Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2020.12.14

お弁当 OBENTO

ちょうど昨年の今ごろ、研修がてらパリを歩いている時にやけに日本文化の情報に触れるなあと感じていました。

ホテルからモンマルトルの丘へ歩いていくと初音ミク ヨーロッパバージョンのポスターがあちこち貼ってあったり、戻って朝食に抹茶らしきドリンクが出てきたり。

ホテルのフロントの人とよもやま話をしていたら「チケット高いけど、いつか日本にいってみたいのよねえ。知り合いもいるし」というリップサービスも。

そこで現地に住んでいる日本人のブログを読んでみると日本文化、特に数年前からはお弁当OBENTOがすごく人気だということが分かりました。

自分の子どものお弁当を他の子が食べちゃったということもあるようです。

確かに海外だと、りんごとパンとチーズを袋にいれて以上、といったことが多いですね。

お弁当がウケる背景はいろいろあるみたいですが、個人的に一番気にしたいのはお弁当OBENTOがいかにも日本的な発想なんだろうという点でした。

この場合の日本的というのは、「狭いスペースにこれでもかと様々な意味を押し込むことができる力」と同義です。

茶室でも庭園でも、モノは少ないのにやけに意味が多く重なっている。

それを読み解いていく面白さがある。

そういうものはなかなか世界にないようで、日本人の感性として染み込んでいる気がします。

大きくて派手なものもいいと思います。

小さくて美しいものもいいと思います。

他の経営者から、巨大企業への憧れを聞くことがあります。

しかし世界で少子高齢化が進み、資源が問題になる未来に、日本的な競争優位で目指すものはそこにあるのかなあと議論したりします。

議論だけじゃなく、証明が必要ですね。

2020.12.07

調べることが便利になったから

たまに学生のつもりで、知りたいものを調べるようにしています。

最近は便利なもので本だけでなく、ネットで多少間違っていても大雑把なものを知ることができます。

本や雑誌と違って、情報の粒度に手加減がないのもいいところです。

少し前にたまたま「動物の種類」を調べていました。wikiによれば

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20世紀末の分子遺伝学の知見を踏まえると、生物は真正細菌、古細菌、真核生物の3つに分かれるが(3ドメイン説)、動物はそのうちの真核生物に属し、他に真核生物に属するものとしては植物、菌類(キノコやカビ)、原生生物が挙げられる。

なお、原生生物の一部である原生動物(ゾウリムシ、ミドリムシ、アメーバなど)は本稿で言う動物(後生動物)とは別系統であり、しかも多系統である事が判明している。
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なるほど、次は「真正細菌」について情報を見ます。同じく

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sn-グリセロール3-リン酸の脂肪酸エステルより構成される細胞膜を持つ原核生物と定義される。

古細菌ドメイン、真核生物ドメインとともに、全生物界を三分する。

真核生物と比較した場合、構造は非常に単純である。

しかしながら、はるかに多様な代謝系や栄養要求性を示し、生息環境も生物圏と考えられる全ての環境に広がっている。

その生物量は膨大である。

腸内細菌や発酵細菌、あるいは病原細菌として人との関わりも深い。
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そうか、じゃあ動物だけじゃなく、動物以外の「ウイルス」はと

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他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。

生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないこと、小器官がないこと、自己増殖することがないことから、生物かどうかについて議論がある。

2本鎖DNAウイルス (dsDNA)
1本鎖DNAウイルス (ssDNA)
2本鎖RNAウイルス (dsRNA)
1本鎖+鎖RNAウイルス ((+)ssRNA)
1本鎖-鎖RNAウイルス ((−)ssRNA)
1本鎖RNA逆転写ウイルス (ssRNA-RT)
2本鎖DNA逆転写ウイルス (dsDNA-RT)
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続けていくとキリがないのですが、キリがないのがまた良いものです。

日頃、自分のやっていることがほんの少しのことだと感じられます。

逆の見方をすれば、ほんの少しということは大変貴重なものでもあるので、どうやっても楽しむしかないなと思う、今日このごろです。

2020.12.01

未来で外部性を引き起こすもの

外部性という難しい単語からスタートしてみました。

経済用語でWikiによれば

「外部性(がいぶせい、英: Externality)は、ある経済主体の意思決定(行為・経済活動)が他の経済主体の意思決定に影響を及ぼすことをいう。一般に経済学では、ある経済主体の意思決定は他の経済主体の意思決定に影響を及ぼさないと仮定するが、現実には他の経済主体の影響を無視できない場合がある。そこで、そのような場合に対処するために考案された概念が外部性である。」

となります。

すごく当たり前のことを難しくいっているのですが、単純にいうと「誰かが何かしたら、思わぬ形で誰かが影響受けたりすることもあるでしょ。そのすべてをまとめて見てみよう」です。

山で木を切りすぎて、土砂が流れ出し、少しずつ栄養分が少なくなって、河口のプランクトンが減り、魚がとれなくなったりすることだったりします。木こりの利害だけで進めると、漁師に思わぬ影響が出ます。

ビジネスにおいて、今の外部性より、いつか起こる外部性の可能性に目を向けることはとても大切だと思っています。

ちょうど未来で生まれる外部性を示唆するものがあったので引用します。

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エクストリーム経済
https://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail/13405

これから向かう未来のなかでも、確実にそうなることがわかっている代表的な例は都市化だ。

1950年代には、世界人口の70%以上が農村部に住んでいた。

経済学で考察する問題は、大半の人にとって農村部の問題だった。

その後、長い年月をかけて人が移動した結果、街や都市は大きくなり、縮小した。

2007年は、世界の都市人口が初めて農村部の人口を上回った、特筆すべき年だった。

中略

2050年には1世紀前のパターンが逆転し、70パーセントの人が都市部に住むようになる。

かつてアルフレッド・マーシャルが論じた集積の経済が、さらに力を持つことになるだろう。

中略

次の10年間で最も重要な動向は、高齢化、テクノロジー、不平等だ。

この3つは世界に共通する動向で、すでに大きな懸念を引き起こしており、今後も強まっていく可能性が高い。
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いずれにおいても新しい教育の重要性が高まると感じています。

未来のことはまだ分かりませんが、新しく生まれてくるものを真摯に学んでいきたいと思います。

2020.11.10

会社にまつわる直感

フィットネスやワークアウトをして、体組成計で細かくデータをとることは一般的になりました。

全体の体脂肪だけでなく、右腕や左脚など個々の数値の変動が分かるので、次のプランを立てやすくなります。

たとえ体重は減らなくても、筋肉量が増えて脂肪量が減ったりすることが分かれば、長期的な体調管理に役立ちます。

会社も体と同じように細かくデータを取り、分析することができます。

試算表、決算資料(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)といったものから、ビジネスや部門ごとの特徴にあわせて設定されるKPI、レバレッジの掛け方に関係する資本効率やバーンレート、企業価値に関するバリュエーションまで。

数多くありますので、好きに選んで組み合わせられます。組み合わせた指標をベンチマークに、会社の体調を管理することができます。

しかし、会社を人と同じような視点で見ていくのには限界があります。

理由は簡単で、人は一定の大きさにしか成長しないのに対し、会社はどんどん大きくなってしまう可能性があるからです。

働く人が1人の時、10人の時、30人の時、100人の時、1000人の時、それぞれで全く違う視点で違うデータの組み合わせが必要です。

またはクライアント数が1社、10社、100社、1000社・・・の時も同様です。

前と同じような指標、スタンスでやっていて気がついたらおかしなことになってたというのはよくあります。

ではどうするか?となって、やはり自分たちの手で自分たちの心地よい場所を保ち続けたいので、会社の運営手法を不連続に切り替えていく必要があります。

アイデアを試せたり、お互いを信頼して議論できる環境をキープするために、制度やシステム、コミュニケーション方法をごそっと入れ替えていく。

このあたりの設計やタイミングは、連続的に見える数値指標からは作れないので、直感に従うしかなさそうです。

2020.10.06

オリオン座のぼんやりとした光のかたまり

あるものが発明される前と後では、同じ景色でもまったく違うように見えることがあります。

望遠鏡が発明されるまで夜空は無数のきらめく星々と信じられていて、望遠鏡でのぞくと星にはデコボコがあり、輪があることも分かりました。

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ハッブル望遠鏡がみた宇宙
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/sp/hubble2/

天文学者は宇宙の複雑な仕組みを解き明かそうと、過去数千年にわたり観察を続けてきた。

そのほとんどは肉眼によるものだ。

こうした状況を根底から変える画期的な道具、すなわち望遠鏡が17世紀初頭に発明された。

ガリレオをはじめとする人々は、望遠鏡は対象物の拡大以外にもすぐれた働きをすることに気がついた。

暗い対象物がより明るく見え(集光力の向上)、不明瞭な景色がはっきり見える(解像力の向上)。

具体的に目に見えるものがいかに説得力を持つか、ガリレオはよく分かっていた。

天の川が個々の星に分解でき、オリオン座のぼんやりとした光のかたまりやプレアデスが実は星の集まりだということが明らかになった。

かなり暗い星々が密集していたため、肉眼では見分けられなかったのだ。
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ぼんやりとしか見えなかったものが、はっきり見えるようになることのインパクトは大きいものです。

ただ、はっきり見えたものがどのような「意味」を持つのかを解読するにはまた多くの時間がかかります。

ITの力の一つは、いままで流通することのなかった個人の活動データが流れ、社会生活の解像度が上昇していることにあります。

あいまいだった活動が、データとしてくっきり見えているのです。

しかし、このデータがいったい何の意味を持っているのか、本質的には分かっていないことが多く、それを読み解くにはまた違う視点や理論が必要になるのでしょう。

2020.09.11

ドリンク特選部、石膏の型取り、LANケーブル作り

たいてい1日にどこかでワーワーという声が聞こえるので、行ってみると数人で何かを作ってたり、食べたりしています。

オフィスではお茶やジュースなどが無料で提供されているのですが、それだけだと面白みがないので先月からドリンク特選部というチームがボランティアで立ち上がり、流行っていたり、とんがっている飲み物を厳選して用意してくれるようになりました。

スイカジュース、レモネード専門店のカップジュースなど飲み比べして盛り上がったり、社内のオンラインチャットで話題になったりしています。

またある時は、何人かで小さな袋に手をいれて大笑いしているので何をしているのかと見てみれば、1Fディスプレイ用に手を型取りしていました。どうもグニャグニャ感が受けたようです。

またある時は、引越ししてLANケーブルが足りなくなったので、従業員全員の必須課題としてLANケーブル作りを課しました。

ちょうどよい難易度と作業時間なので、ああ器用なんだねとか、失敗して悔しいとか言いながら作っています。

みんなITをふんだんに使うのに、五感で楽しむのも好きなようです。

2020.08.12

ブランドのメガネ

ブランドはその由来からして、複数を比較したときに明らかに区別できるようにすることです。

資本主義ではこの「区別」が大きな意味を持ちます。

区別は、商品なら差別化と呼ばれ、就職活動やSNSなら自分らしさと言い換えられますが、展開は似ています。

希少性が上がれば価値(人気)は高まるという原理により、価値があると思われたものは他に模倣され、模倣された方はさらにレアな方向に先鋭化していきます。

やがて、先鋭化も模倣もスピードが落ち、限界に近づき、同質化します。

一方、他に模倣されてなお模倣されない部分が残るものは長続きします。

その持続性は、競争優位やコアコンピタンス、擬似的な独占とも呼ばれます。

他との区別をもたらす差について、頭では理解できます。

しかし、当事者になった時にそこに気付けるかどうかはすごく難しいことだと考えています。

業界内で自分たちが他社と違いを生み出せていると思える差は、顧客目線では同じものに見えたりするからです。

顧客には同じに見えて、自分たちは違うと思うものがあるということを理解し、それらを細かく把握しなければなりません。

まずは顧客目線自体をどうやって把握するのかというのが課題になります。

顧客目線を確かめる方法として分かりやすいのは、アンケートを取ったり、グループミーティングをしたり、ビッグデータを解析したりすることです。

ただ、時間と手間と二次情報特有のバイアスがかかるため、以前にこの課題に対してずっと手軽な方法を考えたことがあります。

それは自分たちの商品のブランドロゴを他社のものにしてみたり、自分の履歴書の名前や住所、大学や会社の名称を違うものにしてみるということです。

要は見慣れたブランドを外してみて、どう感じるかです。

ありがちな感じがするか、なんかちょっといいなと思えるかがヒントになります。

小さくても、ぼんやりした灯りを見つけられればもうけもの。

暗がりでつまづきながら、そろそろと進んでいくだけですから。

2020.07.08

これからのキャリア談義

インターンにくる学生や中途入社する人には、最初にキャリア(職歴)ってなんだろうという話をします。

最終的にはそれぞれのキャリアについて議論できるといいかなと思っているので、まず土台となるフレームワークを出します。

大学を卒業し22歳ごろ、25〜26歳に第一次転職ブーム、30〜31歳:第二次転職ブーム、35歳:転職限界説、40歳:心の定年退職、50歳すぎ:役職退職、60歳:定年のち再雇用、65歳:年金開始など。

今から30年後を考えると、年金の受給開始が75歳になっている可能性があります。

もし定年退職が75歳だったら、22歳から働きはじめて53年間あるよねと。50年前なら55歳が定年なので33年ほど、親の世代の感覚とは大分乖離したことになっているでしょう。

加えて、キャリアに影響を与える要因として自分自身のライフイベントもあります。

結婚、出産、子育て、教育費、親の介護、自分の老後など。それは必ずあるというわけではなく、あくまで可能性の話です。

さらに少子高齢化という人口動態の変化がもたらす社会経済的な変化、グローバル化の先にある光と影。要素が多すぎて大変ですね。

と、前置きをしてから「じゃあ、あなたはどう考えてる?」と聞きます。ちょっといじわるな質問かもしれません。

しかし、その時の質問と回答に意味があるのではなく、これをきっかけに「自分の中で働いていく意味」を探すスタートになればいいんじゃないかと考えています。

もちろん自分の働く意味をじっくり考えている人もいますので、それはまた違った展開になります。

とかく将来に進むのが難しい時代です。

一人で考えてもいいですが、いろんな人とぶつかりながらキャリアを議論するのも一つの選択肢じゃないでしょうか。

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