少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。
2018.09.25
広いスペースがあり、豊富に資材があって、組み立てるのはとても楽です。
自然といろいろなことを考えなくていいからです。
しかし、スペースが狭く、資材に限りがある場合に、組み立てるのはいろいろなことを考慮してバランスをとって試行錯誤しなければならないため、難しい作業になります。
どちらがより、新しい価値を生み出せたか、今までにない知見を生産できたかでいうと、後者かなと思っています。
これは一つの抽象的な例で、アポロ宇宙計画を事例として当てはめますと、広いスペースがあったか、時間的に余裕があったか、豊富に資材があったかでいうとそうではなかったと思います。
だからこそ、様々な工夫をコンパクトなスペースで実現する必要があり、それが限界に挑む人の素晴らしさなのかとも感じます。
会社とは何か?会社で仕事をするとは何か?
狭いスペースにしておくからこそ、よりクリエイティブになれることが多いと思い、コンパクトに畳んでおくことを大切にしています。
2018.08.17
最近、ミヒャエル・エンデの「モモ」に関する話によく出くわします。
時間どろぼうというタイトルからすでにピンと来られた方も多いと思います。
モモをネタバレしない範囲でwikipediaより引用しますと
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モモ
https://ja.wikipedia.org/?curid=5266
イタリア・ローマを思わせるとある街に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たちによって人々から時間が盗まれてしまい、皆の心から余裕が消えてしまう。
しかし貧しくとも友人の話に耳を傾け、その人に自信をとりもどさせてくれる不思議な力を持つ少女モモが、冒険していくストーリー
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そんな中で、モモにもふれた興味深い本に出くわしたのでこちらも一部引用します。
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ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」
http://mainichibooks.com/books/science/post-562.html
時間はコストであり、金に換算できるという考え方である。
しかし、物資の流通や情報技術の高度化を通じて時間を節約した結果、せっかく得た自分だけの時間をも同じように効率化の対象化にしてしまった。
自分の欲求を最大限満たすために、効率的な過ごし方を考える。
映画を見て、スポーツを観戦し、ショッピングを楽しんで、ぜいたくな食事をする。自分で稼いだ金で、どれだけ自分がやりたいことが可能かを考える。
でも、それは自分が節約した時間と同じ考え方なので、いつまでたっても満たされることがない。
そればかりか、自分の時間が増えれば増えるほど、孤独になって時間を持て余すようになる。
それは、そもそも人間がひとりで時間を使うようにできていないからである。
中略
仲間に自分の時間をさしだし、仲間からも時間をもらいながら、互酬性にもとづいた暮らしを営んできたのだ。
幸福は仲間とともに感じるもので、信頼は金や言葉ではなく、ともに生きた時間によって強められるものだからである。
世界は今、多くの敵意に満ちており、孤独な人間が増えている。
それは経済的な時間概念によってつくりだされたものだ。
それを社会的な時間に変えて、いのちをつなぐ時間をとりもどすことが必要ではないだろうか。
ゴリラと同じように、敵意はともにいる時間によって解消できると思うからである。
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Mogicを運営していく中で、最も重要な課題だと捉えているのが「人が感じる、今日の充実感」です。
時間を忘れるほどの何かが今日会社にあれば、それで合格だと思っています。
2018.07.20
会社がある程度年数を経過し、組織化が進んでくると実施されるものに、朝礼、決起集会、合宿、クレドやミッションづくり、多面的フィードバック、表彰式などがあります。
さらに、組織/個人ごとに3ヶ月、6ヶ月のコミットメントと評価など組織の健全性を図るモノサシが導入されることがあります。
Mogicは設立されて10年弱になり、組織化され、人数も増えてきましたが、一度もそれらをやったことがありません。
おそらく将来もないと思います。
それをしなくとも、残業せず、新しいことを学びつづけ、休みたいときに休み、休んだ人のために自動的に周りでフォローアップし、サービスをブラッシュアップし、コストを抑え、価値を作ることに集中できていると感じています。
組織化のもたらすものは何か?
管理する側からみれば、人が増えた分だけパワーはでるが、バラけやすいのでコントローラブルにしたいという欲求でしょうし、働く側からみれば、安心感は出てくるものの、自分らしくやってる感は薄れるということだと考えています。
Mogicとしては、組織化しながらも、コントローラブルな部分を減らし、個々が自律的に考えてチームとして連携して動ければなあと思っています。
2018.06.28
とてもありがたいことに、Mogicには年間150人以上の学生がインターンの面接にやってきます。
しかもそのインターンの募集条件がサマーインターンのように短期ではなく、長くじっくりしたもので、現在在籍している学生の最長は丸4年です。
たまにそれってインターンなんですか?とも言われます。
インターン生を受け入れる理由はいくつかあり、不謹慎かもしれませんが、僕らが持っている知恵をシェアしたり、それについて議論したりすることがやっぱり楽しいということです。
教える楽しさ、教わる楽しさ、お互いの知らない情報を持ち寄る楽しさ、少しずつ成長していく楽しさ。
仕事って、大変なことを我慢してきっちりやるという、暗黙のイメージがあったりします。
それがどうにもイヤなので、そうでない雰囲気でも仕事ができることを分かち合いたいのかなと。
2018.05.17
先日、社内のプロジェクトマネージャから言われたことに「今まではエンジニアやデザイナーからもっといいアイデアをほしい」と思っていたけど、それは実は違っていて「彼らが自然と描きたくなるキャンバスを用意できてなかった」ことの方が原因だった気がする、ということでした。
サービスづくりは難しいものです。
よくある機能をたくさんつけていくと、やがて飽和します。
機能が飽和するというより、プロジェクトメンバーの思考回路が飽和してきます。
「もうこれ以上は機能をつけられないんじゃないか」といった閉塞感です。
しかし、これは勝手な幻想だと思っていて、限られた状況から新しい視点をつくるのがクリエイティブなので、それが減っているに気がつかないプロジェクトメンバーの方が問題です。
この限界をプロジェクト内で気がつき、大きく方向転換できるのがいいチームだと思っています。
2018.04.16
10年以上も前、数人の打ち合わせで「ビジネスにおいて最も重要なものは何か?」という問いかけがあり、「付加価値だと思う」と答えたことがあります。
その際、他のメンバーから、意味がわからない、それが何かもイメージつかないし、すぐに役立たないとコメントをもらいました。
Mogicという会社が生まれ、人が集まり、ワーワーやってくる中で、やはりキーは付加価値だったんだなと感じています。
少し話を脱線してから戻しますが、最近世界のあちこちで行われている音楽プロジェクトに「ストリートピアノ」というものがあります。
ストリートピアノ http://streetpiano-jp.com/
誰かの家で眠っていたピアノを調律しなおし、ペイントして、みんなが触れられるパブリックな場所に設置して、その時にきた人がふらっと弾いて、歩いている人がなんとなく引き寄せられるというものです。
それは意図的に細かく設計された段取りがあるわけでもないのに、その前提を聞くだけで、ワクワクします。
どうなっちゃうんだろう?
何がきけるんだろう?
誰もこないのかな?とか。
常識的に考えれば、ピアノは家など屋内にあるべきだし、誰かの所有物でありそうで、演奏の披露はせいぜい隣近所ぐらいです。
それが、そうでなくなる瞬間に付加価値が生まれていて、Mogicではそこを起点に物事を進めてきました。
2018.03.06
D.I.Yとは日曜大工用語で、Wikipediaから引用すると
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https://ja.wikipedia.org/wiki/DIY
DIYとは、お金を払ってひと(業者)にやらせるのではなく、自身で(つまり自分の身体を使って)何かを作ったり、修理したり、装飾したりする活動のことである。
DIYは、「自分でできることは自分でやろう」という理念のもとに行う諸活動である。
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Mogicではこれがよく行われます。
例えば、コーヒー豆をかってきてエスプレッソマシンで飲んでいたりしますが、それも飽きてきますので、生豆から買ってきて、自分たちで焙煎し、エスプレッソのポッドで作り、温めたミルクをフォームにして、カプチーノを作ったり、産地ごとの豆や焙煎具合でお好みのブレンドを楽しんだりします。
あとはフロアタイルが古くなってきたので、自分たちで剥がして、タイルを大量にかって、切ってはってモザイクを作ったり。
ドアの雰囲気が違うとなって、ペンキで塗り替えたり。
会社関連でも似た感じです。会議進行が退屈になったり、面白くないとカスタマイズを加えつづけ、議事録もリアルタイムでつけれるようにしたり。
電話の受け取りメモを書くのが面倒となれば、ウェブツールを作り、ウェブサービスのアイデアが浮かべばすぐに試したり、過去のものに付け加えたり。
プロジェクトによってはとてもゆっくりしたペースのものから、急ピッチで追い込んだものまでプロジェクトマネジメントも個別の担当によってやりやすいようにどんどん変化していきます。
戦略やマーケティングといった硬いビジネス分野も、既存のフレームだと使いづらいので、いろいろ改良していくとまったく違ったものになったりします。
それを楽しんでいける余白が、会社の文化だと思っています。
2018.03.03
食べ物ではないのですが、Mogicは会社経営の上で、地産地消を重視しています。
細かくいえば、パンフレットのデザインを石神井地元のデザイン会社に頼んだり、内装工事は近くの工事屋さんに依頼したり、会計事務所も弁護士事務所も、誕生日のケーキもできることはほとんど、地元の方々にお願いしています。
そうすると、不思議なもので顔見知りになったり、仲良くなったりするんですね。
オフィスの大家さんとも挨拶する中ですし、電気工事に来る人も、子どもたちとのハロウィン行列に参加させてもらったのも近くの英会話教室の方々。
今日も顔見知りの中華料理屋にいったら、混んでいてごめんねということでゴマ団子をサービスでいただきました。
こんなゆるやかなネットワークが石神井で企業経営する雰囲気です。