少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2021.04.12
オフィスにある植物の植え替えや剪定をはじめる季節になりました。
ぶらりぶらりと植物をみてまわり、だいぶ大きくなったなあとか、弱ってるかもとつぶやきながら、屋上まで運んでいきます。
ゴールデンウィークが近くなると晴れる日が増えますし、半袖で作業すると少し汗ばむぐらいでちょうどいいものです。
石神井の近くに珍しい草木を扱っているお店があるので、ついつい日ごろ見ないような植物を揃えてしまいます。
最近は植木鉢で質感のいいものがふえたので、こだわって買うと植物より高くなって、あららということに。
今年はパンパスグラスが弱ってしまいました。
お化けススキという俗称もあるぐらい、大きな穂をつける植物。
もともとブラジルやアルゼンチンなど南米生まれで、観賞用に明治期に入ってきたようです。
オフィスに大きなススキがあるとおもしろそうだったので数年前に購入したのですが、日光が大好きなので室内ばかりで次第に元気がなくなりました。
光を求めてベランダ付きの部屋に譲り、育成してもらうことにしました。
枯れた長細い葉を切り取り、根の張り具合を確かめ、土壌をどう調整するか考えてくれるでしょう。
そんな感じで、いろんな植物に手をいれながら1年の成長をふりかえっています。
もちろん植物のある部屋ごとに、メンバーの成長も自然と感じられるものです。
2021.04.07
会社を作る前に、商工会議所や省庁で行っている起業や経営に関するアンケートを見ていました。
ざっと見ると会社の悩みは大きく3つあり、新規顧客を開拓できない、いい人材を採用できない、資金繰りが大変というもの。
それはそうだろうなと思うとともに、なぜこの3つに集約されるのかを考えていました。
資金繰りが大変だから、いい人材を採用できないのか?
新規顧客を開拓できないから、資金繰りが悪いのか?
いい人材がいないから、新規顧客を開拓できないのか?
相互に影響を与えているといってしまえばそれまでになりますので、自分たちに役に立つ情報になるようにもう少し深めていきます。
A)新規顧客を開拓できない、B)いい人材を採用できない、C)資金繰りが大変という3つへの対策を想定するとして、C)の資金が足りないのは当面お金を使わなければいいだけ、B)のいい人材が採用できないは、当面自分が頑張ればいいだけ。
残るのはA)新規顧客の開拓となります。この課題さえなんとかすればいいということです。
ただし、ここまできてようやく自分が「新規顧客」というものをきちんと分かっていなんだなと気がつきました。
単語以上にその中身が分かっていなくて使っているのです。
新規顧客という単語は売り手の視点で見たものでもありますから、本当は契約する相手がもっと良くなるイメージを想像しないといけないなあと。
そうしてまた新しい課題が生まれます。
契約したくなる期待値とは何か?
契約した後の普通の満足度とは何か?
普通以上の満足度とは何か?
普通以上の満足度がずっと続くのがいいのか? など
会社経営は好きなだけ自分たちの課題を作ることができますから、それが楽しくもあります。
2021.03.24
引き算シリーズというテーマがあって、「当たり前」から「最も重要そうなこと」を引いてみて何が残るか、ということを考えたりします。
あんぱんから、あんを抜いてみたらどうなるかといった具合です。
ただのパンになるのか、エアあんぱんになるのか、を考えるのは自由です。
資本主義から前年比の売上高や四半期目標を引いたら、どうなるかを考えた本があったのではじめに引用します。
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マイノリティ・デザイン
https://wrl.co.jp/2020/12/25/minority-design/
子どもの頃から、僕は数多くのクリエイターたちに救われてきました。
中略
でも、いざ社会に飛び込んでみると、あらゆる業界の「クリエイター」と呼ばれる職種の人たちが疲れていることに気づきました。
その原因は、持てる才能を経済が食い尽くそうとしているからです。
中略
けれども一方で、みんな気づきはじめていると思うんです。
前年比10「1」%の売上、「四」半期目標達成といった数字をクリアするのが、すべてではないことに。
労働人口は減少し、国内市場が縮小し、さまざまな格差が拡大する中、短期目標をクリアすることだけに僕らが全力疾走しても、息切れして潰れるだけだということに。
ある後輩が、こんなことをつぶやいていました。
「資本主義って、いったいどこを目指してるんですかね?」
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「資本主義」 ー 「売上や利益」 = 「マイノリティの大切さに気がつく」という一つの回答です。
売上や利益はほっとくと効率性の点からマジョリティへのフォーカスと近似しますから、マイノリティへの配慮は少なくなりがちです。
SDGsのような設定があえて必要な理由もそこにありそうです。
特に答えがあるわけではないのですが、「人生」から「夢」を引いてみたり、「社会」から「自分の権利」を引いてみたり、「会社」から「社長」を引いてみると、見えていそうで見えていなかったものに気がつくものです。
2021.03.22
早いもので石神井にオフィスができて、もう10年が経ちました。
最近、面接で「なぜ石神井にオフィスがあるのですか?」とよく聞かれるようなので、その理由を書いてみます。
たくさんあって、口頭だと説明が難しいというのもあります。
石神井にオフィスがある理由とは
・緑が多くてゆったりとした時間が流れている場所だったから
・東日本大震災があり、みんなの自宅とオフィスが近い方がいいと思ったから
・石神井にIT企業がほとんどなく、ほどなく石神井ナンバーワンIT企業と言えそうだったから
・比較する他企業がなく、あくせくしなさそうだから
・都心にオフィスを構えるのがあまりに「常識」で、その常識を疑ってみたかったから
・20年後を考えると、都心だけがオフィスじゃない気がしたから
・地域の方々と連携して何か一緒に活動をしてみたかったから
・はたらく人が増えたら、地域の飲食店への貢献ができそうだったから
・都心にくらべてオフィス坪単価が安く、浮いた分を福利厚生に回したかったから
・通勤電車に揺られなくてもよかったから
・最初のころよく石神井のファミレスで打ち合わせをしていたから
常識的なじゃないことをするには、それなりの根拠をいろんな角度から考える必要がありますね。
これだけの理由だとまだ「なぜ思いきって地方じゃダメなんですか?」とも言われる余地がありますので、そこに答えますと
・ITをふんだんに使う企業はどうしてもウェブエンジニアやデザイナー、ディレクター、プランナーの力が大切になるため、集積の経済の観点で最初から地方に拠点を置くことは得策ではなかった。将来的にはありうるけれど、最初のステップは東京の力をかりるべきだと考えた
となります。
そして、都心の良さ=ITらしさを経験している人たちがいる点と、地方の良さ=スペースや時間に余裕のある暮らしがしやすい点を天秤にかけて都心から17km付近がベターなんだろうという判断になりました。
まあ考えすぎな気もしますが、結果的に振りかえると予想外に楽しいことがたくさんありました。
そして子会社もいろいろできてきましたので、新しい展開のアイデアを練らないといけなそうです。
2021.03.16
コロナによるパンデミックで、ネット上にも大量の情報が押し寄せてきました。
その現象はインフォメーション(情報)のエピデミック(伝染病)=インフォデミックと呼ばれています。
総務省にインフォデミック調査の興味深いページがあります。
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新型コロナウイルス感染症をめぐる情報流通の現状
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd123100.html
デロイトトーマツコンサルティング(2020)の試算によれば、世界の情報伝達力は2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)流行時から68倍に拡大しているという。
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そして計算方法にも依存はしていますが、デトロイトトーマツの調査報告のタイトルが「1世紀で150万倍に増大した情報伝達力~ 情報の急速な伝染「インフォデミック」とは」です。特にコンテンツの情報量とコンテンツ数が大きな影響を及ぼしているようです。
氾濫する情報がある一方で、ニュース砂漠という問題もあります。
これはアメリカの地方新聞社がネットメディアの興隆でどんどんなくなってしまい、地域住民に必要なニュースが発信されなくなった現象を指しています。
情報が氾濫するインフォデミックと、ローカルなニュースが枯渇するニュース砂漠。
もし人間の認識力が1世紀で150万倍になればいいのですが、さほど変わっていないことを考えると「膨れあがる情報と干あがる情報」にどう対処していけばいいものでしょうか。
少なくとも小学校から「情報の調理実習(インフォクッキング)」という科目でもあったらいいのかなと。
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参考情報:文部科学省 情報教育の推進
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1369613.htm
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2021.03.08
今ではもう「代表」と呼ばれるばかりで、インターン生や新卒社員に直接教える機会はほとんどなくなりました。
入社して1ヶ月後に1回あるかないかです。
執行役員やチーフたちがしっかりフォローアップしてるので出る幕がありません。
それはそれでいいことなのですが、少しのさびしさもあり、Mogicで働く人だけが読めるコラムサイトを作るようになりました。
社会人としての基礎知識から、就活の悩み、20代で考えること、人生の3大費用のこと、Mogicができるまでの話、社員に求めるスタンスなど雑多にたくさんあります。全部あわせると200本ぐらいでしょう。
Mogicの雰囲気はちょっと変わっているので、「なぜこんなにイベントや教育があるんだろう?」と疑問が湧いた時に見てくれることを願っています。
未来にやってくるだろうメンバーに向けてコラムを書くこと自体、何とも不思議な気分になります。
ですが、昔の人が小瓶に手紙をいれて海に流したボトルメールのように、今日のちょっとした高揚感も一緒に届けばいいかなと思っています。
2021.02.22
パソコンの中心にはCPUという集積回路があり、そこでいろいろな計算をします。
それ以外に一時的に記憶を保存するメモリ、長期的に大量のデータを保管するハードディスク、外部接続端子があり、複雑に連携しています。
連携には秘密があり、それがリズムです。
電気信号を利用して大量の処理を同時に行いますから、それぞれのパートがズレてしまうとまったく意味をなしません。
電子回路には「振動子」というリズムメーカーがあり、正確で高速なリズムを刻みます。
クオーツという単語を聞いた人は多いと思いますが、クオーツは日本語にするとそのまま石英(水晶)で薄くカットして電圧をかけると振動します。
それを応用して作ったリズムを使っていたりします。
リズムは人間の動作にも大きく関わっていて、先日読んだ論文には脳の海馬という記憶に関する部分は4〜8Hzのリズムを刻んでいるとありました。
脳も視覚や聴覚など機能ごとに分かれたパートを連動させるのにリズムが重要のようです。
ただし、パソコンのように集中的に管理しているのか、機能局在を活かして分散的に合わせているかは議論が分かれている模様。
そんなリズムのことを思いながら、会社を機能させるリズムはどうあるべきなんだろうと考えています。
Mogicはこれまで数値目標やロードマップを掲げたことがなく、各自やチームがそれぞれのタイミングでアイデアを持ちかけて、フィードバックをもらって、パッと集まって、サッといなくなりますから、離散的なリズムといえるでしょうか
2021.02.04
Mogicのオフィスにはちょっと広めの屋上があって、たまにひなたぼっこしたり、昼寝したり、コーヒーを焙煎したり、木材の加工をしたりしていますが、一番おすすめなのが夕暮れどきです。
日が沈むとうっすら富士山が浮かびあがり、背後ではスカイツリーやビルの光が映えてきます。
もう少し暗くなってくるとギリギリ一等星が見えてきて、今だと牡牛座のアルデバラン、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、あとは火星や土星がゆらゆらと輝いています。
立春を過ぎて暖かくなってくると、杉の花粉がやってきますから、そろそろ屋上は休業になりそうです。
次は階段に小さな本棚を作って、セレクトブックコーナーが始まるでしょう。
1年を通じて、オフィスのあらゆる場所で小さな楽しみを見つけて、みんなと共有する。そんなMogicらしさが今日もはじまります。