者のいない、ボトムアップの進化の過程では、使えるものは、見境なくなんでも使われる。

結果として、リソースは身体や環境に散らばり、ノイズとの区別が曖昧になる。

どこまでが問題解決をしている主体で、どこからがその環境なのかということが、判然としないまま雑じりあう。
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もう一つよく質問されて困ることがあります。

「どうして年齢や国籍が違うダイバーシティというか、多様性を目指されたのですか?」です。

答えは「目指したんじゃないんだけど」なのですが、さすがにガッカリされそうなので、少しだけ格好をつけた返答をします。

石神井という場所で心地よく参加してくれる人を募ってきたら、こうなってしまった、であって設計通りではなく、適応の結果なんです。

ある時点で立てた戦略が時間とともに無効化されるを眺めているのか、戦略を正当化するためにノイズを排除するのか、それとも戦略を小刻みに変え続ける戦略なのか。

どうにも自分一人で抱えるには大きすぎて、多彩な情報があちこちに流れているので、うまく「戦略」を作れないようです。

2021.05.12

365個のスタート地点

20代で働いていたころ、周囲から「30代半ばになるとプレイヤーとして現場で活躍するのは限界だからマネジメントの練習をはじめないとな」と言われてきました。

なんとなく腑に落ちなくて、本当にそうなのかなあと思いながら、30代で新しい分野の会社を立ち上げ、現場でも働いて40代になった頃、世の中では人生100年時代といわれるようになっていました。

人生100年時代のベースにあるのは、ずっと学びつづけて、新しい可能性を模索して、長く働くということかと思います。

その点からいけば、現実問題としての異分野への参入障壁はさておいて、途中に何度でも新しい業種や職種、現場にもマネジメントにもチャレンジしてもいいということになります。

実際、もし35歳からマネジメントだけに専念すれば、定年が70歳だとすると35年もマネージャでありつづけるので、個人的にはなかなか窮屈だなと。

一方で、「ずっと学びつづけて、新しい分野に挑戦しつづける」のはちょっと重荷に感じるかもしれません。

そんなにトライばかりが人生じゃありませんよ、という人もいるでしょう。

ですから、インターン生にも伝えているオススメが一つがあります。

とりあえず1日1つだけ新しいことをはじめて、1年後にその記録を振り返ってみるのです。

毎日に少しのうるおいが出ますから、やってみるのは悪くはありません。

大それたことをする必要なくて、コンビニで食べたことのないスイーツを買ってみるもよし、左手でフォークをつかってみるもよし、新しいサービスを使ってみるもよし、使ったことのない言葉を口にしてみるもよし。

それでも1年分だと、365個のリストができてきます。

そうしてから、今一度考えてみてはどうでしょう。

365個もリストがあれば、何か1つぐらいは新しいことへのスタート地点になるものです。

2021.05.06

リデュース・リユース・リサイクル

持続的な社会に必要とされる3つのRとして、リデュース・リユース・リサイクルがあります。

ゴミになりそうなものをはじめから減らすリデュース、同じものを何度も使うリユース、回収して新たに素材を作るリサイクル。

目に見えるモノでは考えやすいのですが、目に見えない資産ではどうなるのでしょう。

会社において目に見えない資産で代表的なものは、ブランドやサービス、ノウハウやチームワーク、マネジメントやカルチャーがあります。

まずは「これらにどうムダが発生しているのか」を判断しないと動けませんから、そこを考えていきます。

ムダになったブランドやサービス、ムダに感じるノウハウやチームワーク、ムダをうむマネジメントやカルチャー。

Mogicでいえばシンプルで「はたらく人や関わる人が満足しやすいものかどうか」で、ムダかムダじゃないかが決まってきます。

はたらく人が仕事をして満足感を得られないようなサービスはやめて、効率的だけどはたらく人が成長できないようなノウハウは持たず、関わる人が首をかしげるマネジメントは必要ありません。

かつて有効だったけど今では貢献できなくなった例として、オフィスでのイベント運営があります。

コロナ禍でみんなが集まって楽しさを共有したイベントはなくなり、オンラインチャットと動画配信を軸とした新しい表現にうまれかわりました。

あとは過去に出したサービスでも将来性が見えなくなったら解体して、その知見を次のサービスに組み込んだりしてきました。

提供サービスをやめるのも一つの方法だといえます。

持続的であるということは静的にも感じられますが、絶えず自分たちの仕事に価値があるかを見直すという意味でダイナミックなものなのでしょう。

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